【遠山奈癒視点】二人だけの生徒会計画
「…首尾は?」
「ボランティア部に出入りしている生徒に聞き込みを行っていますが、証拠を掴めていません。なにかあるのは間違いないと思うのですが…」
生徒会室で副会長の報告を受けた私は心の中で舌打ちした
真面目だから副会長にしてあげたけど、どうも杓子定規なところがある
「聞き方が悪いのでは?」
「誠意を尽くして聞いていますが」
そうじゃない、むしろ反対だ
この無能に聞き方ってやつを教えてやる
「これを使いなさい」
「か、会長!?」
副会長が驚くのも無理はない、私が彼女に放り投げたのはタバコの箱だったからだ
「某国では強盗より警察官が恐れられているの。何故だかわかる?」
「拳銃を持っているからですか?」
「違う、麻薬を市民のポケットに潜ませて、賄賂を渡さないと捕まえると脅すからよ」
「はぁ…」
え?ここまで言って分からないの?無能過ぎない?
「…生徒の荷物にタバコを潜ませて脅しなさい」
「…仰せのままに」
ようやく意味が通じた副会長がおさげを翻して生徒会室から出ていく
これが終わったらコイツをクビにして奈妓ちゃんを副会長にしよう。いや、役員全員クビにして二人だけの愛の巣にした方が良いな
「ぐふふふふっ」
待っててね奈妓ちゃん
貴女の居場所はそこじゃない、私が貴女の居場所を作るわ




