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メルヒェン16 デイドリーム・ルナティック

 長々とした説明なんて、私には絶対に理解できないはずなのに。

 私のなかの疑問が全部、ゆるりと解けていく。


「ルナちゃん……そっか、そういうことだったんだ」


 どうしてルナちゃんが私と縁があったのか。

 ルナちゃんの過去、生き方、抱いた夢……。


 許されないのは分かってる。

 現実は厳しくて、苦しくて、辛い。でも夢を抱けないなんて、私や彼女にとっては息ができないようなものだ。

 そんな彼女が身を投じた最期の賭けがなんなのか、私にはなんとなく分かる。


「クケカカ! さぁて、過去話はこのくらいでお腹一杯だろう? 今度は彼女の今を見てみようか!」


 ドクはスムーズな動きでくるりと反転して、キーボードに一瞬触れると、一番大きなディスプレイに映像が映し出された。

 照明に照らされた焼け野原、その中央にはルナちゃんが立っていた。


「ルナちゃんっ!」

「まあまずはじっくり見てってくれたまえ? 我々ユートピア勢の理想人たちの健闘、そして私の傑作が織り成す素敵な実験をね」

「実験って。そうだ、あなたはルナに何をしたんですか? どうしてあんな……」

「んー? あぁ、そうか! 君はもうルナと一戦交えたんだったな! となれば、理想の力をぶつけあった。互いの理想も過去も垣間見える!」


 この人はいちいち反応が大きくて怖い。

 もうちょっと静かに会話してくれないかな。


「なに大したことじゃあない。短時間で理想を強化する効率的な方法の被験者になってもらっただけだ」

「理想を、強化? 効率的って、どういう意味ですか?」

「理想は力の形を創り、意思は力に強さを与える。意思を証明すれば力は増す。意思を証明するには逆境や辛苦を前に砕かれず、理想を手放さないこと。つまり……?」


 こちらに問いかけるように、下卑た笑みをこちらに向ける。

 ふとアヤメが呟く。


「なるほど、マッドサイエンティストとはよく言ったものだ」


 アヤメが察して間も無く、私の中に答えが流れ込んで……。


「……意味が、分からない」

「おっと勘違いしないでくれたまえ。彼女は快く引き受けてくれたよ? 強要なんてしてないし、むしろこちらから請われたんだ」

「わ、分かってますよ。だから余計に分からないんですっ!」

「そうかね? ま、そのうち分かるさ。そら、最高のショーを見るんだからコーラとポップコーンでも」


 どこから出したのか、右手には大皿に盛られたポップコーン、左手には2リットルペットボトルにも匹敵する紙コップのコーラ……ここは映画館か!


