謎の民
『猫統べる島のジャンケン大会』作品のスピンオフです。本編を読んで頂けると若干意味が分かります。だけど、本編も意味不明です。
謎の店員「いらっしゃいませ〜ごゆっくりご覧くださいませ〜」
婦人服店から聞こえるこの何気ない掛け声が同じに聞こえるのは謎の店員さんが喋っているからだ。振り向いて見た瞬間に店員Aさんになってしまうが、実は同じ人だ。同じ人だから同じに聞こえる。
このように我々が気付かぬ所で『謎の民』は活躍している。他にも自転車や自動車が坂道から平らな道に移る際に「がっこん」しないのも彼らのおかげだ。車の前輪と後輪の接地面の高さが違えば、どちらかのタイヤが浮かねばならぬがスムーズなのは『謎の持ち上げ隊』が持ち上げるからに他ならない。
そんな働き者の彼らも家に帰れば普通の家庭が待っており、普通に会話をしている。
謎のナレーター「今日もいっぱい喋ったわ。貴方は如何でした?」
謎のガードレールの白い粉吹き付け野郎「今日も昭和40年代ガードレールを粉まみれにしてやったさ。ぬわっははは」
当然の事ながら謎行動だけでは飯は食えない。彼らの生活は遺失物によって成り立っている。
謎のナレーター「小物を落として絶対に見つかるはずの物が見つからない経験はございませんか?下を覗いても物をどかしても見つからない。ふふふ、理由は簡単です。何故ならそこが我々の里の入り口『謎の隙間』だからでございます」
謎の民が住む謎の里では日々謎の隙間から落ちて来る物の整理に追われている。一番多いのは薬の錠剤だ。謎の薬剤師が不断の努力で分類して再利用している。
順風満帆に見える謎の民だが一度滅びかけた事がある。事もあろうに謎の民の弱点は科学だったのだ。日々の謎が解明される度に謎の里の入り口は小さくなった。ある日、謎の総帥謎っぺが里の方針転換を告げる。
謎っぺ「やっぱり、薬の錠剤をご飯にするのは無理があるって。農業をしよう!」
謎の里にも農機具はある。倉庫の奥に仕舞って時の経過と共にどこにいったか分からなくなるアレだ。当然古いしトラクターもあるが燃料が無い。謎の燃料なんて大抵腐っている。何もマトモに育たない中、一つの植物がワンサカ増えた。
ワンサカ・ワンサカ・お芋がワンサカ
謎の民「屁が臭くなるけど謎の芋最高!」
突如大きな扉が現れた。彼らにとって生きる礎とは謎である。みんなで開ける。
謎の民「せーの!なっぞー!」
ぎぃー・ザ・謎の扉
猫「だれ?」
扉を開けた先には喋る猫がいた。こんな素敵な謎はない。暫くは安泰だ。
謎っぺ「我は謎の総帥『謎っぺ』である。どちら様ですか?」
マルーナ「マルーナじゃ」
謎のナレーター「こうして我々は新天地を見つけることが出来ました。出方島は謎に満ちており、我々には最高の土地でした。しかし、大事件が起きてしまいます」
テレビ「大変です、大変です!謎のゴリラです。突如、ここ島根県に金色のゴリラが出現しました!」
謎っぺ「あ、あれはゴリっぺだ。3年前、謎の隙間が狭くなって帰れなくなったゴリっぺだ」
ゴリっぺは帰れなくなったが阿蘇崎倫太郎(68歳)に拾われ安寧の日々を過ごしていた。阿蘇崎さんは毎日ビキニを着てラブソングを歌う謎の男だ。謎の男阿蘇崎さんとゴリっぺとの相性は抜群だった。しかし、恋人と喧嘩した翌日、階段を踏み外して亡くなってしまった。
阿蘇崎さん臨終の言葉「ご、ゴリラさん。50年もゲイやってると閉じねえんだよ」
ガクッ。
謎を無くした謎の民は暴走してしまう。
ゴリっぺ「閉じねえ?ケツの穴のことか・・・ケツの穴のことかーっ!!」
ピッカリ変身金色ゴリラ〜!
果たしてゴリっぺを止める者は現れるのか?
スーパーゴリっぺはとんでもなく強かった。足の速さは時速100キロに達し、握力は1トンにまで及んだ。
そして、スーパーゴリっぺは事もあろうに車を破壊しまくった。走っている車を後ろから追いかけて殴りまくったのである。めっちゃ怖い、いきなり「ガーン」言うたかと思いきや後ろで金色のゴリラがガンガン殴っている。
被害者Aさん「ごめんなさぁい、ごめんなさぁい。許してください。うぁぁん」
スーパーゴリっぺ「ええよ」
スーパーゴリっぺは優しい一面を持っており、目的は車の破壊なので泣いて謝ると許してくれた。もちろんバイクや歩行者には興味は無い。このような事態に日本政府は当然動く。離れた所からスナイパーが麻酔銃を放った。
パァン・パシ・ダダダダダダダッシュ!
スーパーゴリっぺは弾を見事にキャッチして、猛ダッシュでスナイパーに詰め寄った。
スーパーゴリっぺ「ハゲの刑」
スナイパー「ウギャアー!」
スーパーゴリっぺはスナイパーの頭髪を全て毟り取った。その後も様々な手を講じたが全員ハゲになって帰って来た。
日本政府の人「元からハゲてりゃ心配ないのでハゲのエージェントお願いします」
熊沢ちゃん「頭目、今度の仕事は頭目ご指名ですって」
チュッパー「俺?」
チュッパー久しぶりの現場復帰である。
チュッパーが任務に向かうと、監視対象であるスーパーゴリっぺにはすぐに見つかった。
チュッパー「謎っぺさんが帰っておいでだって」
スーパーゴリっぺ「帰れねえ。こんな姿になっちまったら帰れねえ、お前ヅラだな。野生を舐めるな、匂いで分かる」
チュッパー「どのような姿なら帰れるか教えて」
スーパーゴリっぺ「元の姿に戻れば帰れる」
熊沢ちゃん「じゃあ戻ればいいじゃない」
スーパーゴリっぺ「戻るには敗北が必要なんだ。ここまで強いと自動車にだって負けねえ」
熊沢ちゃん「じゃあしりとりで。私から行くわよ、りんご」
チュッパー「ゴリラ」
ゴリっぺ「ライオン、しまったぁ!」
こうしてゴリっぺは出方島にある謎の里セカンドに合流する事が出来たとさ。
おしまい
人に勧める事は無いと思いますが本編である『猫統べる島のジャンケン大会』はR18なので注意が必要です。と言うか作品全体を通じて、あんまり人に読んでるって言わない方がいい作品です。




