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第19話 仮想敵国
仮想敵国。それは平時においても戦闘状態になる事が予想される言わば、一触即発の関係にある国の事を指す。現代の日本ならば中国や北朝鮮やロシア等が仮想敵国とされている。この第二次世界大戦中の日本では、大日本帝国海軍創設以来の宿敵ソビエト連邦(ロシア連邦)はもちろんの事、もう一つ巨大な新興国家があった。ご存知米国である。米国に手を出したのは、追い詰められてと言う見方が強いが、帝国海軍としては、短期決着なら勝負できると判断。だが、その思いは叶わず大敗を喫する事になるのだが、緒作戦の拙さがそれを招いたのは言うまでもない。日本が開戦に踏み切ったのは、こうした仮想敵国が多く存在していたと言う事も少なからず影響していた。そして日本は敗北の坂道をどんどん転げ落ちて行く事になるのだが、まだその事実を日本国民は知らされてはいなかった。日本政府やマスコミが嘘をついていたからである。いわゆる大本営発表と呼ばれるものだ。




