第39話 戦時中の航空機
戦時中作られた航空機は数多くあるが、日本で戦時中に作られた多くの機体は、米国で作られた航空機と違い、馬力が小さく機体も小さかった。細部まで気にする日本人の国民性が戦闘機さえ、工芸品に仕立て上げた。米国の方はと言えば、小さい所にはこだわらず、防御力重視で馬力のある大きな不細工な機体を大量生産していた。機動力や旋回性能と言うドッグファイトに秀でた機体を日本が作っていたとしたら、米国はいくら撃たれても墜ちない耐久力に秀でた機体で、相手が息切れするのを待つような機体を作っていた。どちらに軍配が上がったかは、歴史が示す通りであるが、終始パワフルな機体を作り続けた米国が熾烈な航空機製造競争に打ち勝った。日米両国の差はパイロット(搭乗員)の命を大切にした米国と、大切にしなかった日本の一つに尽きる。パイロットの命を大切にしていた米国は、貴重なベテラン搭乗員を多く残せた。日本はベテラン搭乗員を全く残せなかった。その差もあり米国は最後まで息切れする事は無かったのである。




