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夢の物語  作者: 日花梨遊
始まる物語(ストーリー)編
15/15

点火 怒りの炎

「うぉぉぉーーーっ!!」

「ハァァァァーーーッ!!!」


お互い急接近し、ぶつかり合う。


「フン!!経験が違いすぎるんだよ!!」

「なにっ……!?ぐっ……くそっ!!」


一撃を入れられた勇は、反動を利用し距離を置く。


「なぁ、今更聞くのはあれだけどよ……お前の目的ってなんだ?」

「お前頭おかしいのか……?この状況で何を言う……」


唐突な質問。冷静に聞く勇に対し、少し呆れながら返す。


「正直ごもっともだ……これをもし誰かが見てるなら、さっさと戦えって言うと思う……

だがどうしても気になったんだ……教えてくれよ。」

「フン、良かろう……俺にとっては単なる時間稼ぎにしかならんからな……」


──目的はただ一つ……この星を俺の栄養分にし生きる……それだけだ。

俺は場所や生命のエネルギーを吸収し生きている。

今から何年も前、暑苦しくも栄養がある場所を滅ぼした事があってな……それから永く睡眠を取り、目覚めた瞬間腹が減ったため、一気に満腹になるほどの巨大な生命力を持ったを場所を、感覚を頼りに探していたところ、この星を見つけた……

この地球という場所はそこらの惑星よりも特に栄養がある……

醜くも生きる人間と、それらに守られ、時には喰われ飼われの動物、美しい水と自然……

これほど質が高く吸収しがいのある星など存在しないだろう……

同時にお前らを倒し吸収すれば、俺はさらに強くなれる!!


「その為にこの星に来た!

そしたらお前らに戦わされ、この有様……

素直に捧げれば良かったものを……!!

どんなに抗おうがこの力と経験に敵わないのだからな!!」

「……ふざけんな。」


高速移動し、無言でオーラを込め殴る。


「ぐっ……!?」

(なんだ、この力は……一瞬で力が……!?)


フルパワーになってからは、滅多な攻撃では微動にしなかったガーテス。

ただオーラを込めた訳ではなく、「元」から培ってきた

力を怒りと共に最大限込め喰らわせたのだ。

ナメた様な言い方に仲間達のやられ。

二つの出来事が勇の怒りを更に増幅させた。


「ふざけんな!!経験っつーのは自分で学ぶもんだ!! 他人から奪っといて何が『経験』だ!!

自分で得てもないくせに舐め腐ったこと言うんじゃねーよ!!」

「『舐め腐った』だと……?身の程を知れ。

現に差はついてるだろう。奪おうが何をしようが勝てばいい。それだけの事だ!!」

「へっ、そっくりそのまま返してやる……

身の程を知りやがれ!!ガーテス!!お前をぶっ倒し、俺たちは先に進む!!」

「なら……その自信を溶かしきるだけだ!!」

「行くぜ!!ハァァァァァーーーッ!!」

「ウオォォォォォォォッ!!!」


お互いぶつかりながら、連続で攻撃を繰り出す。


「リャリャリャリャリャーーーッ!!」

「フン……ッ!!Dreams、貴様らはそういうらしいな?」

「それがなんだ!!」

「叶わんよ!!お前らがどう騒ごうが足掻こうが、夢はここで潰える!!自分達の運命を呪うんだな!!」


炎魔撃を喰らわそうと、拳を振るう。

ガードする隙もなく、もろに喰らってしまう。


(勝ったッ!!確実に入った!!もう戦うことも出来ない……!!)


胸辺りに深く入ったのを感じ、勝利を確信したガーテス。

しかし……


「ゴフッ……この……程度か……」

「なっ……?!」

(馬鹿な!!今ので胸骨は砕けたはず!!何故血を吐いただけで済む!?喋ることすらままならないはずッ!!)

「ッ……!!ウォォォォォォーーーッ!!!」


倒れずただ立ったままの勇。

理解が追いつかず、そのまま殴り続ける。


「いい……加減……に……しやがれ……!!

