表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/119

言っても分からないなら抱くしかない!

翌日、玄関で靴を履こうとすると傍らに置いてある袋が目に入ってきた。

まさかと思ったが、開けてみると中にはベルマークが入っていた。

姉が置いたのだろう。彼女は私より一本早い電車で学校に行く、生徒会長だからとかではなくて、私が姉と外で歩くことを嫌がるからだ

詫び石もとい詫びベルマークをカバンに入れる。こんなことしなくて良いのに

てゆうか謝るのは姉じゃなくて私の方なんだけど…

スマホを取り出して姉にLINEを送る

「ごめんね」


今日は素敵な一日になりますように




「襲われたってどういうこと!?」


教室に入った途端、小鳥遊に詰め寄られる

過激な発言を大声で言った為、教室中の視線が私達に集まった

私の素敵な一日を返せよ


「い、いやゲームしてて突然乱入されてさ」


とりあえずゲームでPKされたことにして誤魔化す。

教室でこの話をするのはまずい、小鳥遊もわかるだろ?


「放課後、部室で話してもらうから…」


察した小鳥遊が引き下がる。今日の部活は忙しくなりそうだ




「あんの猫野郎ぉぉぉっ!」


放課後の部室で小鳥遊の叫び声が響く

コイツ今日叫んでばっかだな、叫ぶユーチューバーって苦手なんだけど

ちなみに猫野郎っていうのは眞帆先輩のことらしい

小鳥遊にも猫っぽいと思われてたんだ


「私が遅れたのも責任の一端があるわ」


「二年生は行事があって…言っておくべきだったね。ごめんなさい」


麗奈先輩と陽咲先輩が私に謝罪する

小鳥遊の怒りの矛先である眞帆先輩はいつも通り休みだ(サボり)


「そんな!元はと言えばあの金髪の先輩が悪いんですから」


「ボランティア部でボコしましょうよ」


ボランティア部とは思えない台詞を吐く小鳥遊、その瞳には怒りの炎が上がっている


「そんなことは出来ないわ、それに彼女は素行不良で有名なの。これ以上事を荒立てたくないわ」


「不良に日和ってる奴いる?いねえよなあ!!?」


小鳥遊はマイキーと同じ台詞を叫んだ、違う所は部員の全員が彼女に賛同しなかった点だ


「コホン…」


流石に突っ走り過ぎたと思ったのか、小鳥遊は小さく咳をして誤魔化した。


「とにかく…ナギっちはもう私が居ない日に部活するの禁止」


とんでもないこと言いだしたよコイツ


「…前から思ってたけど小鳥遊ちゃんって奈妓ちゃんのこと好きなの?」


陽咲先輩もとんでもないことを言いだす


「え!?そ、そ、そんなことないですけど!」


「ごめん、小鳥遊の気持ちには答えられない」


「ソッコーで振るな!」


小鳥遊が私に執着するのは、幼馴染の腐れ縁があるからだろう

『妹』だと思われているのは癪だが…


てゆうか今日の本題はそこじゃない

私は財布から100円を取り出して缶に入れる


「どうしたの?」


行動の意図を陽咲先輩が尋ねる。私は真っすぐ麗奈先輩を見据えて告げた。


「確かめさせて下さい…麗奈お姉さま」


ブー!


暫く会話に参加せず、紅茶をたしなんでいた麗奈お姉さまが噴き出した

この癖どうにかなんねぇかな。私と付き合ったら絶対止めさせる。


「い、いつから私が貴女の『お姉さま』になったのかしら?」


「昨日、私にハンカチを差し出してくれましたよね」


「ええ、それが?」


「そのハンカチから『お姉さま』の香りがしたんです!!」


犯人を突き止める探偵のように私は麗奈お姉さまを指差した


「フッ」


麗奈お姉さまが噴き出す。さっきのギャグの吹き出しではない


「何が面白いんですか?」


「笑わずにはいられないわよ」


お姉さまがポケットからハンカチを取り出して私に手渡す。

…昨日と違う香りがした。


「私はね…気分によって香りを変えているの、たまたま昨日が貴女の『お姉さま』と同じ香りだっただけ。駅で貴女を抱いた覚えもないわ」


「麗奈お姉さまはシラを切っているんですよね?」


「シラを切る?なんでそんな必要があるのかしら」


「『禁忌』に触れるからですよ。部員同士で愛し合う『禁忌』に」


「…言っても分からないみたいね」


麗奈お姉さまはため息をつくと、立ち上がってソファがある部屋に向かいだした

私も立ち上がって後に続く、カーテンに手をかけた所で振り返って陽咲先輩と小鳥遊に行ってくるよと親指を突き立てて見せた。

彼女達の眼は氷のように冷たかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] ところどころネタが入ってて面白かった(特にブリ〇チ)
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