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第28話 整備兵は備品
搭乗員が消耗品ならば、整備兵は備品だそうである。搭乗員の様にどんどん減っていく様なものではないから、整備兵など、一定の技術を身に付ければ長い事使える。とでも大本営参謀は思っていたと考えられる思考である。当たり前の事だが、戦闘機や航空機は精密機器の塊である。いくら優秀なパイロットがいても、整備兵がいなければ何度も何度も飛行出来ない。同じ様に、戦車や戦艦も陸海空を問わず軍隊には、整備兵が必要なのである。流石に兵器を使わなければ、戦にはならない為、作戦のお粗末だった昭和の帝国陸海軍でさえも、整備兵は豊富に用意していた。航空兵の様な第一線部隊で戦う兵士より待遇は悪く、備品と呼ばれるなど悪名が高い兵種であった。大東亜戦争を5年近く戦えたのは整備兵と言う隠れMVPがいた事は確かである。大日本帝国陸海軍の人名軽視はいつから始まったのか?健軍以来多くの戦争を戦ってきたが、少なくとも明治・大正時代と昭和の帝国陸海軍では人命軽視の度合いが異なる様に感じる。




