表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/109

3話:ゴング鳴る

『さあ、クイズ研究会の川路善永さんによる部活狩りが今、始まろうとしています!相手は、ボクシング部部長の篠原牛滋さんです!実況役は私、放送部の斎藤二太郎と!』

『解説役の河元信正です!よろしくお願いします!』

2人の声が校内に響き渡る。校内に残っていたほとんどの生徒が、放送に耳を貸していた。

「おい、部活狩りだってよ。」

「なんだよ?それ?」

「面白そうだし、聞いてみるだけ聞いてみよう。」


リングの上では、善永と篠原が見つめ合っていた。

「KOした方が負け…これでいいな?」

「いいですよ。勝ちますからね!」

(それにしても…)

善永はリングを見回した。

「このリング、やけにカラフルですね。ジャクソン・ポロックのアートを思い出す。」

篠原がにやっとした。

「ほう、これの良さがわかるようだな。少し気に入った。」

2人がグローブとヘッドギアを身につけてしばらく向かい合っていると、ついにゴングが鳴った。

『試合開始のゴングが鳴りました!2人ともしばらく向かい合っています!河元さん、ここで2人の情報を。』

河元が手元にあった資料に目を通しながら2人の解説をする。

『はい!まずは篠原牛滋さん、階級は…ウェルター級です。全国大会では一度、決勝戦まで進んでいます!対して、川路善永さん、ただのクイザーです。ボクシングの素人ですね!つまり、兆能力をどう使うかが重要になりそうです!』

最初に仕掛けたのは篠原だ。

『篠原さん!ジャブで牽制だ!善永さんは防御する!』

(これならどうだ!)

善永は右フックをする。が、


『善永さん!右フックをかわされる!』


(ボクシング素人が…テレビや映画の見よう見まねで戦えると思うなよ。)

篠原は善永の隙をついて、右脇腹にボディブローをぶつける。

「ぐはっ!」

『おっとぉ!牛滋さんのボディブローだ!』

『これはレバーにきますよ。』

荘介がリングの下から善永に叫ぶ。

「善永!兆能力を使え!普通のボクシングで勝てるわけないだろう!」

善永は言われた通り目をつむり、兆能力を発動する。

『善永さん!目をつむる!兆能力を発動した!』

「ならば、俺も使わせていただこう。」

善永がオーラを発したのを見て、篠原も兆能力を発動した。

『善永さんに合わせるかのように、篠原さんも兆能力を発動した!オーラの色は青だー!』

(なるほどな…全国大会に出るだけはあるな。)

善永は篠原と距離をとりながらジャブで牽制している。それを見ていた一太が、なぎさに小声で尋ねる。

「彼は、なんの兆能力を持っているのですか?」

「はい。えいちゃんの兆能力は、『テレポートビジョン』です。兆能力範囲であれば、視界をどこにで移すことができるという優れものです。」

「なるほど。私と戦ったときは、部室を俯瞰することで、泥の位置を把握していたと。」

一太は納得していた。

(俺の兆能力範囲は、ちょうどこの部室ぐらいの広さだ。視界を「設置」するなら…)

善永は俯瞰できるように、天井の隅に視界を移した(善永はそれを「設置」と呼んでいる)。そのとき、篠原の右ストレートが飛んできた。善永はそれをかわす。

『善永さん!目をつむっていながら、篠原さんの右ストレートをかわす!』

(やっぱりボクシングは動きが激しいな…定期的に視界を移さなければ、篠原さんの背中しか見えなくなる。)

『篠原さんの攻撃を、善永さんがかわし続ける展開が続きます!善永さんに反撃のときは訪れるのでしょうか!』

二太郎の言う通り、善永はただかわすしかなかった。

(この人は、兆能力を発動している…だが、さっきから繰り出されるのは普通のパンチだ。それに、俺のように五感のどれかを発達させている様子もない。)

善永はリングのコーナーに追い詰められた。

『善永さん、コーナーに追い詰められた!』

「どうした?怖くなって前が見えなくなったか?」

篠原は右ストレートを善永の顔面に打ち当てようとする。それを、善永がかわした。

「!これをかわせるのか!」

荘介がにやっとしている。

(岡目八目という言葉がある。当事者よりも、第三者の方が物事の真相がよくわかり、的確な判断ができるというものだ。善永は、テレポートビジョンを駆使することによって、当事者でありながら第三者になれる!)

『これは、驚き桃の木山椒の木!あの距離で右ストレートをかわした!』

篠原の右ストレートはコーナーの柱にぶつかる。すると、カラフルなペンキが辺りに飛び散った。


「なるほどな。これがあんたの兆能力か。」


善永の挑戦状:自動車事故でこの世を去った、その画法は「アクション・ペインティング」と呼ばれる、アメリカの画家は誰?


前回の『善永の挑戦状』答え:斎藤一

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