エピローグ
会話ばっかりの話です。
“えー、お日柄もよきこの日、彼女と彼は”
キャーキャー
「……(結婚って、恥ずかしい。)」
「……(早く終わんないかな……)」
新郎新婦は顔を赤くして、どうにかならないかと祈っていた。
別な意味で……
「あー、しっかしあの結婚式はもう嫌だ!」
「はいはい、あ!これってどこに置く?」
「え?うーん、キッチンの物はあらかた置いといて。後でわかりやすいところに置いておくから。」
「はいはい。俺の奥さん。」
「……やめろって、それ。」
結婚式後、彼らは新居に引っ越しをしていた。
何回かに分けて作業していたため大分片付いたが、どうしてもこないだ行った、結婚式を思い出してしまい、話しばかりが弾む。
「それでお互いの作業場別れるけど大丈夫なのか?」
「え?、なんで?」
「いやだって……いくら壁と扉で区切られてるけど。」
「あぁ、はいはい。それね。」
稔はお互いの作業場に不安を抱く。
ちなみに間取りは一階にリビング・客間・日常生活場所。二階は三部屋。
作業場は一階、リビングの隣で壁と扉で北側に綾、南側に稔の作業場だ。
「壁って言ってもクリアな壁だぜ?」
「………」
「何が不満?」
「……何もない。」
「うん。それでいいじゃないか。」
「………(くっそ、なんか反則な気分だ。)」
「?」
何かが違う。と稔はそう思った。
けど、君がここにいる。
「おーい!稔!綾!引っ越し祝いに来たぞー!」
「!、あ!ユウさんだ。」
「あぁ。」
それでもいいかな。
隣に君がいて、僕がいる。ただそれだけで幸せだ。
“えーと、それではこの企画で通しておきますね。”
「「はい」」
“えっと、この漫画がアニメ化されます。”
「「……え!!」」
“すみません、手紙が!”
「どうする?」
「とりあえず、返事を書こう!!」
“……先生……”
“では、これで連載が終了しました。お疲れ様です。”
「はい、ありがとうございます。」
「ありがとうございました。」
「……ここまでよくこれたな。」
「あぁ。」
「……後悔してないか?」
「……あぁ、お前とユウの日々は楽しかったよ。」
「………」
「また、もう一度。次の時代でも楽しく過ごそうな。」
「あぁ………俺もだ。」
それでこの話は終わりだ。
けど、俺は一つも 後悔はしてないぜ。
だから次の時代も
ずっと ずっと
彼らと………




