どうも『人類幸福ランキング一位』の者です。
夏休みに入り、待ちに待った旅行当日
朝起きたら姉が隣で寝ていたハプニングはあったが、なんとか遅刻せずに駅に集合することが出来た
移動手段は人数が増えたことで夜行バスから新幹線にグレードアップしていた。
「おはよーございまーす。なんか麗奈先輩が私服だとウケるっすね」
「なんでよ!?別に普通だと思うのだけど」
確かに普通の恰好なのだが、普段制服姿しか見てないので違和感がある
結衣以外のみんなの私服姿を見るのも初めてなんだが麗奈先輩だけなんかウケる。
「えーとナツキンはなんだったっけカナー?】
新幹線に乗り込み、一息ついた所で結衣が『お土産リスト』のチェックを始めた
友達にグッズ購入を頼まれたらしい。友達が多いのも大変でやんすね
「お姉さんの分も忘れないようにね」
「分かってるよー」
結衣のお姉さんは来ていない
テニス部の彼女の専属マネージャーになったらしくボランティア部の旅行とテニス部の合宿がバッティングしてしまった為来れなかったようだ
専属マネージャーってなんか卑猥な響きだな…てか彼女を合宿に連れてくのもどうかと思うけど
テニス部といえば、ポニーテールのアイツを思い出す。以前ライバルだった時久のことだ
彼女も合宿で励んでいるんだろう。旅行ですこぶる機嫌が良い私は「頑張って」というメッセージと共に自撮りを送ってやった。
麗奈先輩曰く『怖いくらいの美貌』の私の自撮りだぞ。泣いて喜べ
~♪
到着間際に時久から返信があった
開いてみると「ありがとう」というメッセージと共に彼女の自撮りが添えられていた
自撮りって普通は顔に角度付けて撮るもんなんだけど、送られてきた自撮りは証明写真のように真正面からだった。一応口角は上げているが慣れていないのは明白だ
そんなところが可愛いと思う
「起きて着いたよ」
楽しみであまり寝れなかったのか途中で寝入ってしまっていた結衣を起こす
新幹線から降りると都会の日差しが私達を歓迎してくれた。本日は快晴。今の遠山奈妓は人類幸福ランキング一位だ。
―――遠山奈妓と藤詩織がキスするまであと【1日】―――




