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スケルトンの奴隷商  作者: ぎじえ・いり
エイディアスの骸骨商会
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孤軍

スケルトンの納入を終えた後、アンズと店の事をスミスに任せた。

元冒険者だ。

アンズひとりくらいなら面倒が見れるだろう。


「早速見せ場が来て嬉しいだろう?」


完全武装しているエキオンに尋ねる。


「それよりもマスターの実力が見れるのが楽しみだな」

「言ってろ」


エキオンだけじゃない。

隊長以下、スケルトンソルジャー5人、そしてバンザイまでもが完全武装している。


1体、スケルトンを連れて行くつもりだったとは言え、なぜ俺はよりにもよってバンザイを連れてきたのか、隊長の横で膝を曲げて剣を手に、やけにカッコつけて立っているコイツを見ていると、後悔したい気持ちになってくるな。


倉庫で適当なスケルトンを選ぶつもりだった時に、入ってきたばかりで一番近くにいたコイツでいいかと思った俺はきっと馬鹿野郎だ。


スケルトンソルジャーは基本的に前回と同じ装備だが、カタブツとガサツの盾をエキオンが再構築した盾に取り替えてある。

さらに隊長の装備も全てエキオン製の物にしていた。


エキオンと隊長は騎乗している。

乗っているのは廃村遠征の時に馬車を引いていたスケルトンの馬だ。

ただし、裸馬ではない。

骨の馬にもエキオンに造らせた馬用の鎧を着せている。


そして俺も騎乗していた。

スケルトンと一緒に行動しても怯えない、モンスター戦用に訓練された軍馬だ。


必要な準備を終えて、裏口からすぐにも出発した。

日はまだ昼を過ぎたばかり。

まだラグボーネ軍はこちらに近づいてきている最中のはず。


「何だか分からんけど死ぬなよ!」


馴染みの門番が声を掛けてくる。

その顔はいつもと違って切実なものだった。


「死んでもデスナイトに転生して皆殺しにしてくるさ」


久しぶりにこの科白を口にしたな。

大戦中にはたびたび言っていたような気がする。

勿論、死ぬ気は無い。


さあ、生きた人間はただひとり、孤軍の進軍だ。

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