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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ヤンキー君に敬礼

作者: akiyama

可愛いは最強である。

 現代では、完全な静寂というのは、珍しいと考える。 否むしろ皆無ではなかろうか。

 しかし、今、この瞬間だけは、完全な静寂に支配されている。

 何故なら、それは昼休みを利用して、完全に熟睡している葛城安耶の健やかに眠っているからだ。

 葛城安耶は、ヤンキーっぽい格好をしている。 髪は金髪だし、服装も乱れ気味、でも清潔。

 成績も中の中で実は性格も良い。 そんな彼が何故ヤンキーな格好をしているかというと、顔だ。

 顔が良くないためにモテなくて不良になったとかではない。 逆である。

 小さな頃から、顔が可愛らしかったために、さらわれたり、ストーカーが現れたりと大変な目にあってきたからである。 彼の中では不良=強い、簡単にさらわれないといった図式が成立している。

 このクラスの大半は、その経過は知っているので、葛城安耶に同情こそすれ、嫌悪もしていない。

 不良だというのに、むしろ好かれている。 でも滅多に話しかけられない。

 魔王がいるからである。 しかも二人も。 不良の大ボス的な同学年の竹下強太郎とやっぱり同学年の優等生、宮川涼介という名の魔王達だ。

 竹下強太郎は、未熟児で生まれ親を心配させた。 強くなれよという願いがわかりやすい名である。

 願いの通り、強くなった彼に喧嘩で勝てるのは、武術もたしなむ宮川涼介と、愛らしさという最強の武器を持つ葛城安耶だけである。

 否、強太郎と涼介の実力は五分であるので、二人に勝てる葛城安耶が最強か?

 かくも長く語らってしまった私は、三人の幼馴染という立場で女子の中では唯一気楽に話せるという位置にいる、牧野巡まきのめぐりである。 親しい友人にはメグという愛称で呼ばれていたりする。

 この三人の関係は、幼稚園時代には既に、始まっていた。

 私は、傍観者的な立ち位置で常に見ていたのだが、最近気づいたのである。

 実に美味しいと。 腐女子である私には、コンサートで手に入ることのない関係者席のようなもの。

 さりげなく、これからも冷静に三人を優しい生暖かい目で見守ることを誓っている。

 さて、午後からの授業が始まるので、そろそろ安耶を起こすとしますか。

 二人がお互いに牽制しあって普段の安耶の世話は私がすることが多い。

 実はこれが、また美味しい。 私が話しかけるたびに女子達の羨ましそうな視線を感じ、優越感に浸れるからだ。

 ふっ、美少年、万歳

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