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下獄上  作者: かしす
第1章 地獄のある地点にて
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第三話 幼い頃の夢

30文字おさらい

「謎の少女が目を覚まし、仲良く3人でご飯を食べました。幸せだね」

ご飯を食べ終わり休んでいるとき、急に睡魔が襲い座ったまま寝そうになる



 「(やっと寝れる!ほぼ一日寝てない...か...ら...)」

      ・

      ・

 「・・・グルシャ」

      ・

      ・

 「グルシャ...ぐ、グルシャー」




おいおい... 今寝たら最高だったのに

呼ぶって事はまだやることあるのか...?


目を開け、顔をあげると起こしてきたのはユバスだった。

母さんならブチぎれたが、正直怒りたくても怒れない。ここで喧嘩したり怖がらせたりしたら羽を思いっきり投げつけられて普通に死ぬからだ。



 「...どうした?」


 「話したい事ある。トウモロコシ拾ってる時アンナさんと話したんだけど、グルシャって平等なせかいを作りたいんだよって聞いた」



おーーーーーーい! 母さん何勝手に子供の時の夢の話してるんだ!!

母さんってそんな口の軽かったか?!



 「あ...あぁそうだね。当時は平和は無理かもしれないけど平等なら出来る気がするって思ってたんだ」


 「でも分かっちゃったんだ。そんな事無理だってね」



俺は戦う意味が分からない。だた悪魔か天使かの違いじゃないか

親戚を殺されたり、誰かを殺す事はしたやつが100%悪い。またその恨みの感情だけで自ら犯罪者になってまで復讐する。武力の正義は間違っていると思うんだ。


だが俺は現実を見て諦めてしまった

この世界は弱肉強食。弱い奴は強い奴の奴隷になる。それが普通の世界に今生きているのだから




 「うん。私も同じ」


 「そうなんだ,,,ん? 同じ?」



眠気で話を半分聞いていなく、想像以上の返答に一瞬頭が停止した。



 「飛べないって意味じゃないよ。グルシャと同じことを私も求めてる」


 「私も煉獄界で格差のない世界を作るために天使たちで反乱を起こしたの。そしたら地獄の門を通されて、ここまで落とされた」



この世界は縦に「地獄界」「煉獄界」「天国界」の3つの階層に分かれている

煉獄界は地獄と天国の間に位置する小さな空間の事で、地獄で罪を償った悪魔と天使が中心にある山で七冠の死者によって天国に行けるかの審判を行う


今は。地獄界は悪魔が天国界は天使がいるとだけ知っていれば大丈夫だ。

今いるのが地獄界なのだが、この子は煉獄界からここまで落ちてきたらしい。という事は何か悪い事をしたってことなのだろうか?



 「ある時ね、天使同士で格差がありすぎる事には怒ってみんなで反乱をおこしたの」


 「私も反乱に参加させられて、強引に小さな瓶に入っている液体を飲まされた」


 「目を覚ましたら羽が大きくなってて、鎖骨の間に変な紋章がついていたんだ。」



確かに、鎖骨の間に黒い紋章が刻み込まれている

その紋章は正円の上下にS字型の線が出ていて、左には天使の翼が右には悪魔の翼が書かれていた。


こんな感じ


    S

天使の翼〇悪魔の翼

    S


恐らくユバスが飲んだのは神授瓶という瓶だろう。

俺はこの瓶の奇妙な性質を常に調べている。なぜか神授瓶についての本が家に沢山あったからだ。

ほぼ毎日調べているせいで毎日夜更かしして毎朝起きれていない。



今分かっている事は次だ


・神授瓶を飲んだものは高熱と共に意識を失い、目を覚ますと大きな翼と支配出来る力を得ることが出来る

・必ずしも能力を得られるとは限らない。飲んだ者が生きて帰ってこれるのは全体の10%もいないと言われ、誰もが能力を得られるとは限らない

・大きな翼は飛行能力を促進させ、飛ぶことが可能



これは神授瓶について詳しく書かれていた本「神ノゴ加護を授カル瓶 1」に記されている3つの大きな特徴だ。暇なら読んでみてくれ

地位世界の中で、誰もがそれを求めて争い、それを見た神様が争いが起きないように悪魔を地獄に落としたともいわれている

突然変異で羽が肥大化する事が稀にあると話したが、その稀がユバスが言っていた瓶の使用。

実際、ユバスの翼が大きいこと、先ほどの能力含めて神授瓶の特徴と合致しすぎている。



 「もし反乱がまだ続いていたら、私みたいに地位の高い人たちの偏見だけで地獄に落とされてるはず」


 「私は煉獄界に戻りたい。反乱を止めにいきたいけどもう戻れない」



ユバスはその場で顔を下げながら、小刻みに震えていた。

悲惨な光景を見て平和な世界であってほしいと思う持つことは普通の事

しかし、そんな事実現出来ないと思うのも間違ってはいない。


平和な世界と言っても犯罪がない世界を作るのは俺も不可能だと思っている。人種差別も0にすることは不可能だろう

俺が幼かったことに考えていたのは罪ある者はそれ相応の場所に、罪がないものは手を取り合って生活していく世界だった



 「その夢、もう一度挑戦したいとか思わない?」


 「うーーん。チャンスがあるならしたいけどここだと無理だろうな」


 「じゃあここから這い上がろうよ、夢を実現するためにもさ」


 「夢諦めた人に言われても説得力無い」



グッ...ここでの正論パンチは心臓に効く。寿命がちょっと減った気がする



 「俺はユバスみたいに翼が大きくないから飛べない。ここは大きく崖が隆起した場所だから動くことができないんだよ。物理的に無理だから諦めたんだ」

 「だけどユバスは飛べるだろ?この上に行けるという事はまだチャンスがあるから諦るな」

 「だったらグルシャも来なよ。夢叶えたいなら一緒についてきてもいいよ。別に一人だと怖いってことじゃないから」


この子は飛ぶことが出来る。この子ともしかしたら俺が見たかった世界、天国という未開の場所に行くことができるかもしれない


母さんが戻ってきたらまた相談するが、ある程度覚悟はしないといけないかもしれない

二人は真っ暗で何もない空をただ見上げていた。


コメントしてくれるとうれしいです!


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