残った二人の悪巧み
※こちらの作品は 高鳥瑞穂様の『「そんなの、ムリです!」~ソロアサシンやってたらトップランカーに誘われました~』の二次創作になりますm(__)m
思いついたネタを書き殴ってみたので、敬称・設定諸々が無茶苦茶になっているのでご了承ください。
28-9. のアネシア視点想定になります。
「きょっ、今日はこれで落ちます!!」
見惚れそうなくらい真っ赤になって慌てている彼女が、そう言い残してバタバタと逃げ出して行った。
ウチから完全に退室するまでは何とか持ったけれど、静寂の訪れたタイミングで隣に座るニンカと一緒に笑いだしてしまう。
「……はあ、言ってやった言ってやったww」
笑い過ぎて机に突っ伏す彼女は、凄く満足気に呟く。
「来てくれて本当にありがとうね」
「いいよいいよー、こっちも伝えたかった事ぶち込めたし」
軽い調子で笑う彼女も、不思議な縁で繋がったたよr……頼れるお姉さんである。
「ほんとこう……」
「うん?」
「こう……セリスの背中を蹴り飛ばすのがなかなか難しくて」
「そっちなのねww」
煮え切らない彼女をけしかけるのも大変だ。
「でもあの生真面目なセリスが、あの人を相手に通話し続けて寝不足になった、って申し訳なさそうに言ってきたんですよ!?」
「尋問不可避w」
「なおげんじつ」
「あのスカポンタンはなあ……」
「27歳のイケメン社長がアレって正気なんですかね!?」
二人揃って机に八つ当たりしつつも、どうしても納得できない点を聞いてみる。
「リーダーもちょっとトラウマがあって変な事になってるらしいけど、流石にアレはねえ」
「過剰労働罪で沖縄のリゾートへ島流しにされて、わざわざ仕事します???」
「そこは本当に分からんけど、そこで選んだのがセリスだったのは救いかなあ」
しみじみと呟く様子に頷いてみる。
「行き返りでうん万、オフシーズンとは言え観光地のリゾートホテルに数泊……夢みたいな状況なのになあ」
「一人旅が敗因なのか……いっその事セリスを送り付けて、エスコートでもさせたら喜んで引き受けそうだけどねw」
「振り回されるセリスをからかいながら、どう見てもいちゃついてるバカップルがはっきりと見える……」
妄想とかでなく、ほぼ間違いなくそうなる。
「スカポンタンの奇行についてはニャオ姉とハムさんにも相談するとして、セリスはなあ……」
「ニンカの指摘が無くても楽しんでたみたいだし、もう二歩くらい踏み込めば良さげかなあ」
それはそれで重大な影響を周囲に撒き散らしかねないが。
「なんだかんだでセリスが優勢っぽいし、今度のイベントでチャンスを作れればなー」
「話題の施設で二人で一緒に……状況は完璧なのにお互い揃ってゲームに逃げるんだろうなあ」
「否定できる要素が何処にも無いwww」
ケラケラと笑い合いながら、ふと思いついた言葉が溢れてしまう。
「こんな面白そうな事が見れるのなら」
「うん」
「なおのこと大会に参加できれば良かったなあ」
学校行事と弱体化騒動のダブルパンチで絶望的だったとは言え、セリスとニンカに直接会えて一緒にバカ騒ぎ出来る機会を逃してしまった。
その点については本当に後悔している。
「全国のアネシアファンの嘆きっぷりも凄かったよねえ」
「その件については、本当に納得していないのですが」
「有名税有名税w」
前回大会での活躍や取り上げられたいくつかの動画、そしてこの前のイベントを経て私のファンクラブを自称する一団が現れた。
元々の知り合いがふざけて入っていたり、過去に手助けした人達に認識されて色んなエールを貰ったり。
何より一番大きかったのは遊び人としての技量を認められ、賞賛されたり教えを請われたりと、遊び人の地位向上を目指していた身としては嬉しいやら恥ずかしいやら。
「セリスはセリスで大会優勝&チャンピオン挑戦なんてトンチンカンな目標を掲げて特訓中だし」
「ウケるw」
「実際にまぐれ以上を狙えそうなところが、本当にセリスなんですよねえ……」
「根本的に好き嫌いと出来る出来ないに、物凄いギャップのある子だからねえ」
「……ああー」
彼女が彼女なりに『できる』と辿り着いた道筋は、常人の想像力では追いつきにくい。
それでいて初参加の大会で魅せたスーパープレイは、『思い付き』であっても実践できるだけの才覚と度胸を兼ね備えている。
「……私から言えるのは、せいぜいセリスに大会ごと振り回されろ、ってとこですかねえ」
「言い方ww」
「だってほぼほぼ対人初心者ペアだった二人でああなったのに、トラキチさん&トラ小屋に仕込まれて、サザンクロスで散々実践を経験して、現在進行形でぽんすけさん監修の修行中なんですよ?」
「だれがそこまでやれと言ったあああ!!」
「本当にw」
このノリの良さには安心感すらある。
「大会と言えば、ニンカの事も本当に応援してますからね」
「……うん、ありがと」
「華々しい記録を叩き出して初代女王かあ……夢があるなあw」
「言い過ぎ言い過ぎ」
「特訓も研究も人一倍頑張ってるんだって聞いてますよw 大会までもう少しだけ時間もあるし、無茶しすぎないでくださいね」
「むむむ」
この人もこの人で可愛らしい反応をする。
「……もし良ければ」
「はい?」
「今度の大会が終わったら、セリスも呼んで三人でお疲れさま会でもやらない?関東で集まれそうなとこを見繕って」
「え?良いんですか?」
「あたしも会って遊びたかったし、セリスも今回のお礼について考え込んでたからね」
「そんな気にしなくてもいいのに……」
「それこそ稼いでるあたし達でパアーっともてなすからさ!!」
「それは絶対遠慮しますからね!?」
「あははは」
人気が高くて、ちょっとおかしなリスナーが付いている二人基準だと、下手しなくても恐ろしい事になってしまう。
「まあその辺はさておき、春休みも近いし少しくらい遊びに付き合ってくれたらなー」
「……はい、分かりました」
「よっしゃ!」
ガッツポーズまでして本当に可愛らしい先輩だ。
「あとは変に気を遣うセリスをどう料理してやるかかあ」
「弄るのは確定なのw」
「セリスもリーダーとリアルで会う機会が増えそうだから、中身に見劣りしない程度に服も整えなくちゃ……!!」
「目標設定が色々とおかしいww」
すでにどこ目線か怪しくなっているけど、着せ替え人形さんが逃げ出さない工夫がいりそうな流れで……。
「ニンカがグライドさんを連れて来て、ある程度セリスの自由にさせるって言えば、何があっても飛んでくるのでは?」
「ぶっ!?」
……おや?
視線を向けると真っ赤な顔をして、必死に何かを誤魔化せないかと焦る彼女が。
「おやおやおや?」
「何かな!?」
勢いで誤魔化すにも、そんなあからさまな態度はいただけない。
「尋問会の第二ラウンド、始めちゃいます?呼べばセリスも飛んで来ると思いますよ??」
「分かったから! コールは要らないから!?」
今日は随分と楽しい話が聞ける日だったらしい。
……こちらは本編を読んだ後、すとーんとネタが落ちてきた話。
大まかに話を描ければ、想定していない部分についてもなんとなくでスラスラ書ける謎仕様_(:3 」∠)_(効率✖




