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第21話 騙し討ち
真珠湾攻撃を指揮した連合艦隊司令長官山本五十六も、大本営参謀本部も、最後通告をきちんと米国側に伝えてから正々堂々と、作戦を行うつもりだった。しかし、思わぬ所で予想外のミスが起きた。最後通告を日本語訳から英語訳にするのに手こずって米国政府への通告が遅れたのである。その理由がお粗末であった。担当した外務省の職員が前日に行われたパーティーの二日酔いだった為にタイプが遅れたのである。一部の人間の不手際で、その為に日本は真珠湾攻撃が何の前触れも無い騙し討ち(だましうち)と評される事になってしまった。それが後にリメンバーパールハーバーと言う合言葉となり、日本と戦うのに後ろ向きだった米国民の戦意を上げる事になってしまった。日本側は予定通り攻撃をしただけで、その気が無くても通告無しで攻撃を受けた米国側としては、奇襲攻撃をだと思ってしまえば、米国民にとっては奇襲なのである。しかし、そのせいか、真珠湾攻撃作戦は日本側としては一応成功に終わったのであった。




