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三章 六十一話 『ある少年のものがたり -case A-』

「母さん! テスト、クラスで百点俺一人だけだった! すごいでしょ!」


 自分の中に残っているもので、一番古い記憶はいつのことだろう。俺は確か、小学校の低学年。その頃はテストで満点を取るのなんて簡単だった。授業を聞いてちょっと真面目に宿題をすればよかったんだ。何もすごいことなんて一つもない。


「ほんと!? すごいなぁ、満生(みつき)! じゃあ今日は美味しいものにしないとね!」


 それをまるで、金メダルでも取ったみたいに褒めてくれた。母さんはそんな時、いつもご馳走を作ってくれた。それが嬉しかった。ご馳走を食べられることも、褒めてもらえたことも。


 何よりも、嬉しそうにしてる母さんを見るのが好きだった。全部、ここから始まったんだと思う。



 日浦満生。それが俺の名前。どうしようもない人間の人生は、こうして始まった。



「にいちゃん! サッカーっておもしろい?」


「おー、面白いぞ。今度練習で試合するからさ、勇生(ゆうき)も見に来いよ!」


 中学生になって、サッカーを始めた。きっかけはなんてことない、学校で仲よかった友達に誘われたから。サッカーのこともそれほどよくは知らないし、詳しいポジションのこともまだわかってなかった。でもみんなと一生懸命ボールを追いかけるのは楽しかった。



「にいちゃん! かっこよかったぁ! あの、バシュって入ったとことか! グルンってかわしたとことか!」


「はは、そうか? なんか照れるなぁ……へへっ」


 初心者ばかりの練習で、何となくその日だけはうまく動けた。弟が見に来ていると知ったみんなが気を使ったのかもしれない。小学生だった勇生の言葉にいい気になって、俺はフォワードを目指すことにした。なんてミーハーなんだろう。今思い出したら馬鹿みたいで笑ってしまう。




 日浦満生という男は、何も特別なものを持っていない普通の人間だ。この時はまだ、そう思っていた。




 中学に入ってしばらくすると、テストがあった。小学校の感覚で、また満点を取れると思ってた俺は、その結果に打ちひしがれることになる。


「おーい、満生! 何点だったよ? 俺は八十七! むっずいなぁ、中学って」


 小学校でも仲の良かったそいつは、俺と同じように勉強して遊んで部活をしていたはずだった。それなのに、俺の点数より十点高かった。たった十点。それがとんでもなく大っきな壁に、海に、その時の俺には見えていた。


「んなー! 俺よりいい点取ってんじゃんかぁ! くっそ、次は負けねぇ!!」


 本心では悔しかったけど、包んで隠してバレないように仕舞った。この頃から少しずつ、自分が、足りていないのだと理解し始めた。




「次、控え……以上。呼ばれなかった者も紙一重だったぞ。くさらずにこれからも励むこと。以上!」


 中学一年の夏。当然のように俺は選ばれなかった。このことは仕方ないと思えた。一年は誰も、スタメンどころか控え選手にも入れなかったから。




「次、控え……以上。今回も激戦だったけど、何とか選びました。選ばれたやつは選ばれなかったやつの分まで頑張ること!」


 だけどその年の冬も、次の夏も冬も、俺が選ばれることは一度もなかった。


 一年目の冬には朝練を一番に来るようになった。二年目の夏には居残りを誰よりも遅くまでやった。二年目の冬までには、オフの日でもお構いなしにボールを蹴っていた。


 それでも俺は、何一つ成果を出せなかった。何者にもなれやしなかった。




「よう満生! 期末どうだった……あー、社会負けてる! でも数学は俺のかちー!」


 最初のテストが終わってから、俺は勉強の量も増やしていった。予襲復習は怠らない。宿題だってみんなに見せられるくらい完璧に仕上げた。


 それなのに、いつも俺の答えを覗いてくるあいつの方が、いつもいい点をとってくる。俺が勝った教科はどれも、あいつが凡ミスで自滅しただけ。ちゃんと勝ったことは、一回たりともなかったよ。


「ぐわー! 何でお前、そんないい点取れんだよ! くっそぉ! 次は負けねえ!!」


 吐き気がする。ヘラヘラ笑って受け止めて、誰にも気づかれないようにと仮面をかぶる。


 本当は嫉妬で狂いそうだった。羨ましくて恨めしくて気がおかしくなりそうだった。どうして自分はだめなのか。どうしてあいつはこんなにも。もし自分があいつだったら、もっとうまくできるのに。もっと上に行けるのに。


 自己嫌悪とないものねだり。毎日毎日、その繰り返し。狂いそうになる自分を押し込んで、今日も今日とてがんばります。あくせくあくせく働いて、手を替え品を替えやり過ごします。



