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第6話 7.7㎜機銃
零戦には二つの機銃がついている。その一つである7.7㎜機銃から説明しよう。これは今で言う所のライフルの様なもので、薄い鉄板やガラスなどなら撃ち抜く事が出来たが、米軍のグラマンやムスタングの様な防弾性の高い機体では、打っても当たりはするが効かないと言う事があった。この7.7㎜機銃は命中精度は比較的高いが、威力が弱いと言う欠点を持っていた。とは言うものの、腕の良いパイロットは7.7㎜機銃で敵機体の弱い所を瞬時に見分けて、打ち落とすと言う事はよくあった様で、7.7㎜機銃は十二分にその役割を果たしていたと言える。基本的に口径の直径のサイズが上がれば、威力は上がるが命中率は下がる傾向になる。その原理原則は変わらない。第二次世界大戦末期に大日本帝国海軍は零戦による特別攻撃隊を編成して、次々に米国海軍艦艇(主に空母)向けて体当たり攻撃を仕掛けに行く事になるが、彼等に充分な射撃テクニックと、空戦を戦えるだけの燃料があれば、全く違う終戦の仕方を迎えていたのかも知れない。