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私の理性とハンバーグ

翌日の学校、思った通り今日は晴れだ

昼休み、いつものように小鳥遊がお弁当箱を手に近寄ってくる

昨日、麗奈先輩に絞め落とされたダメージはないようだ


「ナギっちー今日は屋上で食べない?」


「食べない」


晴れっていっても昨日は雨だったから水たまりがあるかもしれないし、屋上ってアニメだとご飯を食べる定番スポットみたいになってるけど実際は埃が多くて汚いと思う


「えー!?ナギっちと屋上でご飯食べたいよーお願い♡」


そう上目遣いでお願いしながら小鳥遊はブラウスのボタンを外しだす

お、お前!?またその禁呪を使う気か!?昼休みの教室だぞ!!


チラッ


黒…だと?

幼い身体に似つかわしくない上品な黒のレースの下着に魅入られてしまう

鼻から鉄の匂いがしてきた…



「鼻血出すほど興奮したのカナー?」


「違う、暑かったから」




結局私達は屋上でご飯を食べることになった

私の鼻に詰め込まれたティッシュが風になびく


「あー!そのハンバーグ美味しそう!!」


「小鳥遊は靴底でも齧ってろよ」


今日のお弁当は明らかに豪華だ

姉が作ってくれたのだが、これでもかと私の好物が入っている

きっと昨日の共同作業が嬉しくて張り切ったのだろう


「たーべーたーい♡」


小鳥遊が再びブラウスのボタンを外しだした

フッ甘いな、我に同じ技は二度通用せんぞ(日を跨げば効く)


「触っていいよ」


「!!!!!」


さ、さ、さ、触っていいだと!?

視線が小鳥遊の胸から目が離せなくなる

小さい、どう品行しても貧乳だ

しかし今の私には先程の黒のブラと僅かな谷間が眼に焼き付けられていて非常に蠱惑的に見えた


「……………」


触っていいなら触っても良いのではないか?ここは屋上、周りには誰もいない

…まさか屋上に誘ったのはそれが狙いか?


「ね?」


小鳥遊は自分の胸を下から触って更に誘惑してきた

最後の一押しに私の砦は陥落する

彼女の胸にゆっくりと手を伸ばす。


「くっ!」


触れようとする間際に姉の顔が浮かんだ

小鳥遊軍によって陥落した砦は姉軍によって奪還される

私は手を引っ込める。これは姉を裏切る行為なのでは?

家でお弁当の感想を聞かれたらどうするんだ?「美味しかった」と嘘をつくのか?姉は知る由もないから無邪気に嬉しそうにするだろう、私はその罪悪感を墓場まで持ち続ける呪いを受けることになる

そんな呪いはとても受けられない、気の迷いだった。ごめんお姉ちゃん。小鳥遊は屋上から蹴り落とすよ


「ふーん耐えるんだ。でも、これならどうカナー?」


「あ、あ、あ、あ、あ」


私が触らないことを察した小鳥遊は最終手段に出た

ブラウスを脱ぎ、ブラを外して、腕に挟んで抑える

な、生…だと?砦は撃退した筈の小鳥遊軍の猛攻を受けて陥落した

再び彼女の胸に触れようと腕を伸ばす

お姉ちゃんごめんなさい。私はお姉ちゃんが朝五時に作ってくれた愛情たっぷりハンバーグを小鳥遊の貧乳揉みの為に売り払ったひどい妹です。


「あの…」


突然、第三者に話しかけられ、びっくりして腕を引っ込める

いつ屋上に来たのか全然気づかなかった、でも助かった。

私の理性とハンバーグは救われた


「なに?てか誰?」


邪魔をされた小鳥遊は乱入者を睨みつける

睨みつけられた彼女は小鳥遊から眼を逸らして私の方を見た


「あれ?貴女は…」


「そうです…『藤詩織(フジシオリ)』です」


詩織さんとは部活で面識があった。つまり『お嬢様』だ

彼女は私の顧客で、麗奈先輩に『危ない』と警告をされた人

今まで抱かれた『お嬢様』と部活以外ですれ違うことはあったが、恥ずかしいので目が合っても逸らしてきた。連絡先を渡そうとしてきたプレイガール先輩はウインクしてきたけど…


