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兆兆発止 第2部  作者: ぱんろう
粛清委員会編
52/104

52話:裏切

「本田!お前、ここで何やってんだ!」

本田は、篠原と八ッ場の目を見ず、決まりの悪い顔をしていた。だが、オーラを発している。

「すまん、2人とも。相撲部のためにも倒れてくれ!」

本田は腕を餅のように伸ばし、八ッ場の体に巻きつけた。

「本田!何を!」

篠原の声に耳を貸さず、本田は力を込める。すると、本田の手が赤くなり始めた。

「これは!」


『ヤキモチ』


八ッ場が悶え苦しみ始めた。篠原が八ッ場に巻きつけられた本田の手に触れようとするが、

「熱い!」

本田の手に触れた瞬間に手を離した。本田の手がかなり熱くなっていたのだ。

「ヤキモチは、自身の体を急激に熱する技…八ッ場!悪いが、ここで倒れてもらう!」

「ぐああああ!」

技の説明を聞いて、篠原がはっとする。

(そうか!一太をやったのも!この技だったのか!そして、怪しまれないために自分自身も犠牲に!)

「本田ァ!許さんぞ!」

篠原が拳を構えながら本田の方に向かっていく。そのとき、どこかから針が飛んできた。篠原はそれをかわした。

「誰だ!」


「僕だ。生徒会三年、新見錦司(きんじ)。ここは生徒会本部だよ。どの面下げて「誰だ!」なんて言ってんの。」


新見という名前の生徒が、青いオーラを発しながら、本田の背後から現れた。

(針を操る兆能力『ニードルス』か…)

篠原は、本田たちと間合いをとる。振り返ると、八ッ場が倒れていた。

「八ッ場!」

篠原が八ッ場に駆け寄ろうとしていたとき、本田の手が伸びてきた。

「く!」

篠原は八ッ場に駆け寄るのを諦め、それを避けた。が、避けた先に針が飛んでくる。

「くそ!」

篠原は右手で左腕にパンチした。左腕にペンキが纏わりつく。篠原はその左腕で針を受け止めた。

「ペンキを固めて手甲のようにしたのか。やるじゃん。」

だが、篠原が窮地に立たされていることには変わらない。どうする!篠原!


屋上の善永は有賀を睨んでいる。対して有賀はずっと笑みを浮かべている。

「私の頭の中に、ヴィヴァルディの『春』が流れている。小鳥が私とともに笑っているよ。」

「ふざけたこと言ってんじゃねえ!汚いことをやりやがって!」

善永は青いオーラを発しながら目をつむる。そして、有賀めがけてアイビームを発射した。有賀は微動だにしない。


「次に流れているのは『夏』だ。君は、私の輝きにぐったりすることとなる。」


有賀は飛んできているアイビームに向かって指を差す。その指がぴかっと光り、ビームが放たれた。アイビームと有賀が放ったビームがぶつかり合う。

「お前もビームが使えるのか!それに、あの速さ!」

有賀が放ったビームは、まさに光の速さであった。目で追うことができない速さだ。有賀は善永に指を差す。

「まずい!」

善永は、屋上に繋がる扉の方に逃げこもうとした。逃げられるわけがないことを承知で。背後に有賀のビームが向かってきていた。幸運なことに、それは善永に命中しなかった。善永は慌てて振り返る。

(ビームが当たらなかった!?…!そうか!)

善永は辺りを見回してはっとした。

(影か!あのビームは、影を通ることができない!)

善永は影の中にいたのだ。善永はほくそ笑む。

「どうやら、『夏』なだけに、嵐が俺に味方したようだな。」

「馬鹿が。知った気になるなよ。」

有賀は、屋上のフェンスを指差し、そこにビームを当てた。すると、砂鉄が磁石に集められるかのように、なぎさや善永がフェンスに引き寄せられ始めた。

「!」

善永は抵抗しようとするが、引き寄せる力は強力だ。善永は影から引きずり出されてしまった。それを狙って、有賀がビームを発射する。

「がはっ!」

それは善永の腹部を貫通した。

「えいちゃん!」

フェンスに引き寄せられたなぎさが、善永を心配そうに見ている。善永はうずくまったままだが、それでもフェンスに引き寄せられ、なぎさの近くにまで引き寄せられた。

有賀が2人の方を見る。

「ふっ。厄介なのを一気に排除できるいい機会だ。」

有賀は2人に指を差した。


善永の挑戦状:その作品はリオム番号で整理される、『四季』で有名な作曲家は誰?


前回の『善永の挑戦状』答え:アラベスク

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