第64話 防御重視の米国
米国製の戦闘機はとにかく頑丈で馬力のある機種が多かった。前項で紹介したボートシコルスキーF4UコルセアやグラマンF6Fヘルキャット等は本当にその米国の方針に合わせて作られた戦闘機であった。「戦争は防御から始まる。」かの有名なクラウゼヴィッツの大命題に米国は忠実であったのである。最もパイロットの命を大事にする・優先させるダメコン(ダメージコントロール)の観点からみると、そうした視点からあるいは製造のしやすさ、パイロットの操縦のしやすさ等、全ての要素を加味して、突き詰めて行った結果として頑丈で馬力のある戦闘機開発に近付いて行ったのではあるが。それでも大日本帝国陸海軍の方針とは全く逆の位置にある考え方である事は確かである。その差が、国家の命運を勝敗と言う分かりやすい形に変えた事は既に歴史が証明している。米国はエリートがパイロットになる。パイロットは士官が率先垂範してやるものと言う伝統があるが、日本は低学歴の下士官ばかりが撃墜王になっていた。その文化の差も違いとなって表れているのかも分からない。