「人の苦痛が、そんなに愉快ですか」

「それは誤解だ。愉快なのは人が苦痛を乗り越えることだ。誰だってそうだろう?」


 言い返そうとして口を開いて、何も返せなかった。

 逆境を打ち破ること、辛苦をひっくり返して幸福になること。

 それもまた夢みたいで、憧れたことが無いといえば嘘になる。


「恥じることは無いさぁ。正義感も立派な理想だからねぇ。それに、彼女を見くびるなかれ。適性のない者を被験者にはしないさ」


 ドクが大きなディスプレイを見始めて、私も観念して見る事にした。






 夜の闇が切り取られたように私の居る場所を照らし出して、閃光や弾丸が体を貫く。

 痛い、痛い、すごく痛い。

 でも、全然辛くない。痛いけど、この程度の痛みじゃ。


「王子様、王子様……はやく私を迎えに来てください」

「ターゲットチェック、テストスタート」


 次の瞬間、体を維持できないほど大量の物理攻撃が襲った。

 散り散りになっていく体をかき集めて、眼を凝らす。


 暗闇の中から、光の中へと踏み込むのは、精巧に人間の少女を模した形をした機械。

 青と黒の身体、黄色に光る鋭い目。

 その両手にあるのは、黒い筒。先端からは細い煙がゆらゆらと昇っている。


「お人形遊び?」


 ばらりとなった身体を元に戻して、めらりと燃える翼を背中に創る。


「王子様が来るまでなら付き合ってあげる」

「ターゲットチェック、リスタート」


 筒が激しく回転して火を吹いた。

 私は目の前に分厚い水の壁を作る。水にめり込む弾は砕け散りながら水の中から抜け出せなくなって、私のところには届かない。

 水をどんどん増やしていって、弾が絶対にこっちに届かないようにしていると、人形は撃つのをやめた。

 大きな二つの筒を落したと思ったら、今度は人形が撃ち出された弾みたいに突っ込んでくる。


「っ!」


 水の壁の横を舐めるように、私の元まで移動してきた人形は、すれ違うと同時に私の首を何かで切り落とした。

 何か、じゃない。手だ。

 手を平らにして、ただ斬るような動作で私の首を千切ったんだ。

 落ちる自分の頭を、髪を掴んでキャッチした。


「あはは! はやいはやい!」


 取れた頭の口を動かして、私は人形遊びを楽しむ。


「じゃあ私も!」


 頭を元の位置に戻したら、あの人形の元へと駆ける。

 かけっこなんて何年ぶりだろう? ちゃんと楽しく出来るかな?


 いち、にの、さんっ!


「わぁっ!」


 幼い体に感じる風の感触、風の声が耳元で騒いで、気が付けばもう人形の側まで来ていた。


「たーっち!」


 触れようと手を伸ばしたけど、人形は素早い動きで身体を引いてくるりと後ろに回りこむ。

 じゃあどうしようか。

 そうだな、黒騎士みたいなナイフのほうが動きやすそう。


 そう思って、右手に黄金のナイフを、左手に透明な宝石のナイフを思い浮かべる。

 機械人形が震動させた刃で私の体をバターみたいに切っているけど、それくらいじゃ私は止まらない。


「逃げないの? 今度はチャンバラごっこだね!」


 適当に相手を切りつけてみるけど、人形は素早くてとても当てられない。

 黒騎士はどうやってたっけ。確かこう……


「踏み込んで、押し込む感じ?」


 右半身を前に出した状態で、黄金のナイフを顔に、宝石のナイフは胸の中央に差し込んで、更に肩で相手にくっつけて押し飛ばす。


 倒れた人形に馬乗りになって、あとは適当に切り刻む。


「あれ? 切れてない……」


 いや、確かに切った。

 でも、裂け目が少しずつ塞がっていく。これは、私と同じ?

 ふーん、そっか。このお人形は壊れても治るんだ。


「じゃあいつまでも遊んでいられるねぇっ!」


 王子様がくるまで、この玩具で遊ぼう。

 大丈夫、きっと夜明けまでには来てくれる。ちゃんと、ちゃんと、約束どおりに私を……。


「あっ……れっ……?」


 気が付くと、私は地面に転がっていた。

 きょとんとした頭で起き上がると、暗い森の奥から戦車みたいな足の機械が次々と湧き出てきた。


「残念ながら、お遊びはここまでだよ。ルナ・ロマンシア」

「その声……ドク?」


 声はさっき私が馬乗りになった人形から響いてくる。


「実戦データは十分に取れた。君の理想と力は申し分なく一級品だったよ」

「ねえ、王子様はいつになったら来るの?」

「ああ、君の王子様なら今から君を迎えに行くそうだ。だが、間に合うかどうか……」

「どういうこと?」

「今、君の脳天に撃ちこまれた弾丸は、ダークエルフのとある魔術がくっついている。君は一時的に自分の身体を自分の思い通りに出来ないはずだ」

「そんなはず……あれ?」


 本当だ。身体が動かない。

 ただの麻痺ならこんなことにはならないはずなのに。

 魔術? これが魔術?


「さて、君は無限とも思える苦痛の果てに、私のデイドリームシリーズの記念すべき第一号となったわけだけど、その最低特製を覚えているかな?」

「知らない」

「クケカカ! だろうね。デイドリームシリーズとは、生と死の概念を超越した存在。つまり白昼夢そのものになることだ。自分を夢想として認識する限り、自身を夢想そのものに変質させて現に投影させることが出来る。これをデイドリーミングと呼び、それが出来る者をデイドリーマーと呼ぶ」


 でいどり? ドクはいつも難しいことばかり言っててよく分かんない。


「夢想家、(デイドリーマー)は無敵だ。いかなる激痛や致命傷も夢想をやめない限り死ぬことは無いし、消滅もしない。それは君のもっとも得意なことだったね?」

「夢を見続けること? そうだね。私は得意だよ?」

「現時点でこの理想世界に存在する科学では、君を完全に殺すことは出来ない。どれだけ刃物で切り刻もうと、光線で分子レベルまで焼き尽くし塵にしたとしても、君は夢のように浮き上がることだろう……だが、科学に限定しなければ、対抗手段はいくらかある」

「うぶっ……」


 き、気持ち悪い、気持ち悪い。ひどい吐き気がする……っ!

 なに、これは? 頭の中がぐちゃぐちゃになって、何が起こって?