俺たち1人でも……夢を諦めなければ、絶対に潰えない……!!もうダメだってならない限り……道は広がり続けるんだよ……!!」

「いい加減に、か……」

「そうだよ、いい加減……にっ?!」


隙を突くかのように、炎がまるで硬い岩石かの如く勇に襲いかかる。


(な、なに⋯⋯ッ⋯⋯地面の炎が、急に⋯⋯ッ)


そのまま当てられ続け、地面に激突すると同時に爆散。


「ううっ……!!」

「ハッハッハッ!!いい加減にするべきなのはお前だったようだな!!」


手を真上に伸ばしながら、黒皇・心を倒した時より大きな玉を生成していく。

その表情はまるで、確信から来る安堵と、激しい怒りが混ざった様である。


「──!!まずい!!姉さん!!オーラを!!」

「はい!はっ!!」

「よしっ!!うぉぉぉぉーっ!!」


その様子を見た赤い霊は、黄色い霊にオーラを付与してもらう。

2色のオーラを纏ながら、徐々に地上へと向かっていく。


「勇!!」


奏の部屋にあるモニターから様子を見ていた侑希。

状況がそっくりそのまま映っていた。


「このままじゃまずい……!!行ってくる!!」

「待ってください!何か……もう1つ、別のオーラが近づいて来ます!」

「だったら尚更……!!」

「それが……敵とは思えないような感じがします。

戦いの経験から……という訳ではありませんが……貴方なら分かるはずです。」

「……。」


静かに目を閉じ、そのオーラを感じ取る。


(この感覚……なんだ……?昔会ったことのある……この感じ……)


「……まさか!!」


「ある人物」の事を思い出し、一目散に外へ出る。


「間違いない……あいつだ!!」


空から降りてくる2つのオーラを纏った者に、侑希は確信をしながら見つめていた。


「──くたばれーッ!!」

「っ……!!」

(父さん……母さん……みんな……ごめん……!!)


玉が勇向けて放たれる。

力も出ず何も抵抗できない勇は死を覚悟するが……


「ッ……!!諦めんじゃねぇーッ!!

間に合えーッ!!」


玉が当たった瞬間、謎の赤い光が勇を包み込んだ!


(……あれ、ここは……)


見たこともない不思議な空間。あやふやな意識の中、勇は……


(そっか……俺死んだんだ……もっと……生きた……)

「いや、死んでねぇぜ?」

「……へっ?」


勇が目を覚ますと、謎の赤き人物が目の前に立っていた。


「うわぁっ!?だ、誰だ貴方!?」

「俺か?俺はゴウ。よろしくな!」

「よ、よろしく。俺は夢野勇……って、自己紹介してる場合じゃねぇって!俺死んだはずじゃ……!?」

「だから、死んでねーって!今、俺とお前は特殊なフィールドの中にいる。」

「特殊なフィールド?」

「ああ。だからこうして生きてる。当たる直前、ギリギリ間に合ったおかげでな。」

「そういう事か……じゃあ、みんなは!?」

「安心しろ。今このフィールドの1分は、外の1時間に相当する!すなわち……」

「めちゃくちゃ遅くなってる、っつーわけだな?」

「その通り!だからと言って話してる時間はねぇ。いきなりで悪いが、俺と"契約"してくれ!」

「け、けいやく??」

「あいつには恨みがあるんだ。故郷のみんなのため⋯⋯ここでぶっ倒したいんだ!」

「⋯⋯!」

(こいつ⋯⋯なんか似てる気がする。わかんないけど、そうやって心が言ってる!とにかく今は⋯⋯!)

「わかった。俺もみんなとこの地球(ばしょ)を守るため、ともに戦おうぜ!来い!ゴウ!」


咄嗟に手を伸ばす。が⋯⋯


「あー⋯⋯実は俺、上手い契約の仕方わかんないんだよな〜⋯⋯

ちょーっとそのまま止まっててくれないか?」

「こ、こうか?」

「おう!」


ゴウはそのまま離れていき、30mほど離れた位置で止まる。


「よし、ここら辺なら⋯⋯!すうっ⋯⋯!!

行くぜェェェェェェッ!!」


思い切り息を吸い、叫びながら勇に急接近していく。


「ちょ!?なんっ⋯⋯!?」


急なことに驚きながら咄嗟に身を守る。

ぶつかると思いきや、ゴウが勇の中に入っていく。


「!?なんだ、これ⋯⋯!暑くて、それに力が湧き上がってくる⋯⋯!」

〈そうだぜ勇!これが俺たちにとって共に戦う事!すなわち……『憑依』ってワケさ!〉

「そうゆう事か!なら……改めて行くぜ!ゴウ!

