第85話 様々な特攻兵器
航空機による体当たりの特攻が行われる様になったのは、表立っては1944年のレイテ沖海戦からだと言われているが、軍はその前から航空機以外の方法でも特攻が出来ないかと模索していた。桜花(人間爆弾)や回天(人間魚雷)は有名だが、それ以外にも実戦で使われてはいないが、案として候補に上がった物は一つや二つではない。特攻を先行させていたのは海軍だったが、意地の張り合いで陸軍も特攻を開始した。次第に特攻は敵部隊を殲滅するという目的から、特攻をする事が目的になってしまう。何の為に特攻をするのかと言う事すら第二次世界大戦末期においてはうやむやにさせられた。特攻作戦による死者は4400人を上回ったと言うが、そのほとんどは敵部隊に突入に成功した訳ではなく、護衛戦闘機に打ち落とされたり、対空砲火でやられており、特攻の成功率は18%~20%程度であったと言われている。戦闘機の無くなった海軍は練習機での特攻なども試みたが、その頃には米軍も特攻対策を確立させていた。練習機による特攻等ただ、ただ、呆れるしかない。




