アイドルのようになるために!前編 ~Your names?~
前回の夢の物語!
心が加入し5人になった音戦部!
今日はグループ名決めだ!
どんな名前にしようかな~?
「おはようございまーすっ、と……」
勇と黒皇が部室に入ると、3人が話していた。
「お二人共、おはようございます……♪」
「おはよう。」
「お、おはようございます……!」
「あれ、みんな何話してたんだっ?」
「俺達の事について軽くな。
……で、どうする?お前が言った通り5人集まった訳だが……今日から活動をするのか?」
「そうだなぁ……
あっ、じゃあ1回目は、『グループ名決め』!」
「ふむ……たしかに、グループとしてやって行くなら必要不可欠だ。」
「ああ、『夢野学園音戦部』というのもちょっとなっ。
だがなー……さすがに時間かかりそうなんだよ。」
「なら、今日はそれを考える時間にしないか?
んで明日発表!世間の目に止まるかもしれないんだし、1日使ってもいいだろ?」
「じゃあそれで!とりあえず今は時間いっぱいまで考えて、終わりっ!」
そして、それぞれ考えるも……
(やっぱ改めて考えると悩むなぁっ……)
(っと……名前名前……グループの名前……あー!わかんねぇー!)
(グループ名……何にしましょう……皆さんが恥ずかしいと思わないような名前を……)
(さて、どうしたものか……一人ならともかく、皆でやるとすると……)
(皆さんのことを知ったばかりですが……今は良いグループ名を考えなくては……)
一方に思いつかず……
──数学の授業時──
(はぁ……グループ名どうしょっかな……)
黒皇は窓の外を見ながら、グループ名について考えていた。
「 では、ここの問題を……闇野さん。
……闇野さん?」
考えに夢中で気づいておらず……
「闇野さん!」
「!は、はい!?」
驚きながら先生の方を向く。
「この問題を解いてください。」
「は、はい!分かりました!」
黒板の前まで行き、答えを書く。
「ここはこうして……っと!出来ました先生ッ!」
「正解です。さすがですね。
「へへっ、はい!」
返事をしたあと、黒皇は席に戻ろうとする。
「お前すげぇな、あれわかるのかっ?」
自席に戻る途中、勇に声をかけられる。
「へっ、皇帝様をなめんな!」
そう言いながら、自分の席に戻る。
(おっ、久しぶりに聞いた。これも11年ぶりだなぁ~……)
そう思った後、勇は再び授業に集中。
一方黒皇は……
(さてと……ああー!やっぱグループ名の事考えちまう! 集中できねぇ!何にすればいいんだぁぁー!)
授業に集中できず、そのまま時が過ぎ……
──放課後、夢野ビルの自室にて──
「ああ……だあっ…… 」
結局思いつかず、勇は悩みと疲労で疲れきってしまい、制服姿のままベッドに寝っ転がる。
「とりあえず今になるまで考えてみたけど……
思いつかねぇー!
こう考えてみると、やっぱ思いつかないもんだなぁ……俺たちからはもちろん、誰から見ても恥ずかしいとか、見たく無くなる名前は避けねぇといけないし……
うーん…… 」
少し考えた後、勇はある事をする。
それは……
「とりあえず、なんか適当にノートに書き込んでみるか……いいのができるかもしんないし……」
机の引き出しからノートを取り出す。
「えっと……
……そういえばこの鍵付きの引き出し……来た時から開けてねーよな?」
机の右側にある真ん中の引き出し。
勇がこのビルに来てからあるが、鍵もないためずっと放置されていた。
「けど今は……
……いや、やっぱ気になる!今やんないと後からやんない気がする!
……とは言ったものの、鍵はどこだ?手がかりも……
……ん? なんだこれ?付箋?何時もならないはず…… 」
机の横にあった不思議な付箋。
貼った覚えもないその付箋を剥がし、は書いてある文字を見る。
「なになに?『鍵は音と戦の書の中にある』…… なんだこれ?俺こんなの書いた覚えねーぞ?
俺の部屋には漫画とアニメ雑誌しかないし……
とりあえず倉庫にならあるかも……よし、行ってみるか!」
勇はエレベーターで地下一階の倉庫に向かった。
倉庫に入り、本がずらっと並んでいる棚を探し出す。
「えっと……あった、これだ!」
「音と戦の歴史」という名の本を取りだし、パラパラとページをめくる。すると……
「あった!しかし、俺の部屋のなのに、なんで本の中にあったんだ? まぁ、とりあえず開けるか~。」
他の本よりいっそう綺麗で、大切に扱われてそうな本の中に何故入ってたのか。
そうは思ったものの、今は考えても仕方ない。 勇は自室に戻り、鍵を開けることにした。
「よっ。おぉ、ピッタリ。
まぁ当たり前かもしんねーけど……」
机の引き出しの鍵垢に鍵を指し右に回すと、開いた音がした。
そのまま引き出しを開けてみる。
「ほっ、と……ん、なんだこれ?ただの紙1枚だけ?」
開けると、紙が蛇腹に折りたたまれた状態で入っていた。
「なんか書いてあんのかな?とりあえず……よっ!
