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客のスライム(1)

またまた来てくれた!

見てくれてありがとう!

カランコロン…

宿のドアが開く音がする

「い、いらっしゃいませ…」

サーシャは不慣れな様子で小さなスライムを招き入れる

スライムは宿に魔物の気配があったのになぜ人間が居るのか理解できず飛び跳ねたり部屋の隅に移動しブルブル震えていた

その時、ツァールトがスライムに近づきなだめようとする

「落ち着け…我は魔物だ、この人間とは宿を経営する仲間だ…別に危害は加えん」

スライムは安心したのかゆっくりサーシャに近づき飛び跳ねる

その動作は、まるで完全に懐いたペットの様だ

サーシャは不思議そうにしながらもスライムを持ち上げる

「なぁなぁ…コイツなんて言ってるんだ?」

「あぁ、挨拶してるんだ…スライムは基本的に3種類に分かれる…一つはコイツのような普通のスライム、次にそのスライムから進化したデカスライム、そして最後に人間の形をしているスライムだ…基本的に普通のスライムは飛び跳ねたりして何か伝えようとしてくる…まぁ魔物同士ならなんて言っているのかは分かる」

「へぇ〜…」

「お前も少しは魔物の事を勉強したらどうだ?」

「うっせぇ!お前こそ人間の事について勉強しろよ!」

ツァールトは鼻で笑うと胸を張って自慢する

「お前が寝ている間に人間の事は調べた」

「ッチ…言い返せねぇ…それよりスライムくんを部屋に運ばないと…」

サーシャはスライムを抱き上げ優しく撫でる

スライムは落ち着いた様子でサーシャに身を委ねる

その時、スライムがコポッみたいな音を発する

さっきまで活発だったスライムは動きが遅くなり何かを求めている様だ

「え!?どうしたの?!大丈夫!?」

サーシャが心配そうにスライムを揺らす

スライムはサーシャに揺らされながらどんどん力が弱くなる

それを見かねたツァールトは淡々と話し始める

「スライムは一定時間、水を吸わなければ消えてしまう…ここに来たのは助けを求めての事だろう…だからそいつを湖に浸してこい」

「わ、分かった!浸してくる!」

サーシャは物凄い勢いで宿を飛び出し目の前の湖にスライムを放り込もうとする

「うわぁ〜!!!???」

バッシャーン!!

宿の外から大きな水しぶきの音が聞こえる

ツァールトは呆れながらもタオルを取り出し外に向かう

ツァールトが外に出ると水を吸って元気になったスライムが湖にうつ伏せで倒れびしょびしょになっているサーシャの腹の上で飛び跳ねていた

「う、うぅ…助けてぇ…足滑らしたし何よりスライムがおも〜い…」

ツァールトはスライムを掴みサーシャの腹から下ろす

そしてサーシャを起き上がらせタオルで髪を拭く

「ちょッ///!?自分で出来るからタオル貸してよ!」

「動くな…こんなびしょびしょで…お前はやっぱり危なっかしいな…」

ツァールトは暴れるサーシャを取り押さえながらタオルで髪を拭いたりしている

スライムは相変わらず湖で飛び跳ね

水を吸収している



ミッテルロジーの初めてのお客様はスライムでした!

だけど意思疎通が出来るのはツァールトだけ…

だけどサーシャは初めてのお客様で喜んでそうですね

スライムは水を吸収しないと消えちゃう脆い存在なので湖が近くにある宿屋はスライムにとって最高の場所でしょう

ではでは…次回で会いましょう

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