九日目
俺の朝は妹の声を聞いて始まる。
「起きろ」
一言だけ言って可憐は俺の部屋を出て行った。
今日はいつも以上に雑くないか?朝からなんか機嫌悪いしどうしたんだろ。
俺なんかしたかな?何か、あったとしたら昨日だよな……。
そー言えば昼食の時機嫌悪かったし、玲奈ちゃんのことで不機嫌そうに聞いてきたな。
うーん、どうしたんだろう。最近可憐の事が前以上にわからんくなってきた。
まぁ、こんなところでどうこう考えても仕方無いな。取りあえず学校行こう。
支度を済ませリビングに出ると可憐はいない多分もう行ったのだろう。
最近朝食はお互い一人だなぁ。
朝食の片付けをしていると玄関がなにやら騒がしい。
何かあったのかと、慌てて用意して行ってみると可憐と玲奈ちゃんが言い争っている様子だった。
俺に気付いた玲奈ちゃんが「お兄ちゃん」と言って手を振ってくれた。
振り返すと嬉しそうにしてくれる。可愛いなぁ。
可憐にめっちゃ睨まれてるけど……。
可憐も昔は可愛らしい感じだったのにどうしてこうなってしまったのか。
しかし、何をあんなにも言い争っていたのだろうか。
「なぁ、可憐。何があったんだ?」
聞いても何も答えてくれない。というか、そっぽ向かれた。
しかも、玲奈ちゃんも何か言いかけて辞めて「そんなことより一緒に学校行こう?」ってはぐらかされてしまった。
うーん、何にがあったのか。最近もやもやすることが多い。
結局考えても仕方無いに落ち着いてしまう。
玲奈ちゃんと行こうとすると可憐が俺の制服の裾を引っ張って「私も行く」と言い出した。
珍しいな……。ほんとに、どおしたんだ?
なんかもう色々わからない事だらけだ。
にしても、やっぱり周りの視線が怖いな。
可憐人気過ぎるだろ……。
そりゃまぁ、俺が逆の立場なら羨ましがってるとおもうけどさ。
だって、可憐と玲奈ちゃんに挟まれるからね。
この視線さえなければ文句言うこと無いね。
そんななんとも言えない時間も終わり教室に着くと優香ちゃんが、いなかった。
いつもいるのに珍しいね。遅刻かな?うーん、どおしたんだろう。
結局午前の間に優香ちゃんが来ることは無かった。
流石に気になって玲奈ちゃんに聞いてみることにした。
えーっと、玲奈ちゃんって何組だろ。
今完全に上級生が下級生の廊下でキョロキョロしてる変人だと思われてる。
なんか凄い変な目で見られてる。
玲奈ちゃんを探していると可憐を見つけた。可憐なら知ってるかも。
「おーい可憐。ちょっといいか?」
返事無し。え、無視?いや、聞こえてないだけかも。
「可憐、聞こえてるか?」
「なに?」
あぁ、聞こえてなかっただけか。
「玲奈ちゃん何組か知らないかなって思ったんだけど知ってる?」
「……知らない」
「そ、そっか。急に聞いたりして悪かったな」
てか、何処のクラス見ても玲奈ちゃんいないんだけど。何処かで昼食でも食べてるのかな。
俺も昼食まだだし一旦食べに戻るか。
「あれ?お兄ちゃん。私のクラスの前で何してるの?」
あ、いた。てか、ここ玲奈ちゃんのクラスだったのか。
「玲奈ちゃんにちょっと聞きたいことがあってさ」
「聞きたいこと?お姉ちゃんのスリーサイズとか?」
「違うって。今日優香ちゃん学校に来てないの何でかなって思ってさ」
スリーサイズもちょっと気になるけど……。
「あぁ、お姉ちゃん実は体調崩しちゃったんだよね」
あぁ、そうだったのか。てことは寝込んでる感じなのかな?
お見舞い行きたいけど家知らないしなぁ。
「玲奈ちゃん。お見舞いとか行っても大丈夫かな?」
「うん、いいよ」
あっさりOKしてくれた。
お見舞いって何に持って行けば良いんだ?うーん、リンゴとか?