 この頃になってようやく気がつく。自分は普通なんかじゃない。



 ──普通よりもっと、劣っているんだ。



「おかえり、満生……どうしたの? 顔色悪いよ? 風邪?」


「っ……何でもないよ、母さん。それより腹へった! 今日の飯は、っと……お!」


「ふふ、ミートソースです。最近までテスト勉強頑張ってたから、奮発しちゃいました」


 その言葉に、胸が苦しくなる。何度同じことがあっただろうか。わかってる。母さんは絶対に点数を聞いたりしない。もし知っても、頑張ったって言ってくれる。優しく撫でて褒めてくれる。


 それが何より、苦しかった。責めてくれた方が、まだマシだったかもしれない。そうしたら俺は諦められたから。だから何も、言えなかった。



 繰り返す日々。幾度も折れそうになった。やらなければいけないことはどんどん数を増す。やってもやってもできないことが、やがて両手で数えられなくなる。


 一日の中で自由にできる時間が減っていく。練習すれば確かに上手くなった。勉強すれば確かに点数は上がった。だけど結局、人の数倍数十倍頑張ってその程度。報われることなんてありはしない。そんな努力の何が楽しいでしょうか。

 はい。楽しくはありません、でも苦しいとも思いません。思ってはいけないのです。やらなければいけないからやる。劣っている自分が生きていくには、それくらいしかありません。


 報われない努力を繰り返すうちに、いつからか俺は頑張ることに別の意味を見出し始める。今報われることはもうないのだろう。だったら、いつ報われるのか? 


 ──最期、そう、最期だ。「終わりよければすべてよし」だ。もしそうだったら、俺の人生は全体的に見てハッピーだったことになる。報われなかった苦しみも、友人を羨んだ惨めさも、全部なかったことになってくれる。


「今できることを一生懸命にこなし続ける……そうしていればきっと、どれだけ今報われなかろうと最期にはいい人生だったと笑えるはず……きっと、そうだ」


 俺は、縋るように呟いた。自分を騙し周りを欺き、自分が心からそれを信じていると言い聞かせた。その言葉の本当の意味が今からの逃避だなんて、誰にも、自分にも言わせないために。




 俺の努力は、そこからさらに狂い出す。努力そのものを意味に据えて、俺はいつしか止まれなくなっていった。


 時間が足りない? なら寝る時間を減らしましょう。少しくらい眠らなくたって、人間はそうそう死にません。


 体が動かない? 残念それは錯覚です。人の体は丈夫なので、そう簡単には壊れてくれません止まれません。



 今思い出しても身の毛がよだつ。アダン先生の言った通りだよ。夢のためでもない。いい大学に入るとか、いい会社に入るとか。そんな目標は一つもなかった。


 ただ俺は死ぬためだけに、寿命をすり減らして努力していたんだ。



 違う。そう、きっと違うんだ。


 俺は本当は──




満生(みつき)、試験期間で部活休みだろ!?」


「久しぶりにカラオケでも行こうぜ!」


「あー、ごめん。期末までにやらなきゃいけないこと結構溜まっててさ……この埋め合わせは絶対にするから! 勘弁して!」


 遊びに誘ってくる友人二人。本当はふざけるなと言いたいけれど、心を殺してやり過ごす。俺には時間がない。頑張れるだけ頑張らないと死ねない。お前らとは、頭のできが違うんだよ。


「なんだよー、中間の時もそうだったじゃん! 結局その埋め合わせもされてないしさ!」


「流石に頑張りすぎじゃない? サッカー部の練習も厳しそうだし。前の試験も校内で十位には入れてたし。来年の入試にはちゃんと間に合うって。ねえ先生?」


 そういうお前は、俺よりも順位が良かったくせに。俺より頑張らないで、いつも俺の前にいる。羨ましくて死にそうだけど、大切な友達なのにも変わりはない。だから羨む自分が、倍々ゲームで嫌いになる。こんなに良い友達に恵まれているのに、羨む自分が汚くて死んで欲しい。


「まあお前らは遊びすぎだとしても、日浦はちょっと根を詰めすぎだとは思うぞ? ちょっとは息抜きでもしてこい」


 いつも俺のことを気遣ってくれる担任の先生。だけどそれは余計なお世話なんです。ほっといてくれればいいんです。手を差し伸べられたら、そっちに逃げそうで怖いんです。だからできれば、そっとしておいてくれませんか。


「わかってはいるんですけどね、頑張れる時に頑張らないと落ち着かないというか……」


 嘘ではない。頑張れる時に頑張らないと、声が聞こえてくる。お前は休める人間じゃない。怠ければ人の倍衰える。大切な人から、すぐに見放される。


 母の声で、父の声で、弟の声で、友達の声で語りかけてくる。それは恐い。俺はこんなだけど、でも大切な人に大切だって思われたい。だから手は止めない。止まらないために、今日も繰り返し(うそぶ)いていく。


