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6話:宣戦布告

いつものおんぼろ部室に、いつもの3人がたむろしていた。

「くそ!ここにきて2連敗か!」

善永は気分を害しているようだ。

「仕方ないさ。ルール自体はあっちに有利なんだからな。チャレンジを受け入れてくれるだけでも神対応だ。」

「…」

なぎさはずっと下を向いている。そのとき、部室の扉をノックする音がした。返事をする間もなく、2人の生徒が入ってきた。一人は一太だ。しかし、「生徒会」の腕章をしていない。もう一人は山南であった。

「斎藤さん!…その人は?」

「俺は、山南恵南(けいなん)だ。」


「知ってます!」

荘介は山南を知っていた。興奮気味に話す。

「兆栄高校野球部主将、『炎のエース』の別名で有名な、あの山南さん!」

「ほう、こんなところでファンに出会えるとはな?光栄だぜ。」

山南は、どこか馬鹿にしたような話し方をしている。不機嫌だった善永は、機嫌をより悪くした。

「それで、何しに来たんだ?まさか、入部希望か?」

「ふっ。よく聞け。傍若無人かつ厚顔無恥な君たちに、最大のチャンスにしてピンチだ。」

山南は笑いながら言う。善永は冷淡に言った。

「さっさと話してくださいよ。」

山南の顔から笑みが失われる。


「試合だ。俺たち野球部とな。」


「!」

3人は驚いた。向こうから挑戦状を叩きつけてきたのである。

「兆能力を使用するレギュレーションで、試合は一か月後。それまでに選手を揃えられなかったら、俺たちの不戦勝だ。」

「…」

「おっと、条件が気になるんだよな?早く話してほしいんだもんな?俺より忙しいこった。」

山南は善永の方を見ながら言った。善永はただ黙っている。

「お前たちが勝てば、クイズ研究会の廃部処分は取り消すし、入部禁止のお触書も撤回する。」

「!」

3人は顔を見合わせる。

「どうだ?悪くないだろう?だが、だがだ。俺たちが勝てば、お前たちは正真正銘廃部だ。例外は一切認めない。」

山南は善永をじっと見つめる。

「覚悟しておけ。こっちは本気だからな。じゃあ、一か月後。グラウンドで待っている。この話は、部員以外にするなよ。」

そう言って山南は部室を後にした。


「…これは最高のチャンスだ!」

善永は舞い上がった。2人と一太はついていけない。

「そうだろう?皆!勝てば、この部室を守ることができる!誘いに乗ろう!そうと決まれば、選手集めだ!」

すると、なぎさが口を開いた。

「やだ。」

「…なんだって?」

「やだって言ったんだよ!」

「!」

なぎさが怒鳴ったのを見て、善永は固まった。

「どうしたんだよ…なぎさ!」

「それはこっちのセリフだよ!こんな部室のために、あんな戦いする必要ないよ!」

「こんな部室って!」

「こんな部室、僕にとってどうでもいい!僕は、えいちゃんと一緒なら、どこでもいい!」

「俺にとっては、この部室がいいんだ!」

「なんで!?せいぜい数か月しか使ってないこの部室に、なぜそんなに固執するの!?」

2人の口論が激しくなる。荘介や一太がそれぞれ仲裁しようとするが、止められない。


「だったら、出ていけよ!」


「!…え…」

なぎさは固まった。しばらくすると涙をこぼし始める。

「善永!てめえ、頭冷やせ!言っていいことと、悪いことがあるだろう!」

「あ、ああ。すまない。なぎさ…」

善永がなぎさに近づこうとしたとき、

「馬鹿!もう知らない!」

なぎさは部室を飛び出ていった。善永が追いかけようとするが、できなかった。

「なぎさ!」


善永の挑戦状:脱走による切腹という最期を迎えた、新選組の総長を務めた人は誰?


前回の『善永の挑戦状』答え:トルコ行進曲

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