ガーテスを……ぶっ倒す!!」

〈ああ!!〉

「〈ハァァァーーーッ!!!〉」


一気に解放。オーラが広がっていきフィールドを突き破る!


「──フッ……ハッハッハッ!!遂にやったぞ!!では……ここを吸収……ん?微かだがオーラを南の方角に感じる……まぁいい。そいつらは後回しだ。

一粒残らず完全に吸いきってくれる!!俺が最強だーッ!!」


玉は爆散し、煙が広がっていく。


「見るも無惨な姿となっているだろうが……姿を確認し、完全なる安心としよう……」


煙を払うと、そこに勇の姿はなかった。


「何ッ!?あいつは!あいつは何処だッ!!

まさか……姿も残らないほど塵となったというのか?

とすれば……焦る必要はないようだな。」


その時!


「!なんだ!?先ほどの奴とは違うこのオーラは!!

……ハッ!?」


咄嗟に上を見ると、そこには……


「よっ、ほっ……タァッ!」

「ぐっ……!?」


赤と白のオーラを纏った勇が、

ガーテス目掛け、炎を纏ったオーラボールを、

軽くリフティングしながら蹴り当てる。

突然の出来事にガーテスは後退。


「 な、なんだこれは……!!貴様は誰だッ!?まさか、俺と同じく隠し持ってたというのかッ!!」

「〈……へっ、久しぶりだなぁ。ガーテスさんよ。〉」

「質問に応えろーッ!!お前は今何をしたんだッ!!意味のわからない事を喋るなァーッ!!」

「〈何もおかしい事は言ってねぇぜ?俺は。まぁ、何をしたかを答えるなら……この声、聞いたことあるだろ?〉」

「声、だと?

……貴様、もしやあの時の小僧か?」


それは10年前に起こった出来事。


「ぐ……っ!!」

「師匠!!」

「逃げろゴウ!!もう……抗うので精一杯だ……!!」

「哀れだな。さっさと潔く引き渡せば良かったものを……

しかし、我ながらやりすぎたな。栄養にする価値もない。」


ガーテスの言っていた「ある場所」。それはゴウの故郷のことだった。

ゴウの師匠こと、「ユージ」は仲間と共に立ち向かったが、圧倒的な力の前に敗北。

同時に故郷は壊滅寸前。なんとかゴウは外に逃れたものの、1人残らずと言わんばかりにガーテスが立ちはだかる。

ユージが救助に現れたものの、状況は変わらず危機のままに。


「だが、腹がいっぱいになる程度には吸収しておこう……不満足だがな。」


地面へと手を伸ばしエネルギーを吸収。燃え尽き崩れかけていた草木は瞬時に塵と化し、地面がひび割れると同時に建物は崩壊していく。


「この程度でいいだろう。」


そのまま飛び立とうとするが……


「ま、待て……!!俺がいる……戦え俺と……!!」


ゴウが戦いを申し込む。


「……邪魔をするな小僧。お前がどんな奴でも俺に勝ち目はないぞ?それに……」

「な、なんだ……!!」

「体が震えているぞ?」

「ち、違う!!これは……!!」

「武者震い、とでも言いたいのか?

お前は今、恐怖している。無理もないだろう。

師匠が大苦戦する相手なのだがらな!」

「う、ううっ……!」


足は震え、汗はダラダラと流れていたが、

強気な表情、態度をとっていたゴウ。

しかし否定できない指摘をされ、弱気に変わってしまった。


「やめろ、寿命が早まるだけだぞ。」

「お、俺は……ユージの弟子ゴウだ!これぐらいで……!」

「……そうか。」


その瞬間、ゴウ目掛け炎の球を放つ。


「!!ゴウーーッ!!」

「うっ……!!」


突然の攻撃に、すかさず身を守るが……


(な、何ともない……?!)


