第61話 ボートシコルスキーF4UコルセアとグラマンF6Fヘルキャット
零戦を語る上で欠かせないのが、ライバル機の存在である。今回取り上げる米軍のボートシコルスキーF4UコルセアとグラマンF6Fヘルキャットは、零戦と死闘を演じた最右翼と言っても過言ではない。ボートシコルスキーF4Uコルセアは二千馬力の高速戦闘機で、スピードも火力も零戦より圧倒的に上で性能と言う点では、後に投入されるグラマンF6Fヘルキャットよりも優秀な機体であった。そして、アリューシャン作戦でダッチハーバーにおいて、回収した零戦をねちっこく調べあげた研究の成果を元に開発されたのが、グラマンF6Fヘルキャットであった。この米軍の二機種の登場により、零戦の快進撃は止められる様になってしまう。開戦初期は圧倒的な強さを見せていた零戦も、対策マニュアルを作られ、3つのネバーと一撃離脱戦法と言うものと、新機種を大量投入した事が、太平洋(大東亜)戦争の勝敗はここで決まってしまっていたようなものである。防御力が高く、頑丈な米軍機と極限まで肉抜きして、機動性を重視した日本の零戦では、どちらが実戦向きなのかは一目瞭然であった。




