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一日目

俺の朝は妹の声を聞いて始まる。

そう、可愛い妹に優しく起こされるところから始まる……と思っていた時期が俺にはあった。

現実は非情だ、俺はそれを日々痛感している。何故って?理由は簡単だ優しく起こして貰うどころか毎度毎度たたき起こされる始末である。

文字通り、叩き起こされている。まぁ、起こして貰えるだけまだましだよな……と自分に言い聞かせていた。

「兄貴〜、いつまで寝てんだよ。さっさと起きろ」

噂をすればなんとやらとはこのことだな。

「あぁ、悪い今起きるよ」

ったく、夢抱きすぎた俺がバカみたいじゃないか。

こいつは義理の妹だ。白髪のロングに整った容姿どこからどう見ても俺の妹だとは思えない。

しかしまぁ、こう見るとほんとに容姿だけは良いなぁ……。

もう少しお淑やかになればもっと可愛く見えると思うんだけどなぁ……。

そんなこと思いながら妹の顔をまじまじと見てると「何じろじろ見てるの、キモいんだけど」みたいな若干軽蔑してそうな目で見られたし。

やっぱり、俺の事嫌いなんじゃないか?何で、わざわざこっち来たんだろう……。

俺の妹可憐は義理の妹で、学校に通う都合上こっちに引っ越してきた訳なんだが正直なんでこっちに来たのか全くわからない。

前に一度、聞いたことがあったが「そんなこと別にどうだって良いだろ?」ってなんかはぐらかされた感じになったし、ちょっと睨まれたし……。

考えれば考えるほど嫌いなんじゃないか?って思えてくる。

学校に行く支度を済ませて学校に向かおうと玄関を出ようとすると玄関のチャイムが鳴った。

「こんな時間に誰だよ……」

独り言をぼやきながら玄関を開けるとそこにいたのは友人の和樹だった。

「なんだ、お前か……」

「やっほー、玲……ってなんかテンション低いね」

「いつものことだろ、そんなことより出れないからどいてくれ」

そんなどーでも良い会話を後に二人は学校へ向かった。

登校途中俺の家から出てきた女の子が誰か聞かれたが、妹だと答えるとすごくびっくりされた。

何故びっくりしたのか聞いてみたら「お前みたいな奴にあんな可愛い妹いるとかあり得ないだろ」とか、酷い言われようだった。

「どーせ、俺には可愛い妹なんてあり得ないですよー」とか開き直ってしまった方が楽なんじゃないかと思ってしまった。

「お前から見た俺は一体どんな奴なんだよ……」

若干呆れ気味で呟いた。

短い通学路でそんな他愛も無い会話をしていた。

3年に上がってから和樹とはクラスが離れてしまって少し不安だったがなんとかやって行けている。

といってもクラスの数人とある程度仲が良い程度だが、かなり居心地の良いクラスだ。

ただ、俺には一つ悩み事がある。

最近、というかここしばらくの間誰かに見られてるような感じがする。

気のせいであればそれに越したことはないんだが、見られてるような気がして少し落ち着かない。

休み時間は気にならないんだが、授業中に何故かものすごく視線を感じる。

気のせい、気のせい……。そんなことを自分に言い聞かせ無視続けているんだけど、どーも気になってしょうが無い。

和樹に一回相談したけど「気にしすぎだろ」って流されてしまった。

結局何も解決しないまま学校が終わってしまった。

「ただいまー」

しかし、返事が無い。

いつもなら俺よりも先に帰ってきてるんだが、今日はまだ帰ってきてないらしい。

まぁ、日が暮れるまでには帰ってくるだろ。

そー言えば、今日は俺が晩飯作る日だったな。今のうちに晩飯の食材買いに行くか。

近場のスーパーで食材を探していると見覚えのある人影が見えた。

俺は、誰なのか気になって見に行くとそこには鼻歌交じりで食材を選んでいる妹の姿があった。

「お前、こんなところで何してんだよ」

俺に気付いたのか、少し顔を赤くしていた。

「兄貴こそ、こんなところで何してんのよ」

だから、なんでそんな睨まれなきゃいけないんだよ……。

俺、なんもしてないんだけど。

「え、今日の晩飯の当番って俺だろ?だから晩飯用の買い物を買いに来たんだよ」

「あれ?そうだっけ?」みたいな感じで頭をかしげていた。

絶対こいつ今日当番だと思ってただろ。

可憐のカートの中を見てみると……

なるほど、こいつ今日シチューを作る気だったのか。

「よーし、じゃあ今日は俺がシチューでも作ってやるかなー、なんて?」

わざとらしくシチューを作るアピールをしてみた。

ちらっと、可憐の方に目をやるとめっちゃ睨んでました。

超怖い……。

「あー、今日の当番可憐だったわ。俺が間違ってたみたいだごめんな。し、シチュー楽しみにしてるわ」

あー、怖かった。絶対俺の事嫌いだよな。ほんと、なんでこっちにきたんだろ。

晩飯は予想通りシチューだったんだがすごく見られてて味わうどころじゃなかった。

「可憐のシチューおいしいなぁ……。また、食べたいなー」

実際おいしかったから嘘は言ってない。

言ってないんだけど、こんなにおいしいんだからもっと味わいながら食べさせて欲しかった。

もう、一緒に住み始めて1年になるのに可憐がなんでこっちに引っ越してきたのか全くわからないままだ。

しかも、嫌いなんじゃないかってものすごく不安になる。

正直この先もやっていけるのか先行きが不安にしかならない。

そんなことを考えながら二人の一日は終わりを迎えた。

はい、約一年ぶりの投稿になります恋夢です。

何も考えずに、思いつきで書きました。

これくらいの量で少しずつ書いていこうと思ってます。


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