不思議に思いながら、そのまま静かに目を開ける。


「なっ……!?」


何ともなくは無かった。ダメージを受けたと思ったその瞬間、ユージがゴウを庇ったのだ。


「師匠ッ!!」


体を支えるも、所々血だらけで重くなっていた。


「……何故……逃げなかった……この……バカ弟子め……が……ッ」

「師匠ッ!!師匠オォォーッ!!」

「フン。」

「う……ウォォァァァァーーーッ!!!」


怒りのまま向かって行くものの、焦りと悲しみが混ざったその拳は正しく無力だった。


「邪魔だ。」

「うわぁぁーッ!!」


たった一撃で壁に叩きつけられ、血が体の外へ流れていく。


「ぐ……ううっ……」

「もう用はない。このまま行くとしよう。」

「ガー……テ……スッ……」


地面が割かれ、焦げ臭い煙が舞う。

故郷の姿がだんだん見えなくなっていく。

飛び立って行くガーテスを見ながら、意識を失いゴウも息絶えた。

そして……


「……!はぁっ、はぁっ……!

ここは……トレーニングルーム?」


目を覚まし立ち上がると、そこはリングの上だった。


「ゴウ!」

「!その声……!」


何度も聞いたその声に振り返ると……


「師匠!」

「ゴウーッ!!」

「!うっ……!」


名前を呼びながらリングに乗り、そのままゴウを殴りつけた。


「な、なにを……!!」

「バカ野郎!!なぜ恐怖を言い訳にした!!」

「う、ううっ……!!」

「邪龍軍と戦ってきたのだろう!!なのにこのザマか!!」


ゴウ、彼も侑希と共に邪龍軍と戦う戦士だったのである。


「し、師匠……!!」

「俺はあの時逃げろと言った理由がわかるか?」

「理由……」

「逃げる事は決して悪いことではない。時には仲間を見捨て、戦略を考えるのも一つの手だ。」

「……ッ」


ただ黙るしかなかった。怒りがあったとはいえ、

まるでベルトを持ったボクサーにただの一般人が挑むのと同じだった。

どんなハンデがあっても勝てなかった。

それを改めて感じ取ったのだから。


「いいかゴウ。お前は俺が認めたボクサーだ。

どんな奴にも負けん拳を身につけた。そうだろ?」


ゴウはただ頷く。


「『猿も木から落ちる』……どんな奴も不備がある。あんな状況だ、冷静になれないのもわかる。

だが悔しくないのか?」

「……悔しい」

「聞こえねぇな。もう1回言ってみろ。」

「悔しい……悔しい悔しい悔しい……ッ!!」


弱々しかった言い方が、徐々に強く激しくなっていく。


「そうだ!!そのまま怒りを燃やせ!!」

「悔しいッ!!悔しいぜ師匠ッ!!俺は皆を守れなかったッ!!

夢を捨ててまで邪龍軍と戦うって誓った!!なのに⋯⋯ッ!!」

「だったら!!

⋯⋯俺がまた稽古つけてやる。今まで以上に厳しくなるが⋯⋯覚悟はできてるな?」

「ああもちろんだぜ師匠ッ!!あいつを倒せるならなんでもやってやるッ!!」

「その意気だゴウ!!よぉーしッ!!一から叩き込んでやる!!期間は10年!!親が子に教えるように、頭の先から足の先までなァーッ!!」


そこから長く、果てしない修業の日々が始まった。


「1、2!!打つ手を休めるな!!痛くなろうが打ち続けろ!!マシンガンのようにな!!真正面だけじゃないぞ!!上下、横からも打つんだ!!」

「どうした、もうバテたのか!?

お前は重機機関車だ!!地平線を超えるまで走り続けろ!!」

「もっと上がるだろう!!上げて上げて上げてまくれ!!上体も、バーベルも何もかもな!!」

「そんなもんじゃ足りないな!!二重跳びどころか十重を超えていけ!!」


ただ激しく、数々の王者が行うもの以上のトレーニングをルーティーンの如くやり続けた。

過酷なのは確かだった。だが、それと同時に打倒への道を1歩ずつ歩き続けているのも確かな事実。

それを感じたのは、修行を初めて10年が経とうとした時の事だった──

そして……


「ぐはァッ!!」

「師匠!!」


ゴウは長きに渡る修行の末、最初はユージに手が出ない程に弱体化していたが、今では対等以上に渡り合える程感覚を取り戻し強くなれた。


「よ……よくやった……感じるぞ……お前はあの時以 上……いや、倍以上に強くなった……これならガーテスを倒せるだろう……」

「し……師匠……ッ……!!」

「もう……教えることは何も無い……突き進め……その……まま……ゴ……ウ……」

「!師匠ッ……!?

