白の戦士
謎の男をラボへ案内した俺達は、
指令室へと集まる様に真里のお父さんであり、
白幻のラボの博士でもある神荒居真彦さんに、言われて集まっている。
「ひとまず、お疲れさま。数も多かったのに、良く持ちこたえたな。」黒のYシャツに白衣を着た博士が指令室のモニターの前に立っている。
「…そいつが要らない手助けしたお陰で、オレ達としてはらく~に、に倒せましたけど。」明らかに、昌宏さんの機嫌が悪い。
「ちよっと!昌宏さん!そんな言い方は、ないでしょ!?」
『そうそう。あんたがムキになる必要はないでしょ?』真里とケットシーは、こういう時は、息がぴったり合う。
二足歩行の猫の幻獣と真里はケンカ友達。小さめの幻獣だからラボには普通に歩いて過ごしている。
「…フン。八咫烏が守護していると言うことは、烏原の人間か。」
『そうみたいだな。よく祠から出れたものだ。』
どうやら、昌宏さんの実家の事は知っているらしい。
「…神荒居。黙っていないで、説明した方がいいんじゃないか?」
「君から説明する気は無いんだね…。まぁいいさ。オレから、説明するよ。」
はぁ。とため息をついて博士が話始めた。
「彼は、楪光一。新しいオレ達の仲間になる、白の戦士だ。」
「「えっ!?」」
「はぁ!?」
因みに、はぁ!?って言ったのは、昌宏さん。恐らく、彼と気が合わないだろうな…。
「いやー。チェンジャーのプロトタイプ版の整備をしていたら、チューニング中にたまたま、通信が繋がって、
コンタクトを取ってみたんだよ。」
『それに、私に噛みついてきたファイアが居て、ファイアの今と先代のパートナーが居ると聞いてな。』
『ダレが"噛みついてきた"だ!フロスト!オマエの事が気に食わないだけだ!』
『ファイア、お前は昔から落ちこぼれだからな。』
『ダレが落ちこぼれだ!?あぁ!?』
「…俺こんなに、ファイアが荒れてるの初めてみたかも。」
『…ファイアは火で、フロストは氷。馬が合わぬのは、当然の事だな。我には関係の無いことだが。』
『まぁ。昔なじみに会えて楽しいのだろう。真彦、プロトタイプの整備したいのだろう?』小柄な人型の幻獣 ドワーフが工房から出てきた。
博士が変身できた時の相棒は、ファイアだったらしいけど、
ラボの博士になった今は、このドワーフが相棒らしい。
「そうそう。チューニングや調整するから、光一くん。チェンジャー貸してくれるかな?」
「あぁ。構わない。…通信設備は最低限にしてくれ。」
と、プロトタイプのチェンジャーを博士に手渡した。
「なぜだ?仲間とは、通信が使えた方が便利だが。」
「…オレは、ある男を殺し、ある組織を潰せれば、それでいい。仲間など要らない。」