「大した魔法ではないらしいけどね、だが君には大分効くだろう? 確か酷い悪夢を見せる一種の呪いらしい」

「悪夢……?」

「君の理想はもはや夢想などと呼べる代物ではない。むしろ狂想、狂信者の部類だ。そんな精神が理想を信じたら、そりゃ並の方法では殺せない……という常識を覆してみた。君がもっとも嫌がるだろう方法を、この灰色の頭脳で考え抜いた結論だ」


 悪夢……そうか、さっきから私の頭の中で勝手に浮かんでくる、あの時の光景はッ!


「これは、私が現実だった頃の……!」

「クケカカっ! そのとおぅりぃッ!! まさに、それだ」


 怖い、汚い、酷い、惨い!

 私の夢が、虚飾が引き裂かれて、ぐしゃぐしゃに、あぁ、燃やさないで! 私の大切な物語を燃やさないで! 夢の私を穢さないでぇ!


「ちなみに君を殺しきる他の方法を挙げよう。例えば単純に、君より強い理想と信念を持つ理想人が打ち負かすとか、その狂想を凌駕するほど妄想を究極きわめてしまった者が格の違いを見せ付けるとか、魔法で封印するとか。期待値は低いけど可能性としては思考操作系の異能者とかに弄らせるのも面白かったかもねぇ。夢想関連の技術が発達すれば化学的に幽閉も出来るかもしれないし、後はそうパーヴァートの干渉力とかいうのなら……」


 分からない分からない、ドクが何を言っているのか分からない。

 ダメ、このままだとアレを見ちゃう。アレを見ちゃったら、私は……。


「や、だ……た、助けて! イリス、お姉ちゃん早く来て! 王子様! 王子様ぁあああああああ!!!」

「あー、もう聞こえてないみたいだねぇ。さて、これにて予定していた実験のすべては終了した。そして証明された。理想を手放さなければ、この世界から消えることは絶対に無い。ただし、理想そのものを破壊された場合はその限りではない」


 やめて、やめて。私に現実を押し付けないで。私の夢を奪わないで。

 どうしてこんな現実あくむを見せられなきゃいけないの? どうして私に夢を見させてくれないの? 私の望む夢も無いくせに、どうして押し付けようとするの?


「ころ、す……殺す、殺す殺す殺す殺すコロスコロスコロスコロス、ごろずぅうううっ!!」

「おや、ついに狂ったか。さて、急ぎたまえよ王子様。お姫様が狂乱の女王に変わる前にね」






 ドクはそこまですると、マイクをオフにして私の方を向いた。


「とまあ、こんな感じなわけだが」

「もういいです」

「おやぁ、ご機嫌なな……」

「でも一つだけ聞かせてください。ドク、あなたはルナちゃんで何をしたかったんですか?」


 私は、すごく冷めていた。でもお腹の底は怒りで煮え滾っていた。


「三つある。全部聞く?」

「いちおう」

「一つはこの世界の法理を細かく知るため。本当に理想を失わない限り、この世界では死なず、完全に消えることはないのか。二つ目は夢想空間への研究に、彼女の夢想が役に立つと考えたから」

「……」

「最後の一つは、あのままでは彼女がただのカモにされるからだ。元々、彼女が持っていた能力はたった一つしかなかった」

「ありがとうございました。じゃあ私は行きます」


 私はドクに深くお辞儀をして、御礼を言った。


 もうこれ以上知りたいことなんてなかった。

 マッドサイエンティストの実験とか、世界の法理とか、夢想空間とか、今の私には全部関係ないことだし、どうでもよかった。


 今は急いでルナちゃんのところに急がないといけない。

 だってあの子は、私を呼んでくれた。ハッピーエンドを求めてくれた。

 なら、私は行くだけだ。


「アヤメ」

「私は別に構わないが、何か考えがあるのか?」

「うん、たぶん、これが最後のチャンス」


 これを逃したらハッピーエンドは無い。もしかしたらこれもドクの予定通りなんだろうけど、私にはどうでもいい。

 今は何よりもルナちゃんがハッピーエンドを迎えることの方が大切だ。


 テントを抜け出ると、そこに天狗が待ち構えていた。


「長い話だったわね。行くんでしょ? 連れてってあげる」

「千早さん、どうしてここに」

「どうでもいいでしょそんなこと。それとも私の助けはいらない?」

「と、とんでもないです、ありがたいです!」


 正直、あの距離をまた徒歩で移動してたらキツイと思ってたところだった。

 千早さんが助けてくれるなら、あっという間にルナちゃんのところに辿り着ける!


