表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
護衛艦奮闘記  作者: SHIRANE
第2章 舞鶴
17/49

第2章 最終話 「不審船事案のあと~留萌への帰還~」

第2章 最終話 「不審船事案のあと~留萌への帰還~」

▣ 2015年5月18日 12時00分 ▣

▣ 舞鶴地方総監部庁舎 基地司令室 ▣

寺井崎は、海上警備から帰還したあと基地司令室へ来ていた。

今回の不審船事案の報告と引き継ぎを行うためだ。

「コンコン」

扉をノックすると、「開いてるよ」と言われた。

「失礼します!!」

扉を開けて中へ入ると、基地司令と幹部制服を着た一人の男性がいた。

「まぁ、掛けたまえ。」

促されるまま、応接椅子に腰かけた。

「・・・・・・」

静かな空気を破ってしゃべり始めたのは、基地司令の菅田であった。

「先に紹介しておこうか、隣にいるのがあたご艦長の十和田君だ。」

「この度はご迷惑をおかけしました。十和田 賢治3佐です。」

菅田に続いてしゃべり始めた声は、案外軽そうな物であった。

「いえいえ、寺井崎 護2佐です。」

自己紹介を終えて、気が軽くなった寺井崎は報告を始めた。

「まず、不審船事案の報告は報告書の通りですが・・・。」

報告書を手に説明を始めた。

「つまり、攻撃はあちら側からで正当防衛によるものでいいですね?」

「はい、間違いありません。6管にもご確認いただければと思います。」

そう言って、報告書をパタンと閉じた。

「では、離任式を始めます。」

「寺井崎2佐、ご苦労様でした。留萌への帰還を許可します。」

「はっ、了解いたしました。有難うございました!!」

寺井崎は室内で立ち上がり、敬礼をした。

菅田も敬礼をして、寺井崎は部屋を後にした。


▣ 同日 13時00分 ▣

▣ 舞鶴基地第1運動場 ▣

「懐かしいな・・・。」

寺井崎は、ほんの18日前の事を懐かしく思い出していた。

初めは、あがってしまった事を思い出していた。

そして、また同じ場所で今度は別れを告げなければいけない。

そう決心して、朝礼台の上に立った。

「え~、18日間という短い時間でしたがお世話になりました。

 復帰した艦長のもとで、訓練に励んで下さい!!

 僕自身、色々な経験をさせていただき、とても有意義でした。

 留萌へ帰っても、この経験を生かせるよう頑張ります。

 あたご隊員の皆さん、有難うございました!!!」

寺井崎は後半、目に涙を浮かべていた。

短い間でも、愛着は湧くという事だ。

挨拶が終わって、敬礼をすると数名の隊員が泣いていた。

それにつられて泣きそうになるのを堪えて、笑った。

(最後の顔が泣き顔って言うのは良くないよな・・・。)

内心、そう思ったからである。

庁舎の陰に入ったところで、地面に数滴の水が落ちた。

寺井崎にとって、良い経験になった18日間でした・・・。


▣ 同日 16時25分 ▣

▣ 旅客機内 ▣

予定よりも13日早い帰還となった寺井崎であったが、

内心少し不安な気持ちがあった。

留萌の仲間達は、大丈夫だろうかなどだ。

チェックインする前に買った新聞を開きながらそう思った。

その新聞の見出しは、今朝の不審船事案の事であった。

「北朝鮮、日本領海内に侵入か!? 海上保安庁巡視船たかつきに発砲!!」

たかつきの被害状況等が、刻々と記されていた。

それに引き換え、あたごに被害がなかったのは良かった事だ。

これも隊員の熟練のなせる技だろうと、内心思っていた・・・。


これで、第2章が完結しました。

次に短編を挟み、3章へ入りたいと考えっています。

もしかすると、短編がとぶかもしれません・・・。

3章は、また留萌へ戻ります。

懐かしい顔ぶれにご期待ください。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