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八日目

俺の朝は妹の声を聞いて始まる。

「兄貴、早く起きろ。今日は早く出るんじゃなかったの?」

あぁ、そうだった。委員会の都合で今日は早くで無いとダメなんだ。

委員会の都合と言っても地域のボランティア活動みたいなものだ。

俺たち美化委員は地域の掃除に定期的に参加することになっている。

「悪いな、普段はまだ寝てる時間なのに起して貰って」

「いつものことでしょ。それより、早く行かないと遅れるでしょ」

いつもより優しく感じる。急にどうしたんだ?

ま、こー言う時いつも上げて落とされるんだけどね。

俺は軽く朝食を済ませ、今日の掃除場所に向かった。

毎月掃除を手伝ってて思うけど何でこんなに汚くなるんだよ。

校内でもポイ捨てとかの呼びかけはしてるのに何故か毎月ここへ来ると汚い。

ここのゴミは地面からあふれてくるんじゃ無いかと思ってしまう。

そんなことを思いながらめんどくさ……じゃなくて、楽しいボランティア活動を終わらせ学校へ向かった。

ボランティアに行くと学校までに歩く距離が増えるためやはりめんどくさい。

学校に着くと優香ちゃんに挨拶をした。

「おはよう」

「お、おはようございます」

ほんとにただ挨拶をするだけなのに最近はこれが学校の始まりの合図に感じる。

可愛い女の子と仲良くなれたらそりゃ調子に乗ってしまうよね。

いつもと変わらない平和で且つ楽しい学校生活が今日も送れる。

そんな慢心と共に始まったのだがその思想は昼休みに潰されてしまった。

いつも通り優香ちゃんに誘われて食道にむかっている途中の出来事だ。

突然こちらに駆け込んできた女の子によって俺の平和な学校生活は潰されてしまった。

「姉ちゃん!この人が姉ちゃんの言ってた彼氏さん?」

は?この子は急に俺を指さして何を言い出すのだろうか。

それに、優香ちゃんの事を姉ちゃんって呼んでたしこの子一体何者?

疑問たっぷりの目で優香ちゃんを見るとなんだか困っている様子だった。

「ねぇねぇ、玲君であってる?」

どうやら俺の名前を知っているようだ。

それだとやっぱり優香ちゃんの妹なのかな?てか、優花ちゃん妹いたんだ。

「あ、うん。俺が玲だけど?君は?」

「私は御影玲奈。よろしくね、お兄ちゃん」

はい?優香ちゃんの妹なのは理解出来た。だけど、お兄ちゃんって何だよ急に。

うーん、いまいち状況が読めない。優花ちゃんに助けを求めると顔を赤くしてまだ困っている様子。

「あ、あの優香ちゃん?大丈夫?」

「は、はぃ!大丈夫です!」

何か返事するとき声若干裏返ってけどほんとに大丈夫かな?