あぁ、でもリンゴ食べれなかったらどおしよう。難しいなぁ……。
一番無難なのはおかゆ作ってあげることかな?というか、それが一番良さそうだな。
そー言えば、可憐は知ってるんかな?二人は連絡取り合ってるし、流石に知ってるか。
お見舞い行くのか聞きたいとこだけど、そろそろ休み時間終わるしなにより周りの視線が怖い。
学校で一体どんな立ち位置なんだよ……。
そんなわけで俺は「今日優香ちゃんのお見舞い行くの?」とメールで済ませることにした。
放課後に「行く」と返事が返ってきたので可憐と玲奈ちゃんを今校門で待っている。
ちょっと遅くないか?気になって下駄箱まで行くと二人がなにやら揉めている様子だ。
え、なにこれ。朝といい今といいどおしたのほんとに。
「私が兄貴を連れて行くから先に帰ったら良いじゃない!」
「玲奈が連れて行くってお兄ちゃんと約束したの!」
え、えーっと。これは一体……。何があったんだろう。
「二人ともどおしたの?」
「「兄貴は(お兄ちゃんは)黙ってて」」
えー、何か怒られたんだけど。そんな、どっちが俺を連れて行くかなんかで揉めなくて良いじゃん。
少しして二人が「え、いたの?」みたいな顔をしてこっちを見てきた。
さっき思いっきり俺に黙ってって言ったじゃん……。
何か二人とも顔赤いし、二人も体調悪いの?
聞いても「大丈夫」の一点張りだから大丈夫だと言うことにしておく。
結局俺と可憐それから玲奈ちゃんの三人で行くことになった。
最初から一緒に行くにすれば良いのに30分くらい同じ事でまた揉め初めて大変だったよ。
何か凄く疲れた。
優香ちゃんの家に着く頃には少し日が沈んでいた。
玲奈ちゃんが「ただいま~」って言いながら入っていくのに続いて俺と可憐も家にあげてもらった。
玲奈ちゃんに部屋の場所を教えて貰い。部屋をノックした。
「優香ちゃん。急に来てごめんね。入っても大丈夫?」
「え、玲君?!ちょ、ちょっと待ってください」
なんだか慌てた様子で返事が返ってきた。
少しして「どうぞ」と言われ部屋に入るとなんだか女の子って感じの部屋だった。
「急に来てごめんね」
「だ、大丈夫です。来てくれてありがとうございます」
ほんとにしんどそうだった。
にしても寝間着が可愛い。
どーやら熱があるらしくて下がるまで休む事になるそうだ。
毎年この時期は体調を崩しやすいらしい。
可憐は毎度お見舞いに行ってたらしい。去年ちょいちょい帰ってくるのが遅かったのはお見舞いに行ってたからなのかな。
俺はキッチンを借りておかゆを作ることにした。冷蔵庫にあるものを使って良いよっって言われたんだどちょっと気が引けたので使うのは調味料を少しとご飯だけにした。
おかゆを作るときに可憐と玲奈ちゃんも欲しいって言ったから二人の分もよそって部屋まで運んだ。
部屋では三人が楽しそうに話していたので俺は先に帰るよと言って優香ちゃんの家を後にした。
なんだかんだ言って玲奈ちゃんと可憐仲良いんだな。
外もすっかり暗くなってきた頃ぐらいに可憐が帰ってきた。
晩飯はいるのか聞くといるらしいので晩飯を作りはじめた。
ご飯、野菜炒め、ハンバーグそれからちくわが余っていたからちくわの甘辛炒めも少しだけ作ってみた。
今日はいつもよりも少し量が多めになってるから大丈夫かなって思ったけどそんな心配はいらなかったみたいだ。
俺も可憐もお腹が思っていたよりも減っていたらしく割とあっさり食べれてしまった。
朝凄く機嫌が悪かったのも収まったのか、今は普通にしている。
こうして普段よりはちょっと色々あったけど何事も無く平穏な一日は終わりを告げた。
はい、恋夢です!
いやー、サボりすぎました。これからはもう少し投稿頻度上げたいと思ってます。
久しぶりに書くとちょっと書くのが大変でした。
それでは、また次の作品でお会いしましょー!