……!!ユージ師匠ォーーーッ!!」


瞼が閉じたその瞬間、

光の粒が空へと消えていった。

熱き思いを胸に刻みながら、1人の戦士はただ現れるのを待っていた。

そして今!ようやく復習の時がやってきたのだッ!


「本当に待ちわびたぜ……お前がここに来るのをな!!」

「馬鹿な……!!お前はたしかにあの時……!!

グッ……!?」


ガーデスの腹に、1つ重い一撃を与える。


「悪ぃけどそのリアクションは聞き飽きたんだ。

こちとら仲間全員殺された上に10年修行して更に5~6年待ったんだ。さっさと仇とらせろ。」


「ガキが……!!この俺を舐めるなァァァ!!」


怒りでオーラを増幅させつつ突っ込んでいく。


「ハァァァァッ!!」

「へっ……」


攻撃を当て続けるが、身軽に避され続け当てることができない。

そのまま余裕そうな表情で後ろに下がっていく。


(何故だ……!!何故当たらない!!

ただのガキ相手にこの俺が……!!だが!!)

「喰らえェェェッ!!フルパワーの炎魔撃をッ!!防げるものなら防いでみろ!!そいつの体は粉々になるぞ!!」

(これなら防ぎようがない!!俺の勝ちだァーッ!!)


腕を引き、さらに濃いオーラを纏いながら

拳を当てようとする……が。


「なッ……!?」


ゴウはいとも容易くその拳を受け止めた。


「ぐっ……このっ!!」


片方の拳も当てようとするも、それも受け止められてしまう。


〈お前はこう思ってるだろ……『馬鹿な……何故こんなガキに勝てない!?』って……

俺もこいつも……仲間の人間全て失ってる身なんでな……お前のオーラよりも、大きい程の思い背よってんだよ!!『これ以上仲間を殺らせるか』ってな!!〉


そう言いながら膝にオーラを込め、腹に炎を纏った膝蹴りを放つ。


「ごはァッ……!!」

「ハァァッ……!!どストレートに!!ぶっ飛ばァァすッー!!」


一瞬、衝撃で中に浮いた隙をつき、そこから右拳にオーラを込め頬を殴り、飛ばす。


「グァァァッ!!ぐうッ……!!」


体を起こそうとするが、ダメージが全身に響きうまく起き上がれない。


(この……ダメージは……ッ!!ヤツらと比べ物に……!!)

「〈違うな。〉」


考えを否定するように、ゴウが冷静かつ食い気味に反論する。


「俺達がここまで行けたのは⋯⋯

黒皇と、花と、一瞬と、心と、父さん達と!

〈ユージ師匠達と共に!〉

「〈お前を倒そうとやってきたからだッ!

その蓄積が、今のお前を作ってる!それだけだぜッ!!〉」

「こッ⋯⋯この程度でェェッ⋯⋯!!ぐ⋯⋯ぐぉぉぉあぁぁぁぁッ⋯⋯!!」


必死に力を込め、立ち上がろうとする。

だが、足が震え上手く立つことができない。


「ハァッ⋯⋯!!ハァッ⋯⋯!!」


震える足を支えながらも、なんとか立つことに成功。


「クッ⋯⋯!!」

「〈立つのも辛いか?〉」

「ッ!!煽るんじゃ⋯⋯!!」

「〈ま、ダメージが全身に響いてるんだもんな。無理もねーよ。……けど、今倒れてくれたら困る。まだ俺達の怒りは収まってねーぞ。フルにぶちかませろ。〉」


その瞬間、ゴウはオーラから剣を作り出した!