「知ってる。お前いっつもおんなじこと言ってるからな」


「今できることを一生懸命にこなし続ける。そうしていればきっと、どれだけ今報われなかろうと最期にはいい人生だったって笑えるはず──だろ?」


 誰もが暗黙の了解として、その言葉を俺の代名詞にする。頭に浮かべるだけじゃほつれそうになって、呟くだけじゃ崩れそうになった。だから大きな声で外に出して、逃げられないように周りを固めて自分を縛る。


「まあ日浦のそれは美徳だが、高校二年の夏休みは実質遊べる最後だからな? レギュラー入りしたばかりで部活も忙しいだろうけど、多少は遊べるようにしておかないとそれこそ後悔するぞ? こんなこと言うのは教師としてどうかと思うがな」


「あ、それは大丈夫です。ばっちりスケジュール組んでるんで。俺の夏休みには一切の死角もありませんよ」


「お前ほんとそう言うところだぞ?」


 俺は、上手くやれてるでしょうか? 人から見て、いい青年に見えているでしょうか? 何も苦しんでいないような、頑張ることが大好きみたいな、そんな人間に映るでしょうか? 


 そうだったら幸いです。そうあってくれたら、ちょっとだけ報われたような気がします。頑張ってることにも意味があったんだ、って。


 何もない俺の人生にも、ちゃんと意味があったんだ、って。




「よう日浦、期末前だろ? 何してんだ?」


深山(みやま)センパイ! 久しぶりじゃないっすか!」


 こんな俺を可愛がってくれる先輩がいた。朝練も居残りも、いつも俺と同じくらいの時間。その縁もあって交流が深まった深山先輩。


 できればやめて欲しかった。そこにいられると、もっと自分が惨めになる。同じくらい頑張っている人が、自分の倍成長していくのを見せつけられる。それを見て嫉妬して、また自分が嫌になる。


「相変わらず頑張ってんな、今試験期間だろ? 試験勉強に意識向けなきゃなのにこんなとこでボール蹴る音聞こえたから、まあお前だろうと思ったんだよ」


「あはは。先輩こそ、大学の試験勉強はいいんですか?」


「今期はレポート課題ばっかりだから余裕余裕。おかげで暇なもんでな。久しぶりに高校に来て後輩の指導でもしようと思ってたんだが余裕すぎて試験期間だったの忘れてた。んでとりあえず先生に挨拶だけして帰ろうと思ったら、ボール蹴る音が聞こえたってわけ。お前こそ」


 余裕なわけがない。この人みたいに要領が良くないと大学でも苦労する。俺はきっと、これからの人生ずっと変わらない。そう言われた気がした。ただの幻聴だけど。


「最近無茶苦茶うまい一年が入ってきたんです。せっかくフォワード諦めてまでサイドバックのポジション掴んだんだし、譲りたくないじゃないすか 」


「俺に感謝しろよ? 周りがよく見えててカバーリングのうまいお前にはボランチかサイドバックが向いてる、ってアドバイスしてやったんだからな。そのおかげかは知らんけどお前スタメンじゃん? まあそれはそれとして、休める時に休まないと調子崩すぞ」


 どうせそれも、才能のあるやつに奪われる。それなら、夢なんて見せないでよ、先輩。八つ当たりみたいに心が叫ぶ。みたいじゃないか、完全に八つ当たりだ。分かっていても止められないから、心の中はぐちゃぐちゃになる。それでも嫌われるのが恐いから、従って笑顔の仮面をかぶる。


「いやー、ずっと続けてきたことなんで、今更止めるとかすると逆に調子崩れそうなんですよね」


 休まないと? 調子崩す? それは休める人の言葉でしょう。俺は休んだらいけないのです。もっとずっと頑張らないと、生きてる価値どころか死ぬ意味だってなくなるのです。


「まあお前に言っても仕方ないとは思ったけどな。で? 次のメニューは? せっかくだから付き合ってやるよ」

「あざす! さすが先輩頼りになる!」


 帰ってほしいと思っても、口には出せないから黙っておく。こうして俺はまた一つ、人に好かれるふりをする。人懐っこいふりをする。全く嘘ってわけじゃないよ? 俺は人が好き。だから余計に怖いんだ。

 それでももっとうまく映るように、限界を超えて道化を演じる。もう自分でも、本当の自分はどこにいるのかわからない。本当の望みは、どこに仕舞ったのかわからない。結局、死ぬまで分からなかった。