「お兄ちゃん、これから昼食でしょ?だったら、玲奈も着いていくね」

なんだか自由な子だなぁ。きっと、ダメだって言っても着いてくるんだろうな……。もう、好きにしてください。

「優香ちゃん、可憐待ってるよ早く行こう」

この子、えっと玲奈ちゃんには色々聞きたいことあるけどそれよりも可憐を待たせてるから急がなくち。

ずっと困った様子でおかしくなってしまった優香ちゃんを引っ張って食堂についた。

可憐が待ちくたびれた様子でこちらを見ている。こればっかりは仕方無い。

席に着く頃には優香ちゃんも元に戻っていて優香ちゃんから改めて玲奈ちゃんの紹介があった。

優香ちゃんの妹で学年は一つ下。つまり、可憐と同い年だ。

本当かどうかは知らないけど俺が優香ちゃんの彼氏というのは玲奈ちゃんの誤認らしい。

可憐は人見知りが激しいのか誰こいつみたいな目で最初見ていた。

まぁ、今も凄く苦手そうにしているんだけど。

「私この人知ってる!成未可憐でしょ?有名人じゃん凄い」

可憐の有名っぷりがここでも発揮されていた。

可憐は苦笑いで挨拶をしていた。笑顔引きつってるぞ。

「お兄ちゃんは可憐さんのお兄ちゃんだったんだ」

何か紛らわしいな。別に悪い気はしないんだけどさ。俺の事をお兄ちゃんって呼んでる理由がちょっと、ね。

「お兄ちゃんは将来姉ちゃんの夫になるんでしょ?だったら私のお兄ちゃんになるんだし別に良いじゃない」

これが俺をお兄ちゃんと呼ぶ理由だそうだ。優香ちゃんが俺の事をどんな風に伝えたかわからないけど、流石に話しが飛躍しすぎじゃない?

てか、そもそもの話し付き合ってすらいないし。

優香ちゃんはというと俺と目を合わせてくれない。何だろうちょっと悲しい。

可憐は玲奈ちゃんがお兄ちゃんと俺の事を呼ぶ度にぴくっと反応して凄い勢いで睨んでくる。

足も踏まれるし、何かもう色々と悲しい。

俺の平和な昼食は何処へ消えてしまったのだろう。

玲奈ちゃんは途中で満足したのか何処かへ行ってしまった。ほんと自由だなあの子。

優香ちゃんには凄く大変な妹がいるんだな……。

その点可憐は良い子だななんて思ってしまう。別に玲奈ちゃんが悪い子だとか思ってないけど自由すぎるせいかなんだか少し絡みにくい。

「優香ちゃん。玲奈ちゃん面白い子だ」

「自由過ぎて手が着けられない時があって大変ですけどね」

少し力のない声で返事をする。なにがそうさせたのかわからないけど、疲れ切っていた。

玲奈ちゃんの乱入で平和な昼食は無かった事になってしまった。

可憐に踏まれてたし、何か色々悲惨だった。

心底疲れ切った様子で家に帰るとそこで可憐が待っていた。

「兄貴、あの子にお兄ちゃんって呼ばせてるなんてどー言うつもりなの?」

どーもこーもないんだけど急にどおしたの?

「いや、玲奈ちゃんが勝手に呼んでるだけだし理由はどうであれ呼ぶ分にはかまわないんじゃ無いか?」

「そ、そうね……」

この反応は予想外だった。

てっきり「うわ、きも」とか言われるかと思っていた。

今日の夕食当番は可憐だ。最近どんどん料理が上手になってきているように感じて割と楽しみになっている。

今日の夕食はカレーだった。無難だけど俺は結構好きだ。

「いただきまーす」

お腹が減っていたため勢いよくがっつくと口に広がったのは痛みだった。

「辛っ。これめっちゃ辛いんだけど何の嫌がらせだよ」

びっくりするくらい辛い。ていうかもはや痛い。

俺が可憐に何をしたのかさっぱりだし、聞いてもそっぽ向くだけで何も教えてくれない。

なんとか完食は出来た物の口が痛くてどうすることも出来ない。

可憐はさっさと片付けて風呂にはいってしまった。

おいしいかどうか聞かれてもほぼ味のしないカレーを食べてる気分でおいしいとかそんなこと言ってられない状況だった。

正直なんでこんなことになっているのか検討もつかない。

何というか理不尽に何かされている気分だ。

まじで俺の事嫌いだよな可憐。

嫌いじゃ無かったらここまでのことはされないだろうと勝手に思ってしまう。

何で俺の家にわざわざ引っ越してきたのかほんとに謎だ。

そんな何の解決にもならないことを考えている間に俺は眠りについてしまった。


はい、恋夢です!

新キャラ出して見たのは良いんですけどまじで書くのが難しい……。

正直満足のいく描写にはならなかったです。

それでは、また次の作品でお会いしましょー!

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