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二章 プロローグ 『弱者のため』
世界に魔獣という存在が現れた。
戦う術のない者は蹂躙されるのが必然だった。
しかし、それをよしとしないものがいた。魔獣の出現前から野盗や暴漢、獣害に対抗するために組織された傭兵団。
彼らは既存の技術を活かし魔獣とも互角以上に渡り合って見せたと言う。
そんな彼らの元には、いつしか人が集まるようになっていった。国を失った人。村を失った人。友人を、家族を失った人。弱く、失うばかりだった人々は彼らに寄り添いいつの間にか村ができた。
そんな日々が重なって、町が生まれた。
そんな年月が連なって、やがて国になった。
戦える者が弱者を守る。戦えない者は戦えるものが何の憂いもなく生活できるようにと工夫を凝らす。
適材適所。寄せ集めの国だったが、今でもこうして存在し続けるのはそれがうまく機能していたから。
誰も不満などなかった。
無かったはずだった。
あけましておめでとうございます。これより二章開幕です。




