00;22「デート その2」
AM9;15 待ち合わせ場所。
「………」
「………」
「珍しいな。」
「そうか?」
時間通りに来ないのに今日は時間前に来ているこの二人。
「さて」
「まだ」
「「時間あるな~」」
悩みながらも綾と稔は映画館に着いた。
“えー、只今込み合っていまして、こちらに。”
「早めに来てよかったな。」
「うん、そうだね。」
早めに映画を見ることができました。
やっぱり二人のデートはぎこちないがなんとなく気が合う。
いや、これは今更だったな。
正直なところ彼らのデートは楽しそうでいいが、デートと言うのはこいうのでいいのだろうかと正直迷っている。彼に楽しんでもらいたいが、私にはどうにもできないだろうか?
「この映画面白いなー。」
「そうか?」
意外と楽しそうだ。
そのあともう一本映画を見た。
最初に見たのは俳優が主演のラブストーリー。
二本目はアニメ、二人にとってこっちが本命。
「!、これって。」
「あぁ、俺達の作品。」
そうこのアニメは二人が前の人生で描いた 作品。
何作目かは忘れてしまったが、今までにない評価、それによりアニメ化・映画化された。
「すげー……。」
「な。俺達の最高作品だからな。」
二人は映画の世界に アニメの世界にのめり込んでいた。
「いやー、面白かったな。」
「な。けど、あぁやって変えていくんだからスゲーな。」
「な。俺、脚本家になってみようかな~。」
「いや、小説家になってくれ、原作通りにっていえば。」
映画を観終わって感想を言い合う二人。
やはり記憶があって職業が決まっているのも……早いな。
「そういえば……」
「ん?」
ハンバーガーショップで昼食をとる二人。
綾は何かを思い出す。
「<ユウヤ>はどうしてんだ?」
「……<ユウ>か………そういえば。」
「?」
「いや、<ユウ>に似た人を見かけたんだ。」
「へぇー。」
「大人でさ、どっかの会社員でさ。」
「高校生を見るとどうしても思い出すんだ。」
“へぇー、珍しいね。ユウヤがそんな事言うなんて。”
「そうか?やり直せるならもう一度。」
「………!」
「………!、あ。」
「ユ、ユウさん!」
「?」
“?、あのー”
「「この人!!」」
稔は混乱中に起きた事をポツリと綾に話す。前世に出会った<ユウヤ>の事。
話している途中で隣の話声が聞こえ、
振り返るとそこには稔の言っていた……ユウさんがいた。
恋人と妻を放っておいて……二人は大きな声を上げた。
さてさて、この四人、というか三人?二人?どう話が変わるだろうか……
次回はダブルデートの予感?




