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流される


 毎日学校から帰るといつも

 田んぼに出かけていた子どもの頃

 カエルを捕まえ

 カマキリを捕まえ

 イナゴを捕まえ

 ドジョウを拾い

 タニシを拾い

 そんなことをしていた


 いつもカエルがいたのは

 田んぼの間を流れる

 土の用水路で

 草に囲まれ緩やかに水が流れていた

 コンクリートの用水路は

 流れが速く

 壁にへばりつくカワニナ

 それと水草

 そのぐらいしかいなかった


 大きなトノサマガエルを捕まえた

 土の用水路にいつもいて

 いつも逃げられた蛙だった

 両手で持って

 うきうきしながら家へ向かった

 コンクリートの用水路を越えれば

 あとは平坦な道


 そこまで来て

 トノサマガエルが逃げた

 コンクリートの用水路に落ちた

 田んぼの主のような

 大きなトノサマガエルだった

 そいつが

 壁に取り付くことも出来なかった

 ただ流されてゆくだけだった


 大人になって

 田んぼにはあまり行かなくなって

 あの日手から逃げて

 コンクリートの用水路に落ちた蛙のように

 変わってゆく世の中に

 ただ流されている

 そんな気がしている

 壁に取り付くことも出来ずに

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