!これは……『音戦人心得』? 」
音戦人心得と書かれた謎の紙。
そこにはこう書いてあった──
「音戦人心得!
其の一 みんなの笑顔と希望を守る事!
其の二 戦闘練習とライブ練習の両立はしっかりと!
其の三 悲しい時こそ歌え!踊れ!照らせ!
其の四 仲間と絆の旋律を奏でよ!
其の五 無理はせず、マイペースで!
其の六 勇気と諦めない心!それが勝利への道しるべになる!
其の七 夢を掴め!そして進み続けろ!
音戦人の役割……それは夢と希望、そして笑顔を! 戦闘、ライブを通して守り輝かせることなのである! 諦めず立ち向かえ!若き者達よ! どんな悪にも屈せず、夢と希望を力に変えるのだ!」
「すげぇ…… にしても音戦人か……うちの部活の名前と同じだ!
しかもこの内容、部活の内容とも同じ!
もしかして俺たちって……アイドルじゃなくて、ここに書いてある『音戦人』になろうとしてんじゃねーのか?! もしそうなら……いや、今更諦められるか! やるって夢みたんだ!絶対にこの夢は叶える!
……『夢』……みんなで叶えるって決めた、『目標』…… 」
勇は「夢」という言葉について深く考え始める。
「……!そうだ!単純だけど……」
ノートに思いついたグループ名を書く。
「よし!こんな感じでどうだ!?早速みんなに……!
……いや、明日だ!明日って決めたんだから明日に! 」
1人希望に満ち溢れた表情をしながらそう言ってると……
「勇様。」
美華が扉をノックする。
「!な、何っ?!」
足音に気づかずびっくりしながら言う。
「お夕飯の用意ができましたが……なにかしてらっしゃたのですか?」
「う、ううん!なんでもないっ!」
「そうですか?では……行きましょう。」
「ん!あ、先に行ってて!すぐに行くからっ!」
「……勇様、やはり何かかやることが……?」
「と、とにかく!先に……!行ってて!
すぐ行くから!」
「は、勇様……?!」
扉を開けようとするも、強引に閉められ、反動で下がってしまう。
「……わかりました。そこまでおっしゃるのでしたら、先に行って待っていますね。」
美華5階へ行った。
だんだん足音が遠くなると、勇は再び机に向かう。
「ふ~、とりあえずこれでOK……!早く明日にならないかな~♪
とりあえず、まずはやるべき事をしないと!」
勇はエレベーターで5階に向かい夕食を食べる。
機嫌良さげに食べる勇を見て、美華はこう思った。
(勇様……やはり何かあったのですね。
)
時間が経ち翌日。
勇は朝登校すると、鼻歌交じりで部室に向かった。
「おはざまーす!
……ってあれ?みんなー?」
部室に入るも、誰も居ず1人。
時刻はただいま7時半。
「おかしいなぁ。はともかく、達なら既に居そうな……
そうだ、暇だし軽く探索!なんかあるかも!」
はそう言い、周りを探索するも……
「まー普通は最初来た時見つけてるよなぁ……」
結局見つからず、その場に座り込む。
「そうだ、外!外なら全然探してないしなんかある!はず!」
そう言うと廊下に出て、当たりを探し出す。
「えっと……ん?この扉は……」
突き当たりで何も無いはずが、右側に扉を見つける。
試しに開けてみようとドアノブに触れると……
(あれ、閉め忘れかな……開けられる。)
そう思った後、ドアノブを掴みながら扉を開くと……
「階段……?なんでこんな所に……
この先はどうなってんだ……?」
階段を見つけ登ってみる。
登った先にあったのは……
「扉?
!この先って、もしかして!」
扉を開けたその先にあったのは……
「屋上だ……!けど入って良かったのか……?
大半の学校は入っちゃだめだったはず……だとしたらなんで開いてるんだ……?!
まあ深く考えてもしかたねぇか。ちょっと歩いてみよーっと……」
屋上を隅まで歩く。5つの棟と体育館。それぞれが繋がっているため、数人程度ならサッカーができそうだ。その上……
「あっ、体育館の屋上……上がれるっぽいな。」
2階部分の外側の壁。両側に階段があり登れるようになっている。
「けど時間あるかな〜……そろそろ来てもおかしくないし……
……あっ、そうだ!」
目を閉じ、両方の手のひらにエネルギーを集中させる。
「こうして……そりゃっ!」
手のひらを両耳につけ、心の中でこう唱える。
(4人の声は、部室に近づけば近づくほど他の音よりよく聞こえるようになる。)
能力を発動。エネルギーが耳に注ぎ込まれた。
「っと……これでオッケー!
終わったしさっそく!」
階段を登ると、そこには……
「ん、何も無い感じかー……
あれ、けどなんか……」
登ると何も無い……と思いきや、まるでそこになにか置かれていたかのように、所々色褪ている。
「ここでなにかしていたのかな?まぁ何も無いし、戻るか。」
階段を降り、部室に戻ろうとすると──
「おはようございまーす!」
「おはようございます♪」
「お、おはようございます……!」
「おはようございます。
勇はまだいないのか……」
「ビルにはいなかったな……
美華さんが既にもう……ってさ。」
「そうか……」
「一瞬さん、もしかして眠いのですか?
