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American Idiots  作者: アホイサック・デジマ
What the Hell?
8/10

はじめてでんをわつかいます

四人は草原に居た。あまりに唐突な出来事の連続に、誰も口を聞く事を忘れたようだった。

フレッドがまず、口を開けた。

「それで俺達、これから何をしたらいいんだ? 」

誰も答えなかった。強い風が吹き、キャシーがなびく髪を押さえた。


「腹が減ったな。俺、まだ食ってない内に撃たれたらしい、」デイヴが言った。

「ヌガーバーならあるよ。」とフランシス。ズボンのポケットから、ヌガーバーを二本取り出した。ありがとよ、とデイヴが一本受け取った時、どこかから腹の虫が鳴った。キャシーの方から聞こえた。デイヴが手に持った一本を半分に折り、キャシーに差し出すと、キャシーはありがとう、と答えた。

やっとかないと、後からうるさいだろうな、と思い、フランシスは残った一本を同じように半分に折り、フレッドに差し出した。フレッドも礼を言い、ヌガーバーを口に運んだ。

「そうだ、あたし、あなた達の名前まだ聞いてない。」キャシーが言った。


フレッド、フランシス、デイヴが順に自己紹介した。フレッドがビッグ・ブルの中身をやっていると聞いた時、ああ、あの……キャシーは納得したようだった・

自己紹介を終え、たわいもない話が始まった。何をしているのか、聞いている音楽は、誰と友達なのか……? そしてフランシスがヌガーバーを食べ終えた頃、音が鳴った。


You Got Mail!


「悪い、俺だ。」二秒くれ、とフレッドが携帯電話を取り出した。

「ちょっと、ちょっと待って、フレッド。携帯持ってるの? 」フランシスが聞いた。

「ああ、うん……知らないアドレスから。」とフレッド。

「違うよフレッド、なんでもっと早く言わなかったの? 助けを呼べるだろ! 」フランシスが言った。


フレッドは心底驚いた顔をしてから、落ち込んだ。「ダメだ、圏外。」フレッドは姿勢を変えたり、携帯の高さを変えたりしたが、圏外のままだった。

「圏外でも入るメールってなあに? 大体は料金の催促さ。」フレッドはメールボックスを開いた。そして、心底嫌そうな顔をした。

「諸君、我らが偉大なる神からの激励の言葉だ! 今から読み上げる! 静粛にお頼み申す! 」


  

 はじめてでんをわつかいます

こんにちわ。メル、とどいていますか

あなた達は今 オンアプレインへいげんにいます。

そこから北「あなたたちがさいしょ見ていた方こうです」にしばらくすすむと、みちがあります。

そこを、Eastにすすんでください。

大きい王国の、しゅと、あります。

そこで、わたしの名前、だして、謁見してください。

  はしめてメール使うので、読みにくくてすみません。お願いします。女神スパンゲン



 「どう思う?」フレッドは読み終わった後、全員に携帯電話を回した。とりあえず、とデイヴが言った。アップルストアの店員にも解決できるか怪しいな。


一行はその、北へと歩いた。北と行っても、"多分北"ぐらいの意味だが。しばらく歩いても、その道は見つからなかった。

進んでいく内に少しずつ、あまり背が高くない木が目につき始めた。それでもその"多分北"へと歩いて行った。ついに、林のような、木々生い茂る場所へと出た。それでもその"多分北"へと歩いて行った。


「あのさ……」フランシスが息を切らしながら、先頭を歩く、デイヴに言った。「僕ら、ひょっとして迷ってる? 」

「ああ、まあ、そうとも言えるかな。」デイヴが歯切れ悪く答えた。

「フレッド、メールに返信できないの? 」」とフランシス。「ダメだ。圏外だってよ。」

「ダメだ、少し休憩させて欲しい。」息も堪え堪えに、フランシスが言った。「なんだあ、だらしない。」フレッドが言った。息を切らしながら。

「あたし、賛成。随分歩いてるわ。少し休憩して、太陽の見える所に向かわない? 方角がわかるでしょ。」と、キャシー。


いい考えだ、とデイヴ。一行が腰を降ろした時、少し離れた所からガサガサ、何かが動く音がした。

「ちょっと、やだ。もし熊でも出たらあたし達もう一回死んじゃうわよ。」とキャシー。

 フレッドが音がした方にそろそろと歩き、覗き込んだ。「おい、お前ら、来いよ! 」フレッドは小声で、しかし興奮した様子で、三人を手招きした。三人が立ち上がった時、静かにな! と付け加えた。


四人が茂みから覗き込むと、そこには緑の肌をした、小人が居た。こちらに、左半身を向けていた。


「おい、見ろよあれ! 腰に藁まいてるだけだぜ! 」フレッドは笑っていた。

「丁度いいじゃない。道、聞きましょうよ。」キャシーが言った。

「正気かよ! 見ろよ、あの肌の色! あいつに道を聞くなんて考えられねえ。アフリカの人喰い族みたいなもんだぜ、きっと。それに……」

「それに? 」とデイヴ。

「小男は性格が悪いんだよ。」フレッドは忍び笑いをしていた。

「あんたって、本当最低ね。一生言ってなさいよ。」そういうとキャシーは茂みから飛び出し、エクスキューズ・ミー。と話しかけた。

フランシスは呆然としていた。キャシーが茂みから飛び出た時、いけない、と声を出した。


緑の小男が振り返った。右手に棍棒を持っていた。小男は声にならない叫びを発し、棍棒でキャシーを殴りつけた。


それみろ!だから小男は性格が悪いってたんだ!とフレッドは言った。茂みから飛び出したタイミングはデイヴと同じぐらいに早かった。

最近は延々凛をのんでいる。

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