〈行くぜ……バーニング・ブレード!!〉


両手で持ちながら急接近。

慣れた手つきで振り回し、攻撃していく。


「グッ!!ウッ……!!ゴハァ……ッ!!」

「〈ここから……更に!!切り上げる!!〉」

「グウゥッ……!!」

〈今だ!!トウッ!!〉


切り上げた先と同じ位置に移動し、腕を引きながら刃にオーラを溜める。


〈喰らえ!!『マキシマム・ビート』ッ!!〉


腕を伸ばし、波状の熱光線を放つ。ガーテスはガードもできずもろに食らい、落下していく。

それをゴウは追いかける。


「ナッ……!?」

「……行くぜ。オラッ!!オラァッ!!」


落下寸前、無防備になったガーテスの目の前に現れ、オーラを纏った両拳で右・左の順に殴る。


「ハァァァァッー!!オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!」


そこから更にオーラを込め、連続で殴りつける。


「グァァァァァァァァァァァ……ッ!!」

「『オーバー・バースト・ラッシュ』ゥゥゥゥゥーーーッッ!!!!オリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャリャァァァァァァァァァァーーーッッ!!!!!」


オーバー・バースト・ラッシュ。それは10年間の修業にて編み出した、

ラッシュを繰り出しながらオーラで擬似的に腕を増やし続けると同時に、威力が増すことで更に強烈なラッシュを放つ、ゴウの大技である!


「ほっ、と……!!うぉぉぉぉぉぉッ!!『ゴウ・バーニングタイフーン』!!飛んでけーッ!!」


隙を与えまいと、ラッシュが終わると同時に足を掴み、回しながら炎の竜巻を作りつつ、それに乗せ斜め上にふっ飛ばす。


「ぎぁあァァァァァァァァァァーーーッ……!!!!」


「……これで終わらせる。」

(みんな……)


犠牲になった仲間たちの事を思いながら、

右手に暖かくも熱いオーラを込める。


「……ッ!!喰らいやがれッ!!心火(しんか)、『ソウルバースト・キャノン』!!」


熱光線を放ち、最大限浴びさせる。


「ぐァァァァ……!!」

(馬鹿なッ……!!この俺がッ……!!こんな奴らにッ!!)

「ガァァァァァァァッ!!おのれェェェェェェ!!ドリームズーーーッ!!」


そのまま爆散。

勇達Dreamsの初戦ながらも、この熱く激しい戦いは、仲間の犠牲の末勝利を収め、同時に敵討ちを成功させる事となった───

「〈クゥッ……ハァッ……ハァッ……〉」

〈……よしっ……!!俺たちの勝ちだッ!!〉

「ああ……そうだ……なッ……」


勇が倒れると同時に分離。


〈お、おい……!!〉

(気絶か……無理もねーよな……)

〈しかし……どうすればいいんだ……兄さん達を呼んで……いや、指示はできても、霊にはどうすることは……〉


悩んでいたその時。


「おーーーい!」

〈ん?あっ……!〉


学園から侑希が飛んできた。


「よっと……大丈夫か?」

〈あ、あんた……空を飛んで……?〉

「なんだよ、俺が飛んでちゃおかしいか?」

〈い、いや……でもどうやったんだ!?〉

「今はそんな事言ってる場合か?早く終わらせないとやばいだろ。ほら、やるぞゴウ。」

〈……へ?〉

(こ、こいつ……なんで俺の名前知ってんだ!?)

「よっ……っと、まずはこいつらを……

ん?おい!なにボーっとしてんだ!

……もしや、俺の事忘れちまったのか?」

〈な、何言ってんだ!俺とお前はしょ……〉


初対面と言おうとしたその時、謎の既視感がゴウの記憶を叩く。


(あれ……なんだ……見覚えがあって……

……そうだ!)


ゴウはオーラを視認した。


(!このオーラは……!まさか!)

〈お前……侑希か?〉


その回答に、侑希は間を置いたあと頷きながらこう答えた。


「……ああ。久しぶりだな。ゴウ。」


次回の夢の物語!

ガーテスを苦戦の末倒したDreams.

目が覚めるとそこはリビングだった。

そこにはゴウと謎の3人。どうやらゴウ同じ憑依霊らしい。だが言われただけでは分からない!憑依霊とは何者なのか?その答えが明らかになる!


次回!

「ヒ。~憑依霊という存在について~」



──Dキャラ紹介!──

さて、今回のDキャラは~?こちら!


・ゴウ

赤いオーラを纏った謎の戦士。

炎系の技を使い、肉弾戦が得意。

生前は侑希と共に戦う戦士だったが、ガーテスの前に敗北。それからは復讐のため、死んだ師匠と共に修行をし、現れるのを待っていた。

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