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下獄上  作者: かしす
第1章 地獄のある地点にて
9/12

第九話 探索

30文字おさらい

「壁城 ヴィーラル到着!廃坑から侵入を試み、入口発見の為探索を続ける」

 「また二手に分かれてる」「右だ!」

 「次は3手かよ!」 「上だ!」

 「あー行き止まりだ。戻るか...」




やらかした。迷ってしまった

リュックを渡してしまったから食料もない、飛ぶことが出来ないから足がもうパンパンだ

でも、死因が迷って餓死はさすがに亡くなったじいちゃんばあちゃんに顔を合わせられない


力を振り絞り、しばらく進むと機械の動く音がかなり大きくなってきた。少し明るくもなった!




 「もしかしたら外かもしれない」




そう思い進み続け、出口っぽいところから隠れながら周囲を見渡す。

そこは確かに穴の出口だった。


人がいない事を確認し出口から出ると看板に「最下層撤廃炭鉱入口」と書かれていた

本当に廃坑だったのか。そんな事考えている暇はない




 「さっきの女性の会話でおいしいパン屋さんがあると言っていた...」

 「そこ目指すか...待て? これいつまでかかるんだ?」




見つけるところまで2.3日かかればそれこそユバスが危ない。作成変更だ

マジコルでユバスに連絡しよう


グルシャは魔法陣に手を当て小声で話しかけた




 「ユバス。聞こえるか?」


 「うん。」


 「いま侵入出来たんだけどやっぱり作戦変更したい。このままだと数日帰れないからさ」


 「じゃあ一緒に行った方が良いんじゃない?」

 「バレないようにずっと後ろ付いていくからさ」




ヴィーラルへの入り方は分かったから、一旦戻ってユバスと合流しよう

来た道を戻り、ユバスの元に戻った




 「おかえり~」


 「なんとか入口は見つけたんだけど、一回兵士にバレてしまって今も俺を探し回っているはず」




国の警戒を強めてしまった。でも入口をそこしか知らない以上そこから入るしかない

もっと国の警戒が強まる前にそのパン屋に到着が目標だ




 「探索中にパン屋があると聞いたんだ。とりあえずそこに行って情報が無いか聞いてみよう」




グルシャとユバスは廃坑まで飛び、洞窟に到着した


雑音で聞きづらいが足音を聞く限り...走っている人は4.5人だ。

3方向で聞こえるからかなり場所が掴みにくい


グルシャは常に声を意識をし、ユバスは足音をたてないように進み

隠れながら見事気づかれずに出口まで行くことができた



 

 「よし、ここから何処に行くかだ」


 「明るいから反対側まで見えるね」




前を見るとこの国の構造が見えていた。この町は5階層になっているらしい


例えるなら、ハチの巣の中心をくり抜いた感じと思ってほしい


俺たちがいる最下層、住宅が並んでいる4.3.2階層、そして地上の1階層

国民は全体的に4,3,2階層に集中しているから、言っていたパン屋はそこのどこかにあるかもしれない


4階まで上がると、普通に悪魔の住人がすぐ横を歩いている。

ユバスの心拍数も上がり、緊張しながらグルシャのすぐ後ろを歩く


しばらく探し続けるが、パン屋はおろかお店すら見つからない

悪魔に聞いても、どこか違う場所に案内されるかもしれないから聞くこともできない





 「2階まで見回ったが無いな...あるって聞いたんだけどな」




全て悪魔族の家だったのだ。

このままだと情報を掴むどころか食料も買えない




 「ねぇねぇ。その女性は他に話してなかったの?」


 「そうだな...」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「(この前偶然パン屋さん見つけたの。そこのパンがおいしくてさ~)」

 「(本当?勝手に物売っちゃいけないのにバレなきゃ良いけど...)」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 「"物を勝手に売ってはいけない"つまり兵士に気づかれない場所で店を開いている...?」


 「そうなると、路地裏とか、少数だけが知っているお店なのかも」

 「どっちみち聞かないと見つからなさそうだね」




仕方なく聞いてみる事にした




 「すみません。この辺りにパン屋さんってあります?」

 「ごめんなさい知らないわね。」


 「あのー。この辺りにお店ってあります?」

 「ん?そんなのないさ。この国の飯は支給制だからね。」




聞いてみたのだが、誰も知らないみたいだ。

てか、気づかれずに経営しているから人に聞いても知ってるわけないか


気づけば人が少なくなって騒がしさが無くなっていった




 「どうするグルシャ。泊まる所すら見つかってないよ」



泊まらせてもらうか...? いやユバスが危険すぎる!



