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護衛艦奮闘記  作者: SHIRANE
第2章 舞鶴
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第2章 第3話 「舞鶴から沓島(くつじま)へ~対領空侵犯対処演習1~」

第2章 第3話 「舞鶴から沓島くつじまへ~対領空侵犯対処演習1~」

▣ 2015年5月15日 8時45分 ▣

▣ 舞鶴港第7バース ▣

「出港15分前!!荷物積み込みを急げ。」

副長の谷が声を張り上げて命令する。

「「「了解。」」」

大勢の隊員が一斉に返事して、テキパキと動き始める。

「さてここは三浦!!積み込み終了したら報告してくれ。」

「了解しました!!」

そう言って三浦は綺麗な敬礼をして谷の後を引き継いだ。

「よし、艦長室へいくかぁ~」

そう言って谷はラッタルを昇って行った。


▣ 艦長室 ▣

「えーと、演習の報告書をどこに置いたのかな~?」

寺井崎は出航前なのに、机の上の資料をひっくり返していた。

「確かにおいたはずなのになぁ~、何処だろう?」

ガサガサと報告書を探していると、不意に部屋がノックされた。

「コンコン」

「はい、誰ですか?」

「副長の谷ですが、忙しいでしょうか?」

谷が不思議そうに部屋の前で待っていた。

「いいえ、どうぞ空いています。」

そう言うと谷が「失礼します」と言って入ってきた。

「出港の準備が整い次第・・・、艦長どうされたのですか?」

谷は部屋の乱れを指して言った。

「いやそれがね、演習の報告書がないんだよ。知らないかい?」

「あぁ、もしかして昨日預かったやつでしょうか?それなら部屋に・・」

寺井崎はそう言われて、思い出した。

報告書の承認欄に谷の印鑑が欠けていたので、返却したんだ・・。

「それを持ってきてもらえるかな。」

「はっ、了解しました。」

そう言って部屋を一度出ようとした時、腰に付けた無線が鳴った。

「ピーピー、こちら積載物指揮所。積載完了、指示願います。」

谷は寺井崎を一度窺ってから、無線に返答した。

「こちら谷、出港準備!!乗員の乗り込みを急がせろ、以上閉局。」

「了解しました、出港準備!!乗員の乗り込み急げ!!!」

艦内インカムに切り替わり、艦内に音声が流れる。

「艦長では、そろそろ艦橋の方へお願いいたします。」

そう言って谷は自室へ、寺井崎は艦橋へと歩き出した。


▣ 2015年5月15日 9時00分 ▣

▣ やくも艦橋 ▣

「艦長、上がられます!!」

入口付近の海士が艦橋内へ報告をすると、一同が敬礼をする。

「三浦2尉、出港準備状況を報告して下さい。」

「はっ、人員・積載物資のチェック完了しております。出港できます!!」

三浦が報告すると、寺井崎は一度頷いて、インカムを手に取った。

「総員出港用意、舫い放て!!前方見張りを厳となせ!!!」

艦橋があわただしく動き出すと、三浦が復唱した。

「総員出港用―意、舫い放て!!前方見張りを厳となせ!!!」

寺井崎はひとまず、艦橋の椅子に掛けた。

航海長が手際よく指示を出す。

「バウスラスター始動!!左舷側10度に設定、進路開け次第切れ!!」

そう言うと、艦がゆっくりと左にスライドし始めた。

「航海長、進路上障害物なし。バウスラスター停止します、指示を!!」

「よし、両舷前進半―速。前方見張り・レーダー監視を厳となせ!!」

今頃CICでは、レーダー員がレーダーと睨めっこしているだろう。

10分程で、湾内から抜け出し日本海側に出た。

「両舷原―速、前方見張り員は艦内へ。レーダー監視は継続せよ!!」

航海長が言うと、三浦が復唱した。

「両舷原―速!!前方見張りは艦内へ、レーダー監視は継続せよ!!」

三浦が復唱し終えると寺井崎は立ち上がり、インカムを手に取った。

「艦長より各員へ。只今をもって、第3哨戒配備を発令する。各部署、

 2交代制にて勤務せよ。以上・・・。」

そう言い終わると、寺井崎は一度艦長室へと戻った。

あたごは、海の上にウエーキを残して沓島へと向かった。

そう・・・長い船旅になるとも知らずに・・・・。

これは、その2日前の事である。


つづく・・・。


ご拝読いただきありがとうございます。

何か気になる表現などがありましたら、是非感想欄のほうでお伝えくださればとてもありがたく思います。

これからもよろしくお願いします!!

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