「ただいま!」

「満生、お帰りなさい。今日の晩御飯は満生の好物だから早く着替えてきてね 」


 いつも優しい母。夢の中で罵倒してくる彼女も、現実ではいつも笑顔です。


「はいはい。勇生も試験前だろ? 余裕こいてて良いのか? たまには勉強見てやるぞ?」


「今までボール蹴ってた兄ちゃんがそれ言う? てか相手してくれるなら俺もサッカーの方が良いんだけど」


 慕ってくれる弟。「お前なんか」と声がするけど、本当の彼は懐いてくれる。「相手をして」と言ってくれる。


「明日、朝早起きしたら付き合ってやろう」


「無理。兄ちゃんの早起きはレベチだし。どうせ五時とかだろ?」


 その程度で済むなら、もっと俺の人生は楽しかったんだと思うよ。


「いや、やることいっぱいあるからしばらくは四時起き」

「論外じゃん。普通に死ねるわ」


 そうか。じゃあ仕方ない。死ねるくらいでも足りないなら、もう死ぬしかないでしょう。




「ふぅ、そろそろロードワークの時間か」


 わざわざ声に出して確認します。そうしないと逃げてしまいそうだから。


「うーん。まあ念のためレインコート着ていくか」


 雨は言い訳にならないと逃げ道を塞ぎます。これがあれば走れるでしょう?




「流石にちょっと疲れたな。今日は早めに切り上げよっか」


 体がどうも動かない。それなら戻って勉強したほうがマシだろう。今度は逃げ道が空いています。自分はこんな人間です。楽な方へ逃げてしまう。


「っ!?」


 ほら、逃げようとするからバチが当たった。言わんこっちゃない。





「うあ…… 」


 目が回る中で体を起こす。


「やっば……どれくらい寝て……っ!」


 愚鈍、のろま、不注意、緩慢。どうして俺はこうなんだろう。何もできやしない上に。



「あっ」


 こんなくだらないことで、命を落としてしまうなんて。


(あ、だめだ。もう)


 血と共に命が抜け落ちる感覚。馬鹿な俺でも良くわかる丁寧さ。ここで人生は終わりみたいです。


(大変なことばっかりだった、特別な何かがあったわけでもなかった)


 走馬灯が流れていく。頑張ってきた日々。びっくりするくらい、頑張ってきたとしか言えない日々。楽しかったとか辛かったとか、苦しかったとか悲しかったとか。全部置き去りにして頑張ってきた。それもそうだろう。俺は今日、この日のために頑張ってきたんだから。今はその総決算の真っ最中。


(でも、できることはやってきた。後悔なんてする暇もないくらいに全力で)


 恨めしい。羨ましい。みっともない。報われたい。


 光景の中で、落としてきた感情が輝くのを見つける。隠してきたそいつらを見つけてしまう。できれば、じっとしてて欲しかったなぁ。


(だからきっと、俺の人生は良いものだったんだろう)


 頑張ってきたことだけ拾えれば、いい人生で幕を閉じられたのに。最後の最後、往生際の悪いこと。


 ──今できることを一生懸命にこなし続ける。そうしていればきっと、どれだけ今報われなかろうと最期にはいい人生だったと笑えるはず。


 笑ってしまう。どの口がほざく。


(うん、良い人生だった)


 こうなってしまえば止まらない。人生に後悔を残してしまいました。あーあ。俺のせいです。全部全部、俺が悪いんです。


 無能。無価値。無駄に意地だけ張っていて、良く思われたいと見栄を張る。


 身の程も知らない愚か者。何も残せないただのカス。何のために生きていたのでしょう。忘れてた。死ぬために生きてたんだ。


「ああ──」


 だったら死ぬことは幸せなはずだ。隠してきた本心は最後に顔を覗かせて、死ねて良かったと思うはずだ。


 苦しい努力ももういらない。大好きな人に怯える必要もない。ついに、解放される。


 そうだよ、俺はね──死にたかったんだ。ずっとずっと、早く死んで終わりにしたかったんだよ。


 口に出して終わりにしよう。いい死に方だと笑って死のう。それだけが、俺の人生の意味だから。


 せーの。








 ──やっと、死ねた。

「──この終わり方(こんなの)、あんまりだろ」


 ……? 今、俺は何て言ったんだろう。意識も虚になってきたからもうわからない。


 でもきっと──


 ──碌でもないセリフ、だったんだろうなぁ。



    ◇



 こうして、俺の人生は幕を閉じる。一切合切否定し切って、ぼろかすになった魂が消える。そのはずだった。


 ひどいもんだろ? 俺はこんな人間だった。いつも誰かを羨んで、ずっと自分を蔑んだ。誰かに褒めてもらえるような生き方を、俺はできてたなんて思えない。


 でも知ってる通り、ボロ切れみたいな魂は掬われた。掬われた先で、救われた。


 だからもう少しだけ聞いてほしい。


 ──これは、俺が救われるまでの物語(はなし)だから。

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