実際に部活以外で『お嬢様』に話しかけられたのはこれが初めて。やっぱりこの子は麗奈先輩が言うように『危ない』のかもしれない


「ナギっちの客だっけ?見ての通り忙しいからあっちいって」


小鳥遊は詩織さんに敵意全開だ

虫でも追い払うように手の甲をヒラヒラさせて追い払おうとする


「よ、良くないと思います」


「あ?」


小鳥遊の目つきが更に厳しくなる。怖っ!ガン付けてるといっても過言ではないよ

詩織さんもたじろぐと思ったが、意外なことに詩織さんは一歩も引かなかった。


「そんなことまでして無理矢理誘惑するのは良くないと思って…」


わーどこから見られていたんだろう


「べつにー無理矢理じゃないし、アンタには関係ないことだし」


「関係なくないです!」


詩織さんが急に声を張り上げる。怖っ!

大人しそうな人が怒ると2倍怖くなると思うのは私だけじゃないハズ


「ハッ!なんか勘違いしてないカナー?アンタはナギっちにとってただの客だから」


「ただの客じゃないです…私と奈妓さんはキスする寸前まで行きました!」


「そんなの私だってあるし!」


なんだこの争い、キス未遂で張り合うな!

てかこれって私が仲裁しないといけない流れなの?

しょうがないな…


「ストップ!ストップ!!」


二人の間に割って入って腕を広げる


ぷに


ぷに?

感触があった右手の先を見ると顔を真っ赤にして胸を押さえている詩織さんが見えた

割って入った拍子に触っちゃった!?左手の先にあった小鳥遊の胸は当たり判定が小さくて触れなかったみたいだけど


「私の方を触りたかったんですね」


いやいやいや、今のは不可抗力だから!

そりゃ小鳥遊よりは詩織さんの胸触りたいけど…って何言ってんだ私


キーンコーンカーンコーン


否定しようと口を開く前に昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴った


「また会いに行きますね」


『私に胸触られたマウント』を得た詩織さんは私と小鳥遊にそれぞれ慈愛を籠めた笑顔と勝ち誇った笑顔を向けて去っていった。


「ナギっち…」


呼ばれて詩織さんの背中から小鳥遊に視線を移す

彼女はハイライトが消えた瞳で私をじっと見つめてきた


「どうしてアイツの胸は触るのカナー?」


「いや、違っ!」


なんなんだよ!誤解だって!不可抗力だって!

二人は私が急に飛び出して詩織さんの胸を揉みしだいたと思ってんの!?

バカなの?それとも私がそんなに変態のイメージなの!?




放課後、部室でバストアップ解説動画を食い入るように観ている小鳥遊の横で私は喰いそびれたお弁当を食べる。

お姉ちゃんのお弁当、なんとか守ることが出来たよ。色々なモノを代償にしたけど…


「部室でお弁当を食べるのは感心しないわね」


「そんなの小鳥遊に言って下さいよ」


「な、なぜ?」


私の予想外の返答に麗奈先輩は面食らっていた。

☆キャラ増えすぎ記念☆


【ボランティア部】

遠山奈妓  主人公 ナチョラルにクズ 一年生

小鳥遊結衣 毎朝起こしに来ない幼馴染 一年生

光宗陽咲  天使だけど怒ると怖い   二年生

倉園麗奈  部長 金持ちじゃない   二年生

鹿島眞帆  ダムダムソンゲルゼ    三年生


【お嬢様】

時久京華  テニス部 勧誘してくる  一年生

藤詩織   奈妓推し 一話から登場  一年生


【姉】

遠山奈癒  生徒会長 昔なんかあった 二年生

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