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桃二郎と3匹の鬼さん。

作者: シマリス

京の都。


ピーピーピ!


けたたましい、笛の音が町に響く。


鬼がでたぞーーー!!


都の大通りを腕に金棒を持ったショッキングピンク鬼、群青色鬼、パステルカラー女鬼が伸し歩く。


うぉー~~~~っ!!


怖いだろ!


おれたちゃ3匹の鬼さんだぞ!


スマホやタブレットを持った若者たちが、周りを取り囲み、まるでアイドル扱いの鬼たち。


キャー♪


すてき!


こっち向いてーー!


鬼たちは、互いに顔を見合わせた。


こいつら何か勘違いしたないか?


兄貴、もう一度雄叫びを叫んでやったら?


ショッキングピンク鬼が群青色鬼に呟いた。


ナイスバディのパステル女鬼は、頻りに手鏡で化粧直しをしている。


パチパチパチパチ……


フラッシュの嵐にポーズをとるパステル女鬼。


群青色鬼がその様子を見て一喝!!



うおーー~~~~~~~!!!



俺たちは鬼だと言っとるだろう!!


アイドルじゃねーし!


これからお前らの宝物を奪ってやるぞ!!


怖いだろ!


恐ろしいだろ!


何か見せ物でも見るように群集は逃げ出すどころか、さらに集まって来た。


ラブアンドピース!!


髪が長い眼鏡の無精髭の男が叫ぶ!


群青色鬼が、その男のところへ歩みよった。


ラブアンドピースか…………



なっかしいなぁ……60年代のヒッピーか。


ショッキングピンク鬼が群青色鬼を見て呟いた。


兄貴、いったいおいくつなの?


群青色鬼はジロッとショッキングピンク鬼を睨み答えた。


オレを還暦とでもいいたげだなぁ!!


あれ?


パステル女鬼がいない?


どこいった?


兄貴、兄貴!


あそこ、あそこ!


周りを取り囲む群集の一角に日本二の旗印を背中に立てハッピをつけた桃二郎がパステル女鬼に頻りに声を掛けていた。


おねーちやん!、かわゆいねーー!


おいおい!


ナンパかよ!


桃二郎の仲間の表島三郎と銀四郎が口を挟んだ。


パステル女鬼は、桃二郎をチラッとみてプイとそっぽを向いた。


ダサダサ……ぜんぜんタイプじゃないから!


撃沈!!桃二郎!!


表島三郎と銀四郎が桃二郎に語りかけた。


恋心もいいが、おらたちの使命を果たそうぜ!


指命♪


オレ、あのおねーちやん、指命します!


その指命じゃねーし!


おらの言ってるのは、成すべき事、おらたちの存在意義!


氏名?


オレ、桃二郎だよん!


誰も名前聞いてないやん!



表島三郎と銀四郎は、しらけてしまい無言。


桃二郎はこぶしを上げて叫ぶ!


よし!


俺たちの使命を果たすぞ!


おーーーーーい!!


分かってるなら始めからそういいなあ!



桃二郎、表島三郎、銀四郎は3匹の鬼の前に立ち塞がった。


やいやい!!


お、お、お、パチン!


桃二郎!


しゃっきつとしな!


銀四郎がみかねて前にでた。


やい!


鬼たち、このオレたちがいる限り、お前らの勝手にはさせないぞ!


は?


何?


何いってるの?


3匹の鬼たちは顔を見合わせた。


オレたち、まだなーんもしてねーし!


へんな言い掛かりやめてくれるかな。


桃二郎が一冊の本をバシツと路上に叩きつけた。


これを見ろ!


パステル女鬼が本を拾った。


何これ?


裸の王様?


はっ!と気づく桃二郎。


あ!、やべ!


こっちだった!


群青色鬼がオーディエンスに向かい叫んだ。


オレたちがこの町を桃二郎たちから守

るぞーーーー!!!



は、…………これ逆じゃね?




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