第1章 第3話 「[やくも]初勤務」
ごゆっくりご覧ください。
第1章第3話 「やくも」初勤務
▣ 2015年4月5日 7時25分 ▣
▣ 海上自衛隊埠頭第1バース前 ▣
「今日は、少し暖かいな~。」
一人つぶやいたのは、艦長の寺井崎であった。
寺井崎は艦長の割には、少し早い出勤である。
ひとり、第1バースを歩いていると後ろからかけてくる
足跡が聞こえた。
「おはようございます、艦長!!」
元気よくあいさつをしてきたその人に、寺井崎は少し困った。
「この人、誰だったかな?」
?マークを浮かべている寺井崎を察したのか、こう返してきた。
「紹介が遅れました、「やくも」砲雷長の水下 恵 3等海尉です。
以後、お見知りおきを。」
名前を聞いてやっと思い出した。
昨日の艦員名簿で見つけた名前だ!!
叫びそうになるのを抑えて、
「おはよう、朝から元気がいいね。」
と話を別の方向にそらそうとした。
「はい、元々元気はあるほうだと思います!!」
どうやら上手くいったようだ。
少し話をしているうちに、艦に到着してしまった。
「それでは艦長、CICにてお会いしましょう。」
海自独特の脇をしめる敬礼を残して、士官室に入って行った。
「それじゃ、俺も行くとするか。」
独り言を残して、艦長室へと向かっていった。
▣ 2015年4月5日 7時58分 ▣
▣ やくも艦尾掲揚台 ▣
寺井崎は、幹部制服に着替えると艦尾へと向かった。
その理由は、毎朝8:00より掲揚台に国旗を掲揚するからだ。
掲揚台に国旗を掲揚するのは、停泊中の自衛艦船の場合
午前8:00~日没までと海上自衛隊旗章規則第12条に定められている。
話を戻そう・・・
「国旗掲揚!!」
航海科員の手によって掲揚される。
寺井崎は、その光景を少し懐かしく思った。
▣ 2015年4月5日 8時50分 ▣
▣ やくも艦長室 ▣
寺井崎は、着任時に手渡された資料に目を通しながら、
コーヒーを飲んでいた。
砂糖は少なく、ブライトは少し多めだが好みだ。
資料の中でひと際厚い資料があった。
タイトルは、「対艦戦闘訓練の実施 対イージス搭載艦」
と書かれていた。
実施日を見ると3日後、天売島沖で予定されている。
寺井崎は、楽しみであると同時に心配でもあった。
(新しいクルー達と上手くいくだろうか、事故は起きないだろうか。
いろいろとあったが、まずはやってみなけりゃわからない。
まぁ、頑張ろう!!)
と自分で話をまとめて資料に急いで目を通していった。
明日は、初めての出航。何事もありませんように!!
その日は、1日何事もなく終了した。
見ていただいて、本当にありがとうございます。
連載スピードが遅いうえに、内容もあまりよくないかもしれません。
けれども、自分なりに頑張って書いているつもりですので、できましたら温かい目で見守ってください。
また、ご意見・ご感想をお待ちしています。
よろしくお願いします。