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兆兆発止 第2部  作者: ぱんろう
粛清委員会編
49/77

49話:鬼の書紀

土方がズボンのポッケに手を入れて、篠原と八ッ場を見定めている。

「Hmm、55点だなぁ。」

「何がだよ。」

篠原が不満そうに問う。土方は鼻で笑いながら言った。

「ヘアスタイルだ。どっちもぱっとしないな。」

土方はポッケから手を出す。その手には、ハサミを持っていた。土方は青いオーラを発しながら2人に向かってくる。

「言ってくれるじゃないか。」

八ッ場もオーラを発し、釣り竿を振るう。すると、土方が持っていたハサミを釣ってみせた。

「!?」

「残念だったね。君の武器は釣ったよ。さらに…」

八ッ場は再び釣り竿を振るう。土方の制服に釣り針が引っかかった。

「女子更衣室にでも放り込むか。この際だし、下着泥棒の罪も全部なすりつけてやる。」

八ッ場が土方をリリースしようとしたとき、土方は笑っていた。


「残念だったのはそっちだよ。僕の武器は、あんなちっぽけなハサミじゃない。」


土方は手をチョキにし、釣り糸を挟む。すると、糸が切れた。

「嘘だ!」

八ッ場が動揺する。篠原がはっとした。


「そうか…自分自身をハサミにできる兆能力『シザーズボディ』か!」


「ふふ。そうだ。どこでもいい。体のどこでも、挟みさえすればCutできる!」

八ッ場が後ずさりをする。

「そんな…俺の釣り竿があっという間に…」

八ッ場は再び釣り竿を振るい、釣り針を土方の頭上に出現させる。


「サンバのリズムに乗ってるかい?」

土方は頭上で手拍子をした。釣り糸が土方の手と手に挟まれ、切られてしまった。

「くそぉ!」

「落ち着け。八ッ場。俺に任せろ。」

篠原は拳を構えながら、土方に向かっていく。土方の側まできたとき、床に右ストレートをぶつけた。ペンキが飛び散り、土方の右足にかかる。

「足が!」

土方は、右足が動かせない。その土方に、篠原が左フックをぶつけようとする。

「すまんな。先に進ませてもらうぜ。」

土方は左フックをなんとかかわすが、右足を動かすことができず、篠原と間合いをとることができない。篠原は次のパンチを繰り出そうとする。


「知ってるかい?じゃんけんだと、PaperはRockに勝つんだぜ。」


繰り出された篠原の拳を、土方が両手で挟もうとする。

「!」

篠原は拳を引っ込め、攻撃を諦める。その隙を見て、土方が右腕を引っかけてこようとした。

(こいつ!ひじ裏で挟んでくる気か!)

土方の動きを見て、篠原の方から間合いをとった。土方がにやっとしていたとき、頭上に釣り針が出現した。

「学習しろ!間抜けな釣り人がぁ!」

「間抜けはお前だ。目の前に誰がいるのか忘れたのか?」

土方が右手をチョキの形にして釣り糸を切ろうとしていると、篠原が右ストレートを当ててきた。それは、土方の左手に命中した。

「Ouch!」

ペンキが飛び散り、土方の左手に纏わりつく。

(左手が!動かん!)

土方は、なんとか右手で釣り糸を切る。その隙をついて、篠原が再び拳を構えて向かってきた。さらには、頭上に釣り針が出現した。

「同時にやってきたか!」

土方は右手をチョキにして、向かってくる篠原に備える。

(まずは、ボクサーの方をやる!その後で、釣り糸を切ってやるぜ!)

篠原は、右手を差し向けてくる土方を見てにやっとした。


「知ってるか?じゃんけんだと、グーはチョキに勝つんだぜ。」


篠原は左フックを土方の右手にぶつける。

「ぐがあ!」

土方は痛みに、右手を引っ込めた。そうしている間にも、釣り針が土方に引っかかる。

「順番を違えたな。もっとも、先に釣り糸を切ったところで、俺の左フックがお前の右手を攻撃していたが。」

篠原が笑っている後ろで、八ッ場が釣り竿を勢いよく振るう。それと同時に土方が姿を消した。

「ったく、厄介な奴だった。」

「結局、どこに飛ばしたんだ?」

「ああ、職員室だよ。今頃、小熊先生や斎藤先生に怒鳴られているだろうな。さあ、早く生徒会本部へ!」

八ッ場と篠原は、すぐ側にあった生徒会本部に入る。


善永の挑戦状:ハサミの語呂合わせに由来する、「ハサミの日」は何月何日?


前回の『善永の挑戦状』答え:土方歳三

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