第4話 航続距離
零戦の特徴で欠かす事の出来ないのが、航続距離である。1800浬=3000㎞と言う航続距離が、零戦を世界一流の飛行機に押し上げた事は紛れもない事実である。勿論、これが後に無茶な作戦(特攻)をさせてしまう原因にもなってしまう。それにしても、単座の空母艦載機としては当時は桁外れの性能であった。それは開発に携わった越川三平、羽根嘉三両氏共に思っていた。だが、これだけの航続距離を零戦が必要としたのには、勿論理由がある。広大な太平洋や広い中国大陸で戦うとなると、どうしても航続距離が重要視されるだろうと発注した為、と言う見方が有力的であった。時間にすると約8時間。1800浬=3000㎞を飛べる空母艦載機の存在は米国にとっては最大級の脅威であった。その上に素早いと来たもんだからたちが悪い。開戦当初は無敵と言われたのもこのスペックなら納得出来る。紛れもなく当時の世界最高水準であるこの戦闘機の凄い所は、航空母艦から離発着可能な空母艦載機であると言う事である。零戦が普通の戦闘機ではない事が分かる。これには開発に成功した三平や嘉三らもガッツポーズをした。