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兆兆発止 第2部  作者: ぱんろう
粛清委員会編
45/87

45話:燃える本

いつものように放課後、廊下を歩いていた荘介が突然口を開いた。

「何!?この3人!?」

そこにいたのは、荘介、早明浦、黒部の3人であった。珍しい組み合わせである。

「別におかしくないだろ。特に荘介と早明浦さんは、同じ「すけ」コンビじゃないか。」

「そのくくりやめろ!漢字が違うし!」


3人がわいわいしながら歩いていると、2人の男子生徒が立ちはだかった。

「誰だ!お前ら!」

早明浦が2人に名を尋ねる。2人の生徒は律儀に名乗った。


「俺は、生徒会一年、伊藤高太郎!」

「そして俺は、生徒会三年、芹沢鴨太郎!人は皆、俺たちを「太郎」コンビと呼ぶ!」


黒部が対抗するように言った。

「こっちは「すけすけ」コンビだぜ!」

「そのくくりやめろって言ってんだろ!」

荘介が黒部に怒鳴っているのも束の間、燃えた本が飛んできていた。

「!」

荘介はそれをかわす。燃えた本はそのまま落下し、燃え尽きた。太郎コンビの方を見ると、青いオーラを発していた。


「荘介、どうやら、ふざけている暇はなさそうだ。」

早明浦がどこからか竹刀を取り出している。そして、青いオーラを発した。

芹沢が口を開く。

「お前ら、図書館には行くか?最近、悪書が増えてきてな。それの処理を任されるんだ。」

芹沢の周りにはいくつかの本が浮いていた。

「本を操る兆能力『ブックメイカー』か!」

荘介が芹沢の兆能力を特定していた。それを聞いて、黒部が不審がる。

(だが、本はなぜ燃えた?ブックメイカーにそんな芸当ができるのか?)


そう考えている間にも、いくつかの本が飛んできていて、それぞれ3人を狙っていた。さらには、そのうちの一つが突然燃え始める。それを見て、早明浦がはっとした。

「もう一人の太郎か!摩擦によって炎を発生させる『フリクション・ヒート』だ!」

早明浦は竹刀を振り回し、本を叩き落した。荘介も鞭を出現させ、それで本を叩き落す。唯一武器を持っていない黒部は、飛んできた本をかわすことで対処する。それを見て、芹沢はにやっとしていた。

「お前ら、図書館で本を借りたらどうする?返すよな?」

「まさか!」

黒部は振り返る。かわした本が飛んできていた。

『ブック・リターン』

一度に限り、発射した本を使い手のもとに引き寄せることができる技。黒部は、後ろから飛んできている本―芹沢のもとに向かうため―をかわせそうにない。

「仕方がない!」

黒部が青色のオーラを発する。本の角が黒部の背中に衝突するが、黒部は痛みを感じていない様子であった。

「黒部!アンチ・スケープゴートを発動したのか!誰に痛みを押しつけたんだ!?」

「じきにわかる!」

「いてええええええ!」

突然伊藤が背中をさすり始めた。

「本の角が背中に当たった痛みだ!あの男!アンチ・スケープゴートの使い手です!」

「なんだと!?…だが、その対処は簡単だ!殺す気でやればいいんだ!その兆能力は、死ぬほどの痛みだけは他人に押しつけられない!」

「そんなことさせるかよ!」

早明浦が竹刀に帯電させ、太郎コンビに向かって駆ける。


「高太郎!任せたぞ!」

「はい!鴨太郎さん!」

芹沢が、本を伊藤に向かって発射する。伊藤は、その本を少し擦った。

「本は、何度で燃え始めるか知ってるか?232.8℃だぜ!」

「そこは華氏で言えよ。」

擦られた本は激しく燃え始め、早明浦の方に向かっていった。

「本を摩擦熱で燃やす…なんてコンビ技だ!」

早明浦は竹刀で本を叩き落そうとする。が、燃える本は早明浦の竹刀と拮抗した。

「ぐぬぬぬぬ!」

踏ん張っていた早明浦の側を、荘介と黒部が通る。2人は、太郎コンビのもとに向かっていた。

「お前らの相手は、本の登場人物だ!」

本人(ほんじん)登場』

芹沢が本を乱雑に開き、それを床に叩きつけた。

「本の扱い雑だな…」

荘介が呆れていると、突然剣を持った男が斬りかかってきた。

「なんだこいつ!」

荘介は、後方にジャンプすることで、それをかわした。その剣士は、桃が描かれたハチマキを巻いている。


「桃太郎!そいつらを切り刻んでしまえ!」


善永の挑戦状:題名は紙が燃え始める温度に由来する、ブラッドベリのディストピア小説は何?


前回の『善永の挑戦状』答え:コールドロッカー

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