「ただし、一つ条件があるわ。私をあなたの仲間に加えること。どう?」

「分かりました。これからよろしくお願いします」

「フフン、迷うでしょうね。でもあなたに迷っている時間の余裕は……って即決!?」

「私の友達が、困ってるんです」


 千早さんは驚いているけど、私にとっては当然だった。

 私をここまで助けてくれる人を、私の友達を助けてくれる人を仲間として認めないわけがない。


「友達が、ルナちゃんが苦しんでいるんです。私たちを助けてくれるというなら、私からお願いします。私とお友達になってください」


 きっとこれから笑いあったり、泣かされたり、喧嘩したり、もしかしたら決別する事だってあるかもしれない。

 でも、私の臆病でルナちゃんの不幸に手が届かなくなるなんて、そっちのほうが嫌だ。


 弱虫で臆病な私は、私一人のときだけで十分だから。


「へぇ、ちょっと意外。あなたみたいな子でも、そんな顔が出来るものなのね」

「それは褒めているんですか、貶しているんですか……」

「褒めてるに決まってるでしょ。ほら、行くわよ? しっかり掴まってなさい!」


 千早さんの体にしがみつくと、ふわりと体が宙に浮く。

 大きな翼が背に現れて、夜の空を高く飛翔する。

 北の方向に見える明かりへと、今までで一番の速さで向かう。


「待っててね、ルナちゃん!」


 夜の悪夢は、もうすぐ終わる。私が終わらせてみせる。




 さて、お膳立ては整った。

 後は期待の新人の活躍を生温い目で見守るとしよう。


「夢想への希望、現実への絶望。狂想への誘い、デイドリーマー・コード<ルナティック>」


 ディスプレイに映し出されている少女は、彼女が出て行ってから徐々に動きを弱めて、今はこうして地に伏して蹲っている。

 まるで怯えた子供のようだ。

 彼女には耐えられまい。徹底的に夢想を信じ、求めた自分さえも現実であることなど。


「クケカカ! これから生まれるものが、本物のデイドリーマー。どんな姿か、期待と高揚が抑えられないねぇ!」


 少女に歩みよる大型の兵器と、慎重に距離をつめる最新装備の兵隊。

 じわりじわりと迫り来る現実は、まるで虫の群れと同等に彼女の精神をかき乱しているのが、脇の画面に表示されているバイタルの変化で丸分かりだ。


「狂乱と拒絶、祈り願う、力求め振るう姿こそ狂騒乱舞。ルナ・ロマンシア。既に壊れた夢想を守る悲しき少女、血の池の底で掴んだ狂想で何を望む?」






 私の嫌いな現実が来る。

 王子様は、まだ迎えに来そうに無いや。


「実験は終了した。速やかにユートピアへと帰還せよ」

「……やだ。私はここで王子様を待つ」

「抵抗すれば排除する。我々は全員がナノマシンによって自己再生能力を有したサイボーグだ。お前の抵抗は無意味だ」

「やだ……私は、帰らない」


 王子様、私の王子様。今も嫌なことが頭の中でぐるぐるしてる。

 現実の汚さが、私の罪が、私じゃない私の記憶が。


「子供のような駄々をこねるな。命令に従わない場合、実力行使する。現実を見ることだ」


 げん、じつ?


「お前の理想は無力化され、体は再生するのがやっと。移植された異能も理想の力も存分に発揮できまい。抵抗すれば処分されても文句は言えない」


 いつもそうだ。人々は現実を振りかざして、私の夢を壊そうとする。私に夢を見ることをさせてくれない。

 現実じゃない。現実を振りかざす人々。勝手な理屈を押し付ける人たち。

 私の敵、夢の敵、理想の敵……。

 ああ、そうか。結局、ここも同じなんだ。


「夢を見るだけで理想を叶えられるとは限らない。現実的な判断を……」

「アルファ1、計器の反応がある!」


 ここに居るあなたたちも、現実を振りかざす人たちなんだ。


「私に現実ぼうりょくを振るう人、私に現実りくつを押し付ける人……いらない」

「な、なぜだ。なぜそんな、そんな力はデータにはなかっ……」


 私の夢想ロマンに現実を押し付けるなら、私は現実に夢想ゆめを押し付けよう。

 私と同じ苦しみを、あなたたちにもあげる。せいぜい狂わないように頑張ってね?


「あはっ、アハハ、アハハハッ!!」


 くるくる、くるくる? ああ、狂う、狂う、わたし、ゆめ、クルう。


 アナタは?

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