表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/21

四日目

俺の朝は妹の声を聞いて始まる……はずだったんだが今日は起してくれないらしい。

どうせこないだみたいに寝てるんだろ?もう泣かないぞ。

せっかくだし俺が起こしに行ってあげよう。

部屋を出て可憐の部屋を開けようとすると、リビングの方から声がした。

「ちょっと、何で人の部屋に勝手に入ろうとしてるのよ」

あれ?起きてるじゃん。

これは、本格的に嫌われはじめたのでは……。

いや、考えすぎか?た、たかが朝起してもらえなかっただけだし?そんなことはないよね。

いつも、起してもらってるからって期待してるわけじゃな、ないし。

「あぁいや、てっきり寝てるのかなーっと思って起こしに行こうかと思いまして……」

あ、やべ。絶対怒られる。

怒られる事はなくても睨まれるところまでは想像出来るぞ……。ってあれ?睨んでない?

お、ついに兄の優しさをわかってくれたのか?

ちょっと満足気に立って可憐の方を見ると「うわ、キモ」って言ってそうな目で見られました。

優しさを理解したとかそんなことはなかったみたいだ。

可憐は「朝食出来てるから早く食べて」と言いそのまま自分の部屋に入って行ってしまった。

朝食を台所からテーブルまで運んだときにテーブルの上に雑誌のような本が置いてあった。

おそらく、可憐の物だろう。渡しに行った方が良いよな。

渡そうと可憐の部屋をノックしようとしたタイミングで扉が開いた。

痛い、軽く額をぶつけた。

「危ないだろ。ちょっとは気をつけくれ……」

「あ、ごめん。そんなことより私の雑誌知らない?」

もう少しいたわってくれても良いんじゃないですかね?結構痛かったよ。

「これのことか?」

「あ、それそれ。ありがと」

なんか嬉しそうだな。その笑顔に免じてぶつけられたのには何も言わないでおこう。

雑誌の表紙を見ると水族館特集って書いてあった。

可憐って魚好きだったっけ?

今日は休みで特にすることもないし、誘ってみるか?

「なぁ、可憐。水族館行ってみるか?」

部屋に戻ろうとした可憐の動きが止まった。

「今、何て言った?!」

ものすごい食いつきだな。なんで胸ぐら捕まれてるのかわからないけど。

「いや、水族館行ってみるか?って言ったんだけど……、いやだったか?」

そこで悩むのは良いんだけど、そろそろ離してもらえないかな。

考えがまとまったのか。俺の目の前に雑誌を突き出してきた。

「ここに、行きたいのか?」

俺の質問に無言でうなずく可憐。

どうやらここに行きたいらしい。

おおまかな場所を確認してみるとそこは少し遠かった。

どうするか考えていると、可憐がイルカショーの時間を指さして早く決めろと言わんばかりに催促してきた。

諦めた俺は「じゃあ、そこに行こうか」と答えて行く支度をはじめる。

可憐と二人で何処かに出かけるのははじめてだな。

いや、あったかな?どーだったかな、覚えてないや。ま、いっか。

こうして可憐と初めて?の出かけ先は水族館になった訳だが可憐が最初のイルカショーに間に合わせたいと言うから、かなり急ぎ足で向かった。

途中の乗り換えでは特急に乗せられる始末……。

どんだけ楽しみなんだ。俺の前であんなにはしゃぐ可憐は初めてだ。

普段からこーやって楽しそうに笑ってれば言うことないんだけどなぁ。

ぎりぎりで間に合ったイルカショーは後ろの方であまりよく見えなかった。

隣で可憐がなんとかしてみようと跳ねていた。可憐の身長は低めだから普通にたっていると見えないのだろう。

なんだかちっちゃい子をみているようだった。結局よく見えないまま終わってしまって、若干泣きそうになってた。

超可愛いですね。いつもと違いすぎて可憐と来ているのが疑ってしまった。

これは、夢なのではないか?軽くほっぺをつねってみたけど痛かった。夢じゃないわ……。

それから、色んな所を可憐に連れられるままに回った。

水槽に張り付いて魚を眺めている可憐、魚に詳しいのか俺に一生懸命説明してくれた。

「次、あっち行こ?あ、イルカショーの30分前だ!席取らないと……」

行きたい所が複数あるのかどうしようと悩んでいるみたいだ。

「イルカショーは一日二回しかないみたいだぞ。前の方でみたいんだったら席、取らなきゃいけないんじゃないか?他を見て回るのは後でも出来るしどうする?」

「そ、そうなのか。それは大変だ!あ、兄貴の言うとおりにするのはちょっと癪だけどそ、そうする方が正しいみたいだ」

今日はあいつ、色々テンションがおかしいな。珍しく浮かれてんのか?

まだ、イルカショーまで時間があるのにたくさんの人が席取りをしていた。可憐と似たようなこと考えてる人って結構いるもんなんだな。

「可憐、俺のど渇いたから飲み物買ってくるけど何かいるか?」

「コー……ラ」

「ん?なんて言った?良く聞こえなかったんだけど」

「コーラ!」

コーラね、飲み物頼むくらいでそんな声貼らなくても良いじゃん。

取りあえず買いに行くか。

たまにはこーいう外出も悪くないな。そんな頻繁には行ってられないけどな。

えっと、自販機何処だっけ?あー、あったあった。結構遠かったな。

もうそろそろ始まるじゃん急がないと。

「ごめんごめん自販機思いの外遠くて遅くなった」

いや、そんな目で見られても……。悪かったって……。

イルカショーもちゃんとみてみると案外楽しい感じだった。

見てる人参加型でイルカに餌をやるとき隣で一生懸命手を上げていた可憐は可愛かった。

結局選んでもらえなかったんだけどね。凄い残念そうな顔してたよ。

それから後はみてなかった所を見て回って最後はグッズ売り場に向かった。どうやら、御影さんにお土産を買うらしい。

俺はこれといって買う物がなかったから可憐の後をついて回っていた。

ちょっと目を離したら可憐がいない。何処へ行ったんだ……。

そんなに広い売り場じゃなかったから直ぐに見つかったけど、見つけたときにはイルカのぬいぐるみをずっと眺めていた。

これ、欲しいのかな。値段をみてみると割と値が張ってる。今まで何か買ってやるようなことしてこなかったし買ってやるか……。

可憐が喜んでくれたからよしとするよ。

売り場を出て外に出るとすっかり暗くなっていた。一日ここにいたのか……。長いようで短かったな。

帰りの電車で疲れ切ってしまったのか俺にもたれかかって寝てしまっている。

めっちゃはしゃいでたし、仕方無いか……。

無事帰ってきたのは良いんだけど起しても起き無い可憐を運んで帰るのは結構しんどかった。

可憐をベットに寝かせた後俺も直ぐに寝てしまった。

そんな充実した二人の一日は終わりを迎えた。

はい、恋夢です!

四日目になりました。今回書くのちょっと大変でした。可憐の普段とは違う一面に休日のお出かけもといいデートの描写が上手く書けなくて何度も手が止まりました。

最終これで落ち着いたんですけどまだ雑いような気はしてます。これ以上なんかして変なことになるよりはましだろうと思いこれで止めてます。

それでは、また次の作品でお会いしましょー!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