第22話 大戦果
結果的に騙し討ちにはなってしまったが、パールハーバーでの日本海軍の戦果は大戦果となった。二次に渡る攻撃で、戦艦5隻沈没ないし着底、3隻大破。基地航空機200機以上撃破。と、空前の戦果を上げる。一方の日本側は未帰還機29機55名の戦死者を出したものの、米国側の戦死者に比べれば、微々たるものであった。日本側の未帰還機の多くは体当たり(自爆)によるものであった。これが後の特攻の素地となる。かくして日本は遂に米英仏欄連合国を相手に、勝ち目の無い戦を始めてしまったのであった。この大戦果はラジオや新聞を通して日本国民にも伝えられた。三平や嘉三も自分達が設計・開発に携わった零戦が活躍した事を知り一時は嬉しさを覚えたが、しかし相手は米英仏欄連合国である。日中戦争も目処がついていないにも関わらず、始めてしまった戦争だ。航空機の開発では日本の何歩も先を行く米国や英国である。これはまずいと三平や嘉三は思った。日本は日露戦争で辛くも勝利したあの帝政ロシア以上の強敵と戦う事になる事は直ぐに分かった。




