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番外7話「ある休日のひとコマPart.1」

「絡み合う運命の導き」第5話までを先に読んでからお楽しみください。

 Side.御剣芹菜


「ごめんね。こんなことにつき合わせちゃって」

 「佐原家之墓」そう書かれた墓碑から振り返り、あさひは私にそう言った。

「いや、それは別にいいんだけど…………」

「けど?」

「なんでこんなお盆でもない時期に墓参りに来たのかなぁって……」

 5月第一土曜日。つまるところ、天下のゴールデンウィーク中に私たち二人は人気の少ない墓地へと足を運んだのだった。


 ことの発端は、昨日の夜。

 あさひから送られてきた一通のメールだった。

「明日付き合って欲しいところがあるんだけど、時間開いてる?」

 そんな文面のメールに、ゴールデンウィーク初日は家でゴロゴロしていようかなと、考えていた私は特に深く考えずに了承のメールを送った。

 待ち合わせの場所と集合時刻を決め、昨夜のやり取りはそこで終了した。

 そして本日。

 目的地は着いてからのお楽しみとしか言われていなかった私はここに連れてこられたというわけだった。


「芹奈ちゃん。あのさ…………」

 私の問いには答えを返さず、暫く無言でうつむいていたあさひだったが、唐突にそう言葉をおらした。

「な、なに?」

「この間の、ほら。七校生が騒ぎを起こしてるっていわれて駅前に言ったときさ、結局は最後まで話しできなかったけど、芹奈ちゃんのお兄さんが帰ってきてないって言ってたじゃん」

「…………それがどうしたの…………?」

 このときの私の表情は、一体どんなものだったのだろうか?

 いつも一緒にいた兄を思い出して泣いていたのだろうか?

 それとも、こんなことを平気で言ってくるあさひに対して怒りを覚えていたのだろうか?

 あるいはその両方、いや、そのどちらでもないのか?

 ただ、これだけなら言える。


 きっと、認めたくなかったのだ。


 私を置いて、どこかへ居なくなってしまった兄のこと。

 それを気にしているのに、その話を持ち出してきたあさひのこと。

 そして、そんなことでいちいち感情を乱している私自身のことを…………。

「わからないでしょっ!? 大切な……大切な家族を失った、悲しみなんてっ!!」

 だから、このあとに続いたあさひの言葉は、私にとっては意外なものであった。

「……わかるよ、その気持ち。私だって、大切な家族を一人、失くしているから」


はい、クロディス短編。

今回は初めての「みうのき」キャラオンリーとなりました。

といっても、一応は同一作品なんで、あまり変わらないんですけどね……。

で、このお話、タイトルにもあるとおり、続きます。

いや、ね?

ホントは単発のが一本になる予定だったんだよ?

でもね、活動報告を見て下さった方ならわかるとおり、アンケートで登場キャラ決めたらさ、こんなことになっちゃたんで…………。

実際は本編で書きたかったものなんだけど、結果が結果だからこっちで数週間引っ張ろうかと思いましてね?

では、また来週お会いしましょう。

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