「ああ……グループの名の件で考え込んでしまってな……夜更かしをしてしまった。
……どうやら俺だけではなく、その目の下のクマを見る限り皆夜更かしをしたようだな……」
「ああ……全然思いつかなくて……寝みぃ……」
「はい……完全に寝不足です……」
「すいません……私も思いつかなくて……」
「!黒皇達の声だ!
早く戻る……と、ばれるからこっそり……」
速く、かつ静かに戻る。
部室前に着き、隠れながら能力を解除。
そして……
「おはよう!」
「おっ、勇……
どこに行ってたんだ?電話にも出ないで。」
「ちょっとな。にしても、今日はなんでみんな遅かったんだ?」
「偶然にもグループ名の事でな……
お互い夜更かしをして遅くなった訳だ。」
「悪い!結局思いつかなかった!勇、お前はどうだ……?」
「考えてきた!けど、まずは……よっ!」
リュックの中から心得を出した後、こっそり倉庫から持ってきた机の上に広げる。
「!これは……!」
「これ見つけた時、俺たちアイドルみたいになるんじゃなくて、『音戦人』っていうやつになるんじゃないかってさ。活動内容と似てるし、部活名だって!
そして部活名の事なんだけど……ここに書いてある、『夢』っていう言葉から……」
一通り説明した後、ノートを取り出しグループ名を書いたページを開く。
「その名も、『Dreams』!一人ひとりの夢、そして全員の夢……全部叶えて突き進む!
自分たちの夢を叶えるだけじゃない。与えるんだ!
なぁ、どうだ?!」
「……ふむ。良いと思うぞ。理由も含め、俺はこのグループ名で活動したいと思う。」
「俺も!しかもDreamsなんて、覚えやすくて親しみやすさがでるんじゃねーかと思うしな。」
「お二人……いえ、お三方の意見に賛成です。素敵で……とってもいい名前だと思います!」
「……。」
「?笑証さん?」
心は俯きながら言いだす。
「Dreamsという名前には賛成です。しかし、音戦人としてやっていけるのか配になってしまって……
アイドルだけなら私でもできるかもしれません。ですが、両方ともやらなければいけないとなると……」
そうが言った後、勇はこう言った。
「……大丈夫。俺達は笑証さんを迷惑だなんて一切思わない。俺達は同じ道で活動する部員であり、仲間だろ?
誰かを仲間外れにせず、時には支え、そしてまたある時はぶつかる……けど、絶対に仲直りして共に先に進む……
それが、『仲間』ってもんだろ?」
そう言うと、心は花達の方を向き話し出す。
「夢野さん……」
「もし言葉だけじゃ信じられないのなら、俺達の目を見てほしい。
ネットで見たことある。人って、目を見ればその人が、どう思ってるかわかるんだってさ。」
そう言われ、心は勇達の目をじっと見る。
「……!
(とてもきれいで……美しい瞳……「純粋」……という感じで……嘘ではないのがとってもわかる……!)
「どうだ?これでわかっただろ?」
「はい……!疑ってすみません!私……頑張ります!皆さんと一緒に、音戦人として……そして、同じ道を進む仲間として!」
礼をし、強気な笑顔を浮かべながら言う。
「ああ!
……よしっ、じゃあ俺達は!夢野学園音戦部及びDreamsとして……!」
そう言った後、勇は手を前に出す。
「ああ!音戦人として!」
「私達の夢を叶えながら!」
「同じ道を進む仲間として!」
「皆さんに夢を届けましょう!」
黒皇、花、一瞬、心の順で手を重ねる。
「これから頑張るぞー!」
全員腕を下げ……
「おーっ!!!!!」
一気に上げる。全員の気持ちが高まった瞬間である。
──2時間目の授業中──
「なぁ、勇。」
斜め後ろ席の勇に静かな声で話しかける。
「ん? 」
「グループ名決まったが…今日から修行とかすんのか?」
「いや、今日はみんな疲れてるだろ?今日はもう終わりにして、明日活動……ってのは出来なさそうだ。」
「へ?だって、もう色々と……」
「ほら、部活全体の目標。あれが決まってないから、それしてからな。」
「たしかに、それも決めなくちゃな……」
「土曜だし予定あるかもしれねぇけど……それが終わったら修行やレッスンを始める!だから来てくれないか?」
「もちろん!休みだろうが誰かを守るためには休まず修行・レッスンしなくちゃな!」
(ふふっ、2人共楽しそうです…♪私も頑張らないと!)
花はそう思いながら、授業に集中する。
──目標を決めるつもりが、まさかのカラオケ大会に?
数々のジャンルを歌う黒皇達だったが、突如大きなライブ会場へ瞬間移動。何故黒皇達はライブ会場に移動したのか?勇はどこに行ったのか?──
次回!
「アイドルのようになるために!後編 〜俺達のライブと目指す夢〜」