第1章 第7話 「空を舞うSH-60J(シーホーク)中編」
第7話 「空を舞うSH-60J中編」
▣ 2015年4月11日13時25分 ▣
▣ 航空科ブリーフィング室 ▣
「えーでは、午後の搬送訓練のブリーフィングを始めます。礼。」
開始の宣言で、ブリーフィングは始まった。
「今回の訓練は、傷病者をやくもから陸へ搬送するものである。
速やかな搬送を有するので、スピードが重視されるが、
雑に行っては意味がない。丁寧に、そしてスピーディに行う事!!」
今回の教官である木村が、真剣な表情で話していた。
そして、今回の訓練担当が発表された。
「今回は、木村・河野組と山村・福村組とする。それぞれ開始の、
1350までに機体の点検を済ませておくように。以上解散!!」
そう言って話がたたまれた。
ブリーフィング後、河野は木村に話しかけられた。
「午後の搬送訓練も、気を抜くなよ!!」
強めの口調で言われたことに、それは心配という事だと受け取った。
河野は、木村と別れた後、SH-60Jへと向かった。
▣ 艦長室 ▣
寺井崎は相変わらず、忙しそうに書類整理に追われていた。
1時間以上パソコンを打ち続けている手は、今にも取れてしまいそうだ。
「あー疲れたな。後、どれだけあるのかな~」
と言って右側の書類棚を見て、テンションが一気に落ちた。
少なく見積もっても、50枚以上あるのだった。
「こまめに整理しておけばよかったな~」
心中で、今頃悔やんでも遅いけどと付け足した。
時計に目をやると、13時15分を回ったところであった。
「まだ、訓練には時間があるな。よし、片づけとくか!!」
と言ってまた、手を動かし始めた。
▣ SH-60J格納庫 ▣
「えーと、機器類異常なし。燃料計、異常なし。・・・」
ぶつぶつと指さし確認をしている声が格納庫に響く。
一人で確認しているのは、副操縦士の河野 遥3曹である。
この時点で、自分が操縦する事になるとは思っていなかっただろう。
「おう、早いな。どのくらい進んだ。」
白手袋をはめながら近づいてきたのは、教官の木村3尉だ。
「はい、えーとー機器類の点検まで終了しました!?」
突然の声に驚いて、河野は疑問形で慌てて返事を返してしまった。
「まぁ、そんなに慌てなくてもいいから。落ち着け!!」
あまりに慌てていたので、木村が一言怒鳴ってしまった。
「すみません!!」
河野もつられて大きな声であやまってしまった。
「まったく、なんでそんなに焦るんだ。俺が何かしたか?」
木村が気を落ちつけながら話し始める。
(いや、十分してるんですけど・・・。)
河野が内心そう思っていると、木村が
「十分しているって、顔に出ているぞ。」
指摘され、顔をつい押えてしまった。
「冗談だって。俺、一回部屋戻るから点検頼むぞ。」
そう言って、格納庫から出て行った。
「ふぅーびっくりするな。」
河野も気を落ち着けて、残ったところの点検を始めた。
▣ 同日 13時40分 ▣
▣ 航空科ブリーフィング室 ▣
「えーでは、最終確認を行います。先に山村組が天売島HPまで
傷病者を搬送後、木村組が搬送を行います。その際、実際に
傷病者役を乗せるので、事故等がないよう最善を尽くすように。」
航空主任が、最終確認事項を確認し始めた。
主任が、何か質問は?と聞くと木村が手を挙げた。
「傷病者役は誰がするのですか?」
素朴な疑問かもしれないが、パイロットには重要な事だ。
「えーと、山村組が航海長で、木村組が艦長だ。」
木村も河野もお互いに聞き直した。
「なんて言いましたか!?」
見事なはもりだった。
主任も笑いながら、もう一度復唱した。
そして、すぐに各員が配置につく。
木村&河野も?を浮かべながら、格納庫へと走った。
訓練開始の5分前の事であった・・・。
本当は、前・後編で決着しようと思ってたんですが・・・。
思ったより内容が膨らんだので、3部構成にしました。
長々となってしまいましたが、是非後編もご期待ください。
また、ご意見やご感想お待ちしております。