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兆兆発止 第2部  作者: ぱんろう
粛清委員会編
50/87

50話:弓の名手

篠原と八ッ場が土方と戦っていた頃、荘介と早明浦は、未だに動けないでいた。

「荘介!こうなったら、同時に飛び道具で牽制するぞ!どっちかがやられるのを覚悟でな!」

「だが…」

「考えている暇はねえ!いくぞ!」

そう言って、早明浦は竹刀を帯電させながら廊下に飛び出る。

「おい!せめて合図しろよ!」

荘介も鞭に力を込めながら廊下に飛び出る。そして、2人同時に技を放った。

『剣剣電波』

『一条鞭砲』

2つの技が近藤の方に向かっていくが、近藤はそれを気にも留めず、弓を構える。

「無駄ですね。私の弓矢には…」

近藤は弓を引き、矢を放った。それは早明浦が放った剣剣電波に命中した。矢を放った後、近藤はすぐさま、飛んできていた一条鞭砲をかわす。それを見て早明浦が走りだした。

「素早いな!だが、相殺することはできた!」

しかし、矢は剣剣電波を消滅させてそのまま早明浦の方に飛んできた。

「相殺できていない!?」

早明浦は急いで竹刀を構え、それで矢を受け止めた。

「大丈夫か!早明浦!」


荘介が心配そうに見ているが、早明浦は笑っていた。


「ああ!見ろよ!この矢、点滅してるぜ!」

「ははは…え?」


そのとき、矢が爆発した。荘介はさらに心配する。

「早明浦!」

早明浦は倒れていた。意識を失っているようだ。荘介は近くにあった教室に逃げ込む。

(なんだ!?矢を爆発させるのか?いや、違う…だったら黒部もそうなっているはずだ…そうだ!黒部はどうなっている?)

荘介はスマートフォンを取り出し、宮ケ瀬に電話する。

「宮ケ瀬!黒部の様子はどうだ!?」

「荘介さん!黒部は眠っていますわ!叩き起こしてもダメですわ!」

「そうか!わかった!引き続き気をつけてくれ!」

荘介は電話を切る。


(矢に何らかの効果を付与できる兆能力『アローエフェクト』か!ただの弓使いじゃないぞ!)


近藤はその場を動かず、じっと遠くを見つめている。

(私の『アローエフェクト』は、ランダムに効果を付与する…まあ、命に直結するような影響はありません。ということで、教室に逃げ込んだ彼にも倒れてもらいましょう。)

近藤は弓を引きながらも、荘介がいる教室に向かっていく。

(足音がする!こっちに向かってきたか!)

荘介は辺りを見回す。

(おそらくですが、教室のどこかに隠れるでしょう。せいぜい清掃具を入れたロッカーぐらいにしか隠れることはできないでしょうが。)

近藤は弓を引いた状態のまま、荘介が隠れた教室に入った。しかし、荘介の姿は見当たらない。

(やはり…机の下にはいない。となると!)

近藤はロッカーに近づく。そして、足でロッカーを開けた。


「いない!」


ロッカーの中には誰もいなかった。近藤は上下左右、とにかく見回す。

(どこに隠れたの!?)

そのとき、衝撃波が飛んできた。それは、近藤が持っていた弓を吹き飛ばす。

「きゃあ!」

近藤は思わず、その場で尻もちをつく。衝撃波は教室の窓から飛んできた。

(窓から!?だって、ここは3階なのに…まさか!)

そのとき、窓から鞭を手に持った荘介が現れた。


「さすがに、窓の水切りに鞭でぶら下がっていたとは思わなかったようだな。」


「!」

荘介は教室に入るとすぐに、鞭を構える。

「無防備の私に鞭を構えるとは…いやらしい人ですね。」

「!?…ちがっ!そんなんじゃ!」

荘介は動揺する。それを見て近藤が笑った。

「ふふ。冗談ですよ…なんせ、まだ自分を守れますから。」

「!」

近藤は、どこからともなく弓を出現させた。そして、勢いよく弓を引いた。

「そんな!弓を出現させることもできたのか!」

矢が荘介の方に飛んでいく。なんとか鞭を振るおうとしたが、矢に何らかの効果があることを考えればダメージは免れ得ない。

そのとき、どこからか花びらが飛んできて、荘介の代わりに、矢に射抜かれた。矢は激しく燃え始めたが、そのおかげで荘介にダメージを与えなかった。

「花びら…これは…」


「荘介さん、この人の相手は私に任してくださいまし!」


善永の挑戦状:弓道でいうところの「残心」にあたる、アーチェリーで矢を放った後の動作を何という?


前回の『善永の挑戦状』答え:8月3日

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