第3話 峯岸健太(前編)
(前回のあらすじ)
私立桜海学園は昔、甲子園を5連覇するほどの名門校だった。
しかし、5連覇した次の年の神奈川県予選決勝、私立桜海学園対帝王大学付属高校の試合をきっかけに桜海学園が不良校になっていった。
そして、その話しを聞いた宮崎が倉持の野球部への入部を許可する。
倉持が入った野球部は今後どうなるのか…。
「まじでー」(ビックリ!!)
倉持が顔を上げると、宮崎は前をあるいていた。
「待ってよっ」
倉持が走って宮崎に追い付くと聞いた。
「本当に野球部に入れてくれるの? 嘘じゃないよねー?」
「嘘な訳ないぢゃん。私も倉持君と甲子園行きたいし、テレビ映れば夢が叶えられるかもしれないしね」
「夢?」
「小さい時からの夢。私、アイドルになりたいの。女子から見て、アイドルってあこがれなんだよ〜」(笑)
「そうなんだー。でも宮崎さんならなれるんじゃない?めっちゃ可愛いし、スタイルいいもん」(ニコッ)
「後ね、もう一つ目標があるんだ」
ニコニコしている宮崎に倉持が聞いた。
「なに…?」
「倉持君の隣でウェディングドレスを着たいの…」
「まじでー」
ビックリしている倉持に宮崎がウインクした。
「な〜んてね」(エヘッ)
そういうと、宮崎が走って逃げた。
「もう…」(笑)
倉持が追いかけて走った。
次の日……。
「えー、倉持を野球部に入れたー?」
「まじかよ、渡辺」
「うん、みーちゃんが言ってた」
高城が聞く。
「どこで聞いたんだよ」
「マネ室」
小野が聞いた。
「何て言ってたんだよ」
「私、倉持君と甲子園に行きたくなったから野球部に入れちゃった。(エヘッ)って」
「ま、みーちゃん可愛いしいいんじゃねー」
「アホ、甲子園ってガチで野球すんのか…? 俺練習とかまじ嫌なんですけど…」「高城、そんなに練習嫌なのか?」
渡辺が聞いた。
「お前は、練習がしたいのか?」
高城が聞き返した。
「いや〜、やっぱ嫌だ」
「だろ―」
小野が、雑誌を見ている大島に話しをフッた。
「なー、大島どうすんだー?」
「どうするって、なにがー?」
高城も聞く。
「練習だよ。野球好きの倉持が入ったら、野球したいって言いだすんじゃないのか?」
渡辺も言う。
「そうだよ、みーちゃんもやる気だし…」
3人に大島が答えた。
「やるたって、グローブもボールもねーうえに顧問もいねーんだぜ、どーやってやれって言うだよ。心配しなくても練習できねーって」
そのとき…指原から電話が来た。
「大島ー。峯岸が警察に捕まったらしいぞ」
「は〜?」
「理由は分からないけど、いつもの公園にきて!!」
いきなり呼び出された4人は、いつもの横浜公園に走ってきた。
「どういうことだよ!!」
「分かんねーけど」
「分かんねーなら呼び出すな」
小野が指原に怒鳴った。
そのとき、峯岸からメールが来た。
『ごめん。多分退学になると思う……』
っと書いてある。
それを見た渡辺が…。
「もしかして、人殺しとか…?」
「バカッ、そんなことねー峯岸はエロいけど、人殺しなんてする訳ねーだろ」
高城がいい返した。
大島が言う。
「一度、学校に戻ろう」
5人は、学校に戻った。
すると…、
「え、報道人がたくさん居る?」
「なんで?」
報道人がカメラに向かって話している。
『こちらが、昨日の午後7時、17歳の女性を殺害したという罪に問われている、峯岸健太君の通う私立桜海学園です』
高城が報道人に向かって叫んだ。
「お前ら、勝手に俺らの学校を撮ってるんじゃねーよ」
すると報道人が高城たちに向かって、
『これは、神奈川県でも有数の不良、桜海学園の野球部のみなさんです』
っと言った。
「どうして、峯岸が犯人だと思っているのですか?」
大島が冷静に警察に聞いた。
「どうしてって、峯岸君が自分がしたと、言っているからだ」
「なに―」
小野と渡辺が同時に声を上げた。
野球部5人は部室に戻った。
5人はうつ向き、誰も話さない。
そこへ、
(ガチャッ)
ドアが開いた。
「よっ」
倉持が明るく入って来た。
「何しに来た」
「何って俺、野球部だし峯岸のこと調べて来てやったのによ」
「そっか、良かったな」
小野が話した。
「実はよ、殺害された女子はサッカー部の北原の彼女らしいじゃん」
「ふ〜ん、関係ね〜し」
と渡辺が答えたときに、大島が叫んだ。
「って、もしかして…」
「可能性がないこともない」
倉持と大島には分かったらしいが、ほかの人には全く分からないらしい。
大島が言う。
「もし、そうなら峯岸は…」
倉持が続けた。
「犯人ではない!!」
「でも、どうやって暴くんだ?」
「まずは、北原と峯岸の関係を周りの奴らに聞こう」
倉持が部室を飛び出して行った。
大島が4人に向かって、
「お前らも、峯岸と北原の関係を調べろ」
「分かった」
つづく。




