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護衛艦奮闘記  作者: SHIRANE
第2章 舞鶴
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第2章 第2話 「舞鶴の日常~漏電警報~」

第2章 第2話 「舞鶴での日常~漏電警報~」

▣ 2015年5月2日 8時15分 ▣

▣ 舞鶴基地第1運動場 ▣

寺井崎はかつてこれほどの緊張が訪れた事があっただろうか?

いや・・・あったな・・。

それも、昨日の事だ。

まぁ、それは置いといて・・・寺井崎は今、朝礼台の上に立っている。

「うぅ~、なんで朝礼台の上なんだ!?下でもいいのに・・・。」

それもそうだ。

いつも寺井崎は朝礼の時、下でしゃべっているからこれにのる必要等無いのだ。

しかし、その場所その場所の慣例に従うのが自衛官としては全うな事なのだ。

「よし・・・!!!」

自分の中で覚悟を決め、朝礼台から2km先まで通りそうな声で挨拶をした。

「留萌総監部から派遣されました、寺井崎 護 3等海佐です。

 1か月という短い間ではありますが、精一杯努力していきますので

 宜しくお願いします!!!!」

気合を入れすぎて、語尾だけ無駄に強調してしまった。

そう思ってもすで遅し・・・若干下士官の間で笑われてしまっている

朝礼台を降りながら「しまったな・・・」と呟いた。

今日知りあったばかりの副長、谷と一緒に庁舎2階の177指令室へと

向かった。指令室では、停泊中の艦船の状況が随時確認できるよう数年前から

各艦ごとに部屋を設け確認する体制を設けている。

通常艦長・副長が確認を受け持つが、場合によっては当直官が確認する場合もありうる。

話を戻そう・・・。


▣ 2015年5月2日 8時40分 ▣

▣ 舞鶴本庁舎2階177号指令室 ▣

「いやー暑いですな。5月なのに・・・。」

副長の谷が愚痴りながら椅子に腰かける。

「ホントだな~いや暑い。」

そう言いながら自分も椅子に掛ける。

部屋の中は冷房が利いていて居心地がとてもいい。

寺井崎は部屋のパソコンのスイッチを入れて、モニターを始めた。

部屋の中に配置されている計器類がときたま光っては消える。

ぼーっと計器類を見ていると1個だけ消えたままのランプがある。

ランプの上の場所を確認すると、第1機関室になっていた。

谷に場所を確認すると、船底の方だそうだ。

寺井崎は部屋の直通無線を手に取り、あたごに連絡を取った。

「はい、あたご艦橋三浦です。どういたしましたか。」

無線に出たのは、当直士官の三浦2等海尉であった。

「寺井崎だが、第1機関室の様子がおかしい。至急当直を向かわせてくれ。」

「はっ、了解しました。報告まで暫しお待ちください。」

そう言って無線は一度切られた。

数分待つと先程の士官から報告が入った。

「艦長、どうやら漏電防止装置が作動したようで・・・現在原因を調査中です。

 原因が分かり次第、そちらに報告させていただきます。」

「了解した。当直任務を続けてくれ。」

そう言って寺井崎は無線を棚に引っかけた。

「谷さん、この第1機関室はいつも調子がおかしいのですか?」

さん付けで言ったのは、年齢の面を考慮してのことだった。

「いいえ、いつもこんな事はありません。漏電防止とは、妙だな・・」

谷が首をかしげながらも、再び椅子に座ってランプを監視し始めた。

寺井崎も自分の椅子に戻り、谷に倣った。


▣ 同日 9時55分 ▣

▣ あたご第1機関室 ▣

「なんだこれ、ひどいなぁ~」

機関室全般の管理を任されている、真田1曹が呟いた。

先程発生した漏電警報の詳細調査のために機関室に駆り出された。

その機関室に来てみれば、辺り一帯が真っ暗だ。

おそらく漏電警報で機関室一帯の電源をシャットアウトしたんだろう。

「さぁ、こう暗くっちゃ仕事できないな。よし、高橋!電源。」

照明機材を持っている隊員に照らすよう指示した。

1分満たないうちに照明のおかげで、辺りが明るくなった。

「よし、修理するぞ!!まず、配電盤から修理する。かかれ!!」

真田の声で4人の隊員が修理を始めた。


数時間後・・・・

「真田班長、修理完了しました。電気付きます!!」

声と同時に機関室に明かりが戻る。

「よし、みなご苦労。次は、漏電警報の原因を調査する。」

そう言うとそれぞれが、配電盤などを確認し始めた。


数十分後・・・・

「おいみんな、これを見てくれ!!」

隊員たちが駆け寄ると、漏電警報装置につながるコードが2本焼き

切れてしまっていた。

「水嶋、この品番のコードはスペア保存してるかな?」

水嶋とは個々の隊員の一人で、在庫確認などの業務を受け持っている。

「これは、舞鶴基地にしかないかもしれませんねぇ。滅多にないもんで。」

すぐに問い合わせます、と言って艦橋へ駆けて行った。


▣ 艦橋 ▣

水嶋は艦橋につくと、パソコンで在庫の確認を始めた。

「カタカタ・・・・・・・・」

瞬時に打ち込まれたデーターは、すぐに返された。

「在庫あり―残数2」表示された。

すぐさま基地に連絡を取り、部品を持ってきてもらうことにした。


しばし待つ事10分・・・・

入口の所で待っていると、ある人物がやってきた。

油断していた水嶋もすぐさま体制を整え、敬礼する。

その相手はもちろん、寺井崎である。

まさか部品を持ってくるのに、艦長が来るとは思っても見なかった。

なぜ、艦長が?と尋ねると寺井崎は、

「いやね、たまたま保管室にいてね連絡を受けたから持ってきただけさ。」

そう言って、寺井崎と一緒に機関室へと降りて行った。


▣ 第1機関室 ▣

部品が届いてからの、班長達は早かった。

すでに部品を取り外していたので、つけるだけだった。

ものの20分程度で、すべて修理してしまった。

「いや~見事なもんだ。真田君、報告書の提出は任せたよ。」

そう言って、また177号指令室へと戻って行った。

その後、保守点検を済ませ機関員たちは部屋へと戻った。

真田だけは、報告書を艦橋へ届けてからであるが・・。

こうして、平凡ながらも色々な事のある毎日を過ごすのであった。


少々無理な設定もありますが、少々は目をおつぶりください。

それでも、毎回見ていただいている読者の皆様には本当に感謝しております。

今後も、連載スピードは遅いですが頑張っていきますので、

温かい目で見守ってください。

ご意見やご感想お待ちしております。

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