第23話 大艦巨砲主義
戦艦こそ史上最強の兵器であり、制海権を得るには強大でより大きな大砲を積んだ戦艦が必要である。と言う考え方の事を大艦巨砲主義と言う。その最たるものが、戦艦大和であり戦艦武蔵である。しかし、この考え方は航空機と航空母艦の登場により、時代遅れの産物となってしまう。真の艦隊決戦は空母同士により決着する。と言う考え方を主流にしたのは前述のパールハーバーで日本海軍が示していた。とは言え、日本海軍の伝統は大艦巨砲主義であり、戦艦同士の艦隊決戦を主流としていた。日本海海戦でロシア海軍バルチック艦隊を破ったのは、戦艦三笠を旗艦とする最新鋭の戦艦や駆逐艦であった。その頃の考え方をかたくなに変えなかったのは、ロシアに勝ってしまったと言う成功体験によるものが大きかった。自分達が世界に示した航空機による艦隊攻撃を、米国にやり返された。それにより対米戦での日本軍のかすかな命運は絶たれてしまう。何とも皮肉な話である。時代遅れの産物。大艦巨砲主義はいつしかそう呼ばれる様になって行ったのである。