 「最悪野宿しかない。そうなったら我慢してくれ」

 「あの店に行ければ...」


 「あ。グルシャ見て」





そう言い、ユバスがある方向を指した

そこにはパンが外から出るくらい入った袋を歩いている二人の女性がいた


もう聞くしかない。そうしないと野宿と餓死のダブルコンボだ。




 「すみません!」



グルシャの声に二人が反応しこちらに振り返る

1人をA、もう1人をBとする



B「はい。」


A「こら。こんな遅い時間に子ども二人で外いたら危ないわよ」


 「ごめんなさい。ですが探している場所がありまして、そのパンを売っている場所ってどこにありますか?」


B「あぁこれですか? 路地裏の奥で作っているルークさんのパンなの。これおいしいのよ~」


A「バカ! 子どもでも知らない人に話さない約束だったじゃない!」


B「そうだったかしら? ごめんなさい...」



なんか聞いちゃいけない事を聞けてしまったみたいだ。なんか申し訳ない



A「はぁ...とりあえず謝りに行きましょう...」

 「二人もついてきなさい。案内してあげる」


 「あ、ありがとうございます!」


 「...(ありがとう)」



4人は家の間の暗く小さな道を進み、奥に進んでいくと窓から明かりがついている家が見えてきた

だんだんパンの焼く匂いが強くなり、近づくにつれて視界が色づいていく



A「ウエルさんこんばんは~」


 「あぁこんばんは。なにか買い忘れたのかい?」



目の前にはかなり高齢の男性がパンを作っていた。

そこには色々な形のパンが並んでおり、中には見た事のないパンも置いてあった



A「いや、こいつが子どもにここの存在を教えちゃったので謝りに来ました...」


B「すみません。」


 「聞いてしまったのはそこの二人かい?」



そういい俺たちを指さしてきた。もしかして...殺されるか?



 「はい! 俺がグルシャで、この子がユバスって言います」


 「わしはルーク・ウェイマークじゃ。ここの事は他の人に言わないでもらえるかい?」

 「もし、上の悪魔にバレてしまったら大変なことになるからの~」


 「はい! 誰にも言わないので安心してください」



おじいさんはすごい優しい声で俺たちに話しかけた

でも、俺たちが会いたかったのは謝るだけじゃない



A「良かった~じゃあもう帰ろうか!」


 「いや、もう少しルークさんと話したい事があるので俺たちはもう少しここにいます。」


A「そう。この時間は犯罪が多いから気を付けて帰るのよ」


B「また来るわね~」



そう言い、二人は帰っていった



 「とりあえずここに座りなさい。」


ウエルさんはパンと紅茶を出してくれた


 「話ってなんだい?」


 「はい。俺たち寝る場所が無くてこのままだと野宿になってしまうんです」

 「よければここで一泊程させてもらう事はできますか?」


 「あぁそんなことかい。別に何日いてもいいよ」

 「でも、パン作りを手伝ってくれるのが条件だけどの~」


 「分かりました! なんでも言ってください!」




なんとか泊まる場所と食料は確保できた。

あとは、この国の情報を見つけるだけだ




 「おじいちゃ~ん!」



その声と同時に元気で明るい女の子が裏から出てきた

身長はユバスよりも小さく、茶髪。

髪は太もも位まで長く、動くたびにヒラヒラと大きく左右に揺れている。



 「見て! パン書いたんだ~」



そういいロールパンを神にぎっしり書いた絵を見せてきた



 「キャル! おじいちゃん今話してるから部屋で遊んでなさい」


 「え~。 お兄さんお姉さんこんばんは!」


 「こんばんは~」



ユバスが袖余りの手を振った



 「二人って天使さん~?」


 「?!」




その言葉に数秒間、頭と振っていた手が止まってしまった。

6話は28日19:00に投稿します


誤字指摘、感想コメントしてくれるとうれしいです!


※無断転載を